「不利益変更」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。労働問題のお話で「不利益変更」といえば、会社が一方的な判断で、労働者にとって不利益な方向に労働条件を変更することをいいます。 会社の経営を取り巻く環境は、時々刻々と変化していますから、経営判断は、さまざまな変化に対応しなければならないですが、労働者を保護する要請も重要であることから、労働条件の「不利益変更」には、一定の制限があります。 労働者の同意なく一方的に労働条件を不利益変更できないこと、不利益変更が許されるケースが「狭き門」であることを十分理解いただき、正しい方法で不利益変更を進めなければ、会社側(企業側)が、労働法違反による大きなデメリット、リスクを負うこととなります。 今回は、労働条件の不利益変更の基本的な知識と、不利益変更が許されるケース、デメリット、リスクについて、企業の人事労務を得意とする弁護士が解説します。