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9.20.2013 失われた20年に何が起きていたのか 正確に理解出来てるか怪しいので他人の論文を紹介するのは気が進まないが、新進気鋭の(主にマクロ)経済学者らによって書かれているこの論文は、派手さはないが日本経済を対象にした研究をしているものにとっては必読だと思う。 アメリカのPSIDみたいな横にも縦にも十分大きいパネルデータが少ない(というか、ない)日本では、賃金、収入、所得、消費、資産[1]という基本的な変数の動きを正確に理解することはなかなかムズカシイ。この論文は、そのバリアを賃金構造基本調査、全国消費実態調査、家計調査、家計研パネルといったデータを利用して丁寧にみていったものだ。アメリカでは、「上位1%が全世帯の○%の富をガメてやがる、いい加減にしろ!」というのがひとつの研究の流れを作っているが、日本の場合、アカデミズムの外で「格差」問題が大きく取り上げられて久しいが、真剣な研究
8.05.2013 ニュー経済財政諮問会議の役割 参院選挙が終わりいわゆるねじれが数年ぶりに解消した。この間、金融危機とそれに続く世界的な不況や大震災など政局の混乱が外的ショックと交錯する苦しい時代があった。経済財政諮問会議は昨年の安倍政権の発足後すぐに活動を再開したが、骨太方針からはじまり予算編成につながる一年のルーティンがようやく軌道に乗ったところである。 小泉政権時代に構造改革という名前とともに一世を風靡した当会議も時代の変遷とともに役割を変えてきている。小泉政権下から第一次安倍政権のころまでの経済財政諮問会議は2名の経済学者と2名の財界人によって構成される民間議員の提案とそれに対する政府内のリパーカッション(規制改革や郵政民営化など)を主旋律としてマスコミを巻き込み政権の推進力となっていた。2008年以降の大きな景気後退によって、「構造」より現下の経済状況に焦点が当たるようになると
4.05.2013 総裁のボール 黒田総裁の会見要旨を読んだ。 これだけの規模の緩和をやると記者から当然のように「財政ファイナンスではないのか」という質問が来る。黒田総裁は前々から1月の政府との共同声明における政府の財政健全化への取り組みへの期待を口にしているが、今回も同様に 1 月に公表した「共同声明」において、政府は、「日本銀行との連携強化にあたり、財政運営に対する信認を確保する観点から、持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進する」としているわけです。当然、日本銀行としては、こうした取組みが進んでいくことを強く期待しています。 と述べている。これは白川総裁のロジックと結構異質である。白川総裁は、「企業の成長期待」→「デフレ脱却」というのを中心に考えていて、企業の成長期待は人口減や海外を含めた市場環境の変化に対応するための政府の成長戦略が重要だと度々述べていた。黒田総裁は「イ
3.07.2013 直線番長の何が問題か https://twitter.com/equilibrista/status/309472761120702464 御大のいつもの御説にいつものツッコミがきまっているわけですが。 僕は金融政策の実務も貨幣経済学も時系列分析も素人なので細かいことはつっこみません。ただ、通常の真面目な学部生~院生でも突っ込むべきところは山ほどある発言なのですよね。 まず、このモデル、インフレ率を定数項と2年前のマネーストック増加率で回帰しているわけですが、この単純なモデルがベストであるという証拠がない。まず、疑いたいのが時系列分析なら当然ラグ項やらマネーストックの他の期の増加率を入れたほうがいいのではないかということ。このモデルの目的は現下の金融政策を所与とした上での将来のインフレ率の予測でしょうから予測力が高いほうがいいので何種類もモデルを比べた上で特定の基準を使
2.17.2013 「日本経済」学者 こういう記事とかこういうインタビューとかで日本経済についての海外一流学者の考えが出ると、「我が意を得たり」とテンションがあがったり「自分の考えと違うな」とテンションが下がったりするのはある程度は仕方ないことだと思う。ただ、日本で生まれ育って毎日日本経済の情報に接している人間が、日本経済に対する直感において彼らに劣るなんてことはないと僕は信じる(学問的にフォーマラズする能力は落ちるかもしれない。少なくとも僕は)。Anil KashyapやRobert Dekleみたいな昔から日本を見ている人はともかく、日本経済に関する論文が0もしくは1しかないような学者に対しては、名前に負けず正々堂々と「お前はわかっていない」と言えるようになりたいと思う。 思いを強くしたのは、翁邦雄氏の「ポストマネタリズムの金融政策」を読んでからだ。彼はバーナンキを始めとする経済学者の
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