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買ってよかったもの
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東インド会社とアジアの海 (興亡の世界史)作者: 羽田正出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/12/18メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 32回この商品を含むブログ (23件) を見る うーん、とにかく懐かしかった。指定は赤亀さん(id:chigui)。 東インド会社から歴史を語る。といっても視座は固定されておらず、イギリス、フランス、オランダの東インド会社、あるいは中国、インド、日本など、多角的となっている。ということもあって、ちょっとついていけなかった。というのも、それぞれはなかなか面白いのだけれど、勉強の嫌いな僕は高校生のときにまともに授業なんて受けていなかった。そのため世界史・日本史の大まかな流れすらわかっていない。大きな流れを追うことも楽しいのは、知って入るものの、どうにも面倒になってしまって、個々の魅力的なエピソードのみを、部分部分で知識としてある程度。だから
過去に読んだことのある本をセレクトすることに抵抗を覚えつつも、『ヴァギナ 女性器の文化史』『メモリー・ウォール』に接続できる本を考えたとき、真っ先に『エンジン・サマー』が思い浮かび、季節が夏であることもあり、この本を指定しました。エンジン・サマー (扶桑社ミステリー)作者: ジョンクロウリー,John Crowley,大森望出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2008/11メディア: 文庫購入: 37人 クリック: 229回この商品を含むブログ (101件) を見る 現代の僕たちが暮らす文明の延長線上にある未来の文明が滅び、その文明を生き延びた人たちの子孫が暮らしている世界がこの小説の舞台。つまり僕らの未来の世界の、さらにまた未来ということ。さて、どうしてこの本をセレクトしたのか。 『ヴァギナ 女性器の文化史』は文化人類学的な解釈を多用した本だった。僕は文化人類学に神話の解釈をする学問とい
今まで伴読部で読んできたなかで、浮かび上がってきた『贈与論』を、誰が指定するでもなく、読んでみようということになりました。というわけで今回はEXTRAです。贈与論 (ちくま学芸文庫)作者: マルセルモース,Marcel Mauss,吉田禎吾,江川純一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/02メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 43回この商品を含むブログ (57件) を見る 『贈与論』は、何年も何年も、何度も何度も読み切ろうと挑戦しては読み切ることなく投げ出してきた本。その度に、いろいろな人の感想を読んで、一体なにが面白いのか参考にしようとしたけれど、自分で理解しているつもりのことが書いてあるだけで、面白味を感じさせることが無い。こんなに名著と、古典と言われているんだから、面白いところ書いて欲しいんだけど、なんでこんなに面白そうだと思わせる感想がネットにないんだろう…? シ
指定はast15さん。メモリー・ウォール (新潮クレスト・ブックス)作者: アンソニードーア,Anthony Doerr,岩本正恵出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/10メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (18件) を見る アンソニー・ドーアの記憶にまつわる6つの物語を収めた作品集。「記憶がなければ、われわれは何者でもない」というルイス・ブニュエル『わが最後のため息』と引用されているが、記憶は僕たちの生そのものなのかもしれない。もちろんそれは失われた記憶も含めて、あるいは記憶が失われてしまうことも含めて。 表題作「メモリー・ウォール」は近未来SF小説のようだ。認知症を患い記憶を失くしつつある老婆アルマは、遠隔記憶刺激装置によって、記憶の断片を抽出しカードリッジに保存している。カードリッジを再生することで記憶を取り戻し、忘却の進行を食い止める治
ヴァギナ 女性器の文化史作者: キャサリン・ブラックリッジ,藤田真利子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/12/16メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 627回この商品を含むブログ (33件) を見る ショッキングなタイトルと装丁だ。よく「薄目にするとモザイクがとれる」と聴くが、薄目にせずともこの装丁がヴァギナだということがわかる。 いまぼくは「ショッキング」と書いた。たぶん多くのひとが「ヴァギナ」という言葉に少なからず抵抗を覚えると思う。あるいは試しにいま「ちんこ」と呟いてみる。そのあとに「まんこ」と言ってみよう。「ちんこ」よりも「まんこ」のほうが、セクシャルな、下品な響きを持っているように感じてしまう。それは一体どうしてだろう?この抵抗感は相応しいものなのだろうか? 赤亀さん指定による第五回『ヴァギナ 女性器の文化史』は、このようなタブー感のある「ヴァギナ」を、
貨幣論 (ちくま学芸文庫)作者: 岩井克人出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1998/03メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 41回この商品を含むブログ (42件) を見る 大学に入学して二年目まで、大学にほとんど行かず、部屋で煙草を吸いながら、本を読んだりアニメを観たりして、ぼけーっと過ごしていた。大学に行かなかった(たぶん最も小さな)理由のひとつは、経済学部でありながら経済学にまったく興味を持てずにいたこと。経済学に対する一般的な印象――お金のことを扱う(卑しい)もの――持っていて、絶対にソリが合わないと思っていた。そんなものを知りたいなんて思えなかった。実は同じような話が小説にも当てはまる。小説を読み始めた頃、評論は小説の大切なものを失わせてしまうと思っていた。だから評論にまったく興味が持てなかった。しかし、小説を読んでいるうちにだんだんと評論にも手を伸ばすようになった。
伴読部第三回はast15さん指定の『熊から王へ』熊から王へ カイエ・ソバージュ(2) (講談社選書メチエ)作者: 中沢新一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2002/06/10メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 20回この商品を含むブログ (44件) を見る 人類学者・中沢新一によるカイエ・ソバージュシリーズの二巻目。カイエ・ソバージョは「超越的なもの」について、神話からグローバリズムの神学的構造にいたるまで人類の考え得たことの全領域を踏破し、現代の持つ過渡的な性格を明らかにすることを目指すものらしい。この巻では、「国家」の誕生がテーマとなっている。 中沢によると「国家」が成立する以前の人間は、神話的思考によって人間(文化)と動物(自然)の対称性を実現していた。しかし文化が自然を内包すること――対称性社会の崩壊――で「国家」が成立する。非対称性社会では、文化は「野
赤亀さん指定。埋葬 (想像力の文学)作者: 横田創出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/11/25メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 440回この商品を含むブログ (14件) を見る 河口湖畔のキャンプ用テントで母子の遺体が発見される。無理心中の可能性があるとみて捜査されていたが、ふたりを殺害し河口湖畔で遺棄したと供述する少年が出頭する。裁判にて少年は死刑を求刑されるが、死刑を反対する声明とともにふたりの遺体を河口湖畔まで運んだのは少年ではなく自分であるとの手記を夫が発表する。小説はこの夫の手記および事件を取材するライターによるインタビューと考察によって構成されている。 少年の自供と夫の手記はともに遺体を遺棄したと発言しており辻褄があわない。真相が隠されている。そして事件を取材する記者のインタビューに答えるひとびとの、事件あるいは殺害された本田悦子についての供述から窺い知
伴読部の記念すべき第一回配本はハインリヒ・マン『ウンラート教授 あるいは、一暴君の末路』指定者はぼく。ウンラート教授―あるいは、一暴君の末路作者: ハインリヒマン,Heinrich Mann,今井敦出版社/メーカー: 松籟社発売日: 2007/10メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 143回この商品を含むブログ (11件) を見る あの坂本金八先生が「きんぱっつぁん」という愛称ではなく「キンタマ」と蔑称で呼ばれていたらどんな教師になっていただろう。小さな町で数十年間教壇に立ち、生徒や町中に溢れる卒業生にあちらこちらでキンタマと囁かれる。妻に先立たれ、息子は不良。空に向かって叫んでも誰も集まってこないし胴上げもされない。堤防を歩いても自転車を商店街で駆け抜けても誰にも声をかけられないどころか後ろ指を刺される。そんな金八先生だったら、あのドラマは青春ドラマではなく、陰湿な別のものになっ
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)作者: 伊藤計劃出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/12/08メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 62回この商品を含むブログ (58件) を見る 文庫化を祝して再読。 過去に『ハーモニー』では調和が達成された世界をネガティヴに描いていると書いた記憶がある。『ハーモニー』と世界観を共有するミシェル・ウエルベック『素粒子』を読み、『素粒子』が調和の世界をハッピーエンドと描いているのかバッドエンドと描いているのか判断できず、漠然と「もしかしたらウエルベックはその世界を待望しているのではないか、そういった世界を欲するひともいるということか」と思い、『ハーモニー』をバッドエンドと感じるのは「僕がその世界を欲していないこと」を前提として読んでいたがためにそのような視点でしか読むことが出来ていないのではないかと思いはじめていた。 それは今回の再読を終えた
型にはめて文章を書こうとすると、その型にはめられないものが書けなくてお茶を濁して誤摩化してしまうことがあるし、たとえ書けたとしても書きたりないことや書きこぼしてしまうもののほうが多くなることがあるので、もうちょっと自由に文章を書いても良いかなと思いはじめてる。ここでいう文章は、主に感想のことをいっていて、僕が目指しているところの感想は「僕という人間、日常をふまえた上での書評、でありながら書評ではなく感想」なんだけど、いや、どうも言葉にするのに失敗した。けれど、たぶん多くの「書評ではない感想」を書こうと思っているひとたちならなんとなくわかってくれるであろう感想を目指してる。書評を書く自信はないし、あまりに個人的すぎるとそれは日記になってしまう。 ただ正直なところ、僕は小説を書くために小説を読んでいるわけでなければ、小説を読むために小説を読んでいるわけではない。もちろん、どちらの要素も含んでは
同人誌のため画像なし 前号も面白く読めたけれど、今回はさらに面白く読めた。そもそも執筆者から、装丁から本屋にムックとして置いてあってもおかしくないと思う。贅沢な本です。 とはいえ、映画をあまりにも観ていない僕ではついていけない記事もあり、というのはその記事自体は映画をまだ観ていない人でも面白く読めるように書いてあるのだけど、数々とりあげられる作品と俳優の固有名詞がごっちゃまぜになってしまって、なにがなんだかわからなくなってしまうからだった。だから観ていないことは本当は理由にならないのかもしれない。黒人をピックアップした記事が五つ。その中でもとみさわ昭仁さんの「ダニー・グローバーvsモーガン・フリーマン」はモーガン・フリーマンが僕が名前を知ってる唯一の黒人俳優だったために親しみをもって読めたのだけど、『リーサル・ウェポン』ってモーガン・フリーマンじゃなかったんですね。1か2か3か4かわからな
画像なし文学フリマにて。《小説》存在しない三つの故郷についてのメモワール(id:Geheimagent)《小説》デストルクティオン(id:Dirk_Diggler)《小説》あっちゃんの東京暴動(id:yoghurt)《小説》マリンパレス(id:acidtank)《まんが》かえってきた小鳥 おそろいのポシェット(id:ayakomiyamoto)《小説》FIVE(id:Delete_All)《小説》さよなら人類(id:Delete_All)《小説》信じようと信じまいと(id:nishiogikucho)表紙デザイン:id:yoneyacco特典映像:チロタンの感傷旅行(id:ayakomiyamoto × id:nishiogikucho) 公式ブログより引用id:yoghurtさんのブログを読みはじめた途端に文学フリマの告知がされて、それだけでもう買うつもりでいたんだけど、書いている人たち
大学の開始日がのびたのでその間になにかしら勉強をしておこうとちょろっと始めてそっちはなんだかんだで毎日ある程度は出来ているのに、どうにも本を読む気が全然起きなくて一日に合計で一時間くらいぐだぐだと読んでいるだけで、こう一週間も本を読み切ってないしなんてこったいと思って、もしかしたら読もうとしている本が今の気分に合わないんじゃないかと他にも幾つか買ってみたんだけどやっぱりうまくノれなくて、別に義務で読んでるわけじゃないんだから読みたくないなら読まなくていいはずなのに、読まないでいるのもなんとなく苦しく、しかし読んでも苦しくて、ああ嫌だなあ嫌だなあと日々をうだうだと過ごしている。こんなときみなさんはどうしているんでしょう。映画も漫画ダメでギターも途中で飽きるし出掛けたり遊んだりするとどんなに楽しくてもその時間でどれだけ本が読めたことか!なんて考えてしまう人間で。しかし実は僕はそこまで本って大切
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