昔、某国立大学医学部で働いていた時のこと、 担当している医学部の3年生に、 「先生、大腸菌にもRNAがあるんですね。」 と、言われた。 最初、彼が何を言ってるのか、意味がわからなかったのだが、いろいろきいてみてわかったことは、医学部の授業で、ウイルスにはDNAを遺伝子にしているウイルスとRNAを遺伝子にしているウイルスの2種類があることを学んで、ウイルスと大腸菌の区別がついていない彼は大腸菌の遺伝子はDNAでできていることを知っていたので、大腸菌にはRNAがないと思ってしまったそうだ。 ウイルスと大腸菌の区別のつかないお医者さんができることも将来的に大問題だが、セントラルドグマを知らないお医者さんの存在も笑えないと思う。 よくよく話をしてみると、彼はそこの医学部生の40%を占める私立中高一貫校の出身で、高校一年生までに高校三年間を終えてしまうカリキュラムの元で学んで来たので、受験に関係ない