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ドラクエ3
ao-rui.hatenablog.com
ピンク色に染まったアスファルトの上に、風といっしょに、満開に咲く桜の花びらが次から次へとやってくる。今日はとても暖かい。というよりも暑い、といった方がいいかもしれない。マキオは羽織っていた上着のジャケットを脱ぎ、ズボンのポケットに入っていたハンカチで額の汗を拭いた。 「やべぇ、時間ねぇな。バスまであと45分しかねぇ。つか腹へった。。」 転勤になった初日、全く土地勘のない場所に顧客先への挨拶回りで訪れたわけだが、予想以上に時間がかかってしまい相当体力を消耗してしまっていた。桜の木の下でお弁当というよりも、とにかく涼しい場所でご飯を済ませて本社へ戻りたいとマキオは思っていた。 「すいません、僕この辺、初めて来たんすけど、近くにご飯たべれるようなところってないすかね??」 「おめぇココ何屋だと思ってんだよ!?」 店番をしていた店主にそう返され、恐る恐る表の看板を見上げると特太ゴシック体で書かれた
嫌な夢を見たらしい。ゆっくりと光が侵入してきて部屋の中が少しずつ紫に染まっていく。真っ赤な網タイツとワインでびしょ濡れのバスタオル、蟻の群がるショートケーキと食べかけのチキン、プラス、数字と長針と短針が引き剥がされて秒針だけが動く時計。それらのモノと差し込む光が共鳴して何処かに行ってしまうのではないかと不安になったらしい。クリスマスカラーにラッピングされたトラックの鳴らす音楽が段々近づいて来るのが聞こえてますます不安になり、怯えてとっさにテレビのリモコンのスイッチを次々に押していった。壁一面を埋め尽くすように並んだ55インチのテレビから部屋中を染めるようにホワイトノイズが鳴り始めると、目を大きく見開きニヤニヤしながら舐め回すようにそれらを眺めた。気が付けば既に部屋は真っ暗だったから、天井にぶら下がる部屋には不釣り合いなほど大きなシャンデリアの電気をつけた。 バキバキにひび割れた鏡に顔を近ず
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