岩波ホール総支配人で世界の名画を先駆的に紹介した映画プロデューサーの高野悦子(たかのえつこ)さんが9日、大腸がんのため、都内の病院で亡くなった。 83歳だった。 旧満州(現・中国東北部)生まれ。東宝を経て、パリの高等映画学院監督科に留学、1968年に完成した岩波ホールの総支配人に就任した。74年から、川喜多かしこさんと共に、内外の埋もれた名作の上映運動「エキプ・ド・シネマ(映画の仲間)」を開始。インドのサタジット・レイ監督「大地のうた」3部作上映などを成功させた。 女性映画人の秀作も紹介。97年から2007年まで東京国立近代美術館フィルムセンターの名誉館長となり、映画の保存活動に尽力した。2004年に文化功労者。