松江市教委は26日、松江市朝酌町のキコロジ遺跡で、平安初期(9世紀頃)の墨書土器29点が見つかったと発表した。大半の器に「賀太」という文字が書かれており、地名や人の名前などが考えられるが、古代の文献には見られない名詞で、謎を呼んでいる。 墨書土器は、直径約12センチ、高さ約1・3センチの須恵器。「南」などの文字もあったが、「賀太」と書かれている土器がほとんど。「出雲国風土記」などには見られない名詞だという。筆跡は様々で、付近に文字を書くことの出来る有識者が複数人いたとみられる。 墨書土器は、国府跡など役所の跡から見つかる例が多いが、集落跡などでまとまって出土するのはまれ。キコロジ遺跡の性格を考える上でも重要という。 このほか、古墳時代後期(6世紀後半頃)の大刀の柄(つか)2点も出土。周辺に豪族などの有力者が住んでいたことを示す貴重な発見という。1点は未完成品のため、周囲に工人がいた可能性が