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出典:『新潮』2014年1月号 評価:★★☆☆☆ 「悲劇は立場をかえてみると喜劇だ」のように、立場を変えてみるとものの見方がガラッと変わることは誰しも経験したことあるだろうと思います。「立場を変える」を「視点を切り替える」と読み変えてみればこれはまさに小説の得意分野であって、これを利用しない手はありません。 本谷有希子の本作もそういう趣向で、外から見れば「バウムクーヘン作りにいそしむ主婦が途中ソファーで休憩をとってまた再開した」というだけの話を、主婦トモ子によりそう視点からみてみると実は……というつくりになっている。読者はもちろんトモ子なんて人とはこの作品ではじめて出会うわけですから、読者視点はあくまで「外から視点」。トモ子のことを他人事と考える読者の視点を、どうやればうまくトモ子の視点に同調させられるか、トモ子のあじわう恐怖をどうやれば読者にもあじわわせられるか、が本作の成功のカギをにぎ
リスト作成にはリスト漏れがつきもので、欠落を見つけるたびにリスト更新する弥縫策によってなんとかリストをその時点その時点で「まし」な状態にとどめておくことが作り手のせめてもの良心なのかもしれません。というわけで、2013年初めに記事にした「小説を読む人のための100冊」リストは、作成後しばらくは入れ忘れや、同一作家の作品でもよりいい作品が見つかった際にはその都度書き直し修正をしていたんですが、次第にめんどくさくなり(笑)、いっそ2014年の時点で一気に更新するのがよかろうと一人合点、よって今回の記事を書いているという運びになります。 リスト入り基準は2013年のときと同じです。 ・比較的手に入りやすいもの ・現代の読者にとって読む意義のあるもの ・読んで触発されるもの ・読んで楽しいもの ・再読したくなるもの ・これから深く本を読んでみようかなと思っている人にむけたもの という感じ。2013
社畜の宿命で僕はこの4月から激務の部署に移ります。異動にともなうもろもろの雑事におされてブログを続ける時間がとれそうにありません。小説を読む時間は無理してでも取ろうとは思うのですが、今までのように、文芸誌に掲載されているうちの、屑みたいな習作を我慢して最後まで読み通す(そしてその腹いせに罵倒のことばをここにかきつける)なんてこともできそうにありません。反対に、発表されたらすぐ忘れ去られてしまうかもしれない、けれどこの傑作の感想だけは書いておかねばと思わせてくれる小説の感想を残す時間もなさそうです。まして休日に図書館に通うなんてしばらくできそうにありません。 どうせなら社史編集室とか、9時5時勤務で日がな地下室にこもって会社あての封筒を開封する業務(本当にあるのかどうかしらないけど)でもさせてもらえれば悠悠自適に小説を読めるのかもしれないけれどそれはまだまだ僕の年齢では許してくれそうにもない
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