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ノーベル賞
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アメリカの大学院にはゼミはないが、僕の指導教官は、自分が面倒を見ている学生達を月に1回集めて、各々の前月からの進歩と現在かかえている問題をコーヒーなどを飲みながら話しあうという会をやっている。いい年した大人たちが、白昼にカフェテリアで自らの悩みを告白し合っている様はアルコール依存患者の自助グループのようだが、不安に思っていることを話すだけでも気持ちが軽くなるものである。 昨日そのミーティングがあったが、博論の進捗度がぼくと同じくらいの学生が多いため、Procrastination問題に話が及んだ。このステージはコースワークとは違った大変さがある。コースワークは締め切りがあるし、いくら忙しくても終わりが見えている。人から批判されたり、ほめられたりと、いろいろ刺激もある。しかし、博論のステージになると、一人で黙々と書くしかない。Procrastinateする余地が大きい。 代表的な方法は、「す
以前、このブログで、「貧困ポルノ」問題というテーマで、アリス・ゴフマンとマシュー・デスモンドという二人の社会学者の、話題になっている著作を取り上げた。 その中で、エスノグラフィーが、実際に社会政策などを通じて社会を良くすることを志向せず、人の不幸をおもしろおかしく書いているだけでは「貧困ポルノ」と呼ばれても仕方ない、ということを書いた。 アメリカを代表するエスノグラファーで、アメリカ社会学会や国際社会学会の会長だったUCバークレーのマイケル・ビュラウォイが、最近の論文でこれに似た問題を深掘りしている。 初期シカゴ学派の手書き賃金地図 記述派の台頭 アリス・ゴフマンやマシュー・デスモンドに共通する、最近の流行の一つに、社会科学が長い間関わってきた大きな理論化を嫌い、「社会学は地道な観察と記述だけでいいのだ」という流れがあるように感じる。 社会科学者の仕事には、記述・解釈・説明・などの要素があ
ホノルルでの社会学者見習いを経て、韓国・ソウルで社会学者仮免中の筆者の身に起こった背筋が凍る、くらいどうでもいい出来事の記録 アメリカでも、ハワイでも、韓国でも、経済状況が悪くて不平等がひどくなっていることを多くの人が体感している。 それゆえ、貧困にかんするエスノグラフィー(住み込み調査みたいなものです)が、とても多くなっていて、他人の貧困をある種のポルノとして飯だねにしているという批判がある。私の博士論文の研究も、東京とソウルの若者の経済的不安のエスノグラフィーなので耳が痛い。 代表的な例を二つあげたい。 アメリカ社会学では、アリス・ゴフマンの On the Run: Fugitive Life in an American Cityという、フィラデルフィアのゲットーでの6年間の生活と参与観察をもとにした本が2014年の発売以来論争を起こしていて、ここハワイ大でもいまだに語り始めるととま
ホノルルでの社会学者見習いを経て、韓国・ソウルで社会学者仮免中の筆者の身に起こった背筋が凍る、くらいどうでもいい出来事の記録 トランプ氏の大統領令の連発によって毎日気が休まらない。ここの寮に住んでいるイランやスーダン国籍の人たちはどうなってしまうのだろうか。 ポットラックという難問 アメリカには、というかハワイにはポットラックという一人一品持ち寄ってのパーティーがある。ハワイではむしろ主流だ。ポットラックは難問である。誰が何人くるか、そして他の人が何を持ってくるかわからないという盲目状態で自分が持って行くものを決定し、パーティーの楽しさを最大化しなければならないきわめて複雑なゲームだからである。ここではポットラックにおける諸問題を限られた私の経験から整理し、どうしたら我々はより良いポットラックをすることができるかについて(なんちゃって)社会学したい。 「男性的な男性」問題 ポットラックが社
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