ベクトル場を積分する場合には、 線積分と面積分の2通りの方法がある。 どちらもベクトルを積分して、結果はスカラーになる。 これらはともに物理のいろいろなところで現れる重要な積分である。 まず線積分から。 線積分は、空間上のある経路Cに沿った積分である。 式では以下のように表される。 線積分ではAとdrの内積を取って積分するので、 ベクトル場の中で経路Cに沿った成分のみを積分していることになる。 ベクトル場は空間中に矢印が分布しているというふうにイメージできるが、 このイメージで考えると線積分は経路Cに沿ってベクトルを 集めていく作業に相当する。 ベクトルをそのまま集めるのでなく、経路C方向の正射影を 集めていくのである。 物理で出てくる例としては、力に逆らって物体を動かすときの 仕事が線積分で表される。 この場合は物体に働く力がベクトル場になっている。 仕事は物体を動かす経路によって変化す