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filmreview.hatenablog.com
トーマス・シュトゥーバー「希望の灯り〔原題:通路にて〕」(Thomas Stuber "In den Gängen" DE 2018 125 Min. DCP ドイツ語オリジナル+英語字幕版)を観賞。 あらすじ 舞台は、旧東ドイツの郊外の大型スーパーマーケット。そこで研修生として働き始めた無口な青年クリスティアンは、飲料水コーナーを仕切る元トラック運転手のブルーノに可愛がられながら少しずつ仕事を覚え、その傍ら講習に通ってフォークリフトの操作を身に付けていく。彼は次第に、商品棚を挟んで向かいの通路の菓子コーナーで働くマリオンに恋心を抱くようになるが、同僚から、彼女は既婚者であり結婚生活がうまくいっていないと聞かされる。そして職場でのささやかなクリスマスパーティーを境に、マリオンはクリスティアンを避け始め、仕事も病欠するようになる… ※4月には日本で公開されるということなので、日本語版トレイラ
スタンリー・キューブリック「2001年宇宙の旅」(Stanley Kubrick "2001: A Space Odyssey" GB/US 1968 141 Min. 70mm.)を鑑賞。 あらすじ 映画は、謎の物体モノリスと触れ合った類人猿が、大型動物の骨を道具として用いるようになるシークエンスから始まる。覚醒した類人猿が空高く放り投げた骨は、数千年後の宇宙に漂う人工衛星へと切り替わり、宇宙開発時代の物語が始まる。1999年、あるアメリカの調査団が月面探索を行った際、太陽光を浴びたモノリスが木星に向け強い信号を発する。それから18ヵ月後の2001年、人工知能HALを搭載した宇宙船ディスカバリー号が木星探索に向かう。その途上、船長ボーマンら乗組員たちは、HALに違和感を覚えるようになる… ※公式トレイラー。日本語字幕版。 www.youtube.com 宇宙開発時代のSF映画と文明論 今
大島渚「愛のコリーダ」(Nagisa Ōshima "L'Empire des sens" JP/FR 1976 102 Min. Blu-ray オリジナル+英語字幕版)を鑑賞。 あらすじ 1936年、東京中野の料亭「吉田屋」で、新入りの女中として働き始めた定。彼女は料亭の主人である吉蔵と恋仲になり、二人は互いの身体を求め合うようになる。そのうちに定は料亭を辞め、吉蔵と連れたって待合旅館を転々とするようになる。待合の部屋に閉じこもって生活する二人は、芸者を呼び遊興にふけ、時間と体力の許す限り情事を重ねる。次第に吉蔵の肉体への執着を強めていく定は、情事の最中に吉蔵の首を絞めることに喜びを見いだすようになる。できる限り定の望むことを受け入れようとする吉蔵だが、その身体はだんだんと生気を失っていく…。 ※英語字幕付きのトレイラー。ここでは直接の性的シーンは映っていない。 www.youtube
filmreview.hatenablog.com 前の記事(「映画を通してルターを勉強する、その①」)で書いたとおり、今年2017年は、マルティン・ルターが教会批判の「95ヶ条の論題」を公表した1517年から500周年、つまりは宗教改革の第一歩目から500周年だということのようで、それにちなんで私が普段通っている映画館でもルターに関する映画がいくつか上映されていた。私自身、そこで下の三本のルター映画を観た。 ・ハンス・カイザー「ルター、ドイツ宗教改革の映画」(Hans Kyser "Luther – Ein Film der Deutschen Reformation" DE 1927) ・クルト・オェテル「従順なる反乱」(Curt Oertel "Der gehorsame Rebell" BRD 1952) ・エリック・ティル「ルター」(Eric Till "Luther" DE/U
目次 マルティン・ルターと宗教改革500周年 マルティン・ルターという人物、その生涯 宗教改革者であり、文化史上の参照点としてのルター 映画におけるマルティン・ルター マルティン・ルターと宗教改革500周年 欧米圏の文化について調べたり勉強したりしているときにしばしば予期せず突き当たる名前の一つが、マルティン・ルター(Martin Luther 1483-1546)だ。ルターは、同時代のキリスト教界を聖書に基づく信仰から乖離したものだとして強く非難し、キリスト教改革を先導した。とりわけ、人々の罪を軽減する「免罪符/贖宥状」(Ablassbrief)を発行・販売していた当時の教会を弾劾したルターの「95ヶ条の論題」(95 Thesen)は、しばしば宗教改革の最初の一歩だと見なされる。 ルターがこの論題を著しヴィッテンベルク城教会の扉に張り出したのが1517年であるとされる(もっとも、この逸話
ヴェルナー・クリングラー「ソリスト、アンナ・アルト」(Werner Klingler "Solistin Anna Alt" DE 1944)を鑑賞。 この映画の主演女優であるアンネリーゼ・ウーリヒ(Anneliese Uhlig)がつい先日齢99で亡くなったそうで、その追悼の上映であったようだ。ウーリヒは、ナチス体制下のドイツにおいてゲッペルス主導の国策映画への出演を拒否したことから1942年以降ドイツ国内での映画出演が制限され、当時は主としてイタリアで活動していた。戦後はアメリカに移住したが、ドイツの映画やテレビにも度々出演してきたとのこと。本作「ソリスト、アンナ・アルト」はナチス体制下ドイツにおいて彼女が主演した数少ない映画の一つだということだ。 おおまかな感想、印象 ナチス体制下のドイツしかも1944年公開の映画だということで、どんなものかなと思って観たのだけれど、思っていたよりも
先日、近所の映画館で、クロスドレッシングをモチーフにした1910年代の無声映画を三作品まとめて観ることができた(有難いことにピアノによる生伴奏つき)。以下、それについて書きつつ、性別ごとの「らしさ」という固定観念の揺らぎについて考えてみたい。 クロスドレッシングというモチーフについて クロスドレッシング(Cross-Dressing: 異性装)とは、一言でいえば、異性の服装を身に着けることだ。理由や動機はなんであれ——自らに押し付けられた「性」への抵抗のためであれ、慰みや性的興奮のためであれ——男性が女性のものとされる衣服を身に着けたり、女性が男性のものとされる衣服を身に着けたりすれば、それがクロスドレッシングだということになる。もともとは1910年頃から「服装倒錯」(Transvestitismus)という医学用語が同じ意味で用いられていたらしいのだが、1970年代アメリカにおいてその病
ラウル・ペック「マルクス・エンゲルス〔青年時代のカール・マルクス〕」(Raoul Peck "Le jeune Karl Marx / Der junge Karl Marx" BE/DE/FR 2017)を鑑賞。こちらでも3月初めに封切られたばかりだが既にそこそこ話題になっているようで、気になっており早速観に行ってみた。 おおまかな感想、印象 題名が示す通り、カール・マルクス(1818~1883)の青年時代、とりわけ1848年に彼がエンゲルスとともに『共産党宣言』を発表するに至るまでの日々を追った伝記映画。もっともこの映画では実際には、カール・マルクス一人のみでなく、彼の妻イェニー・マルクス、友人フリードリヒ・エンゲルスとその恋人でありのちの妻メアリー・バーンズ、という4人の人物に焦点があてられている。思想家の伝記映画というとどうしても理屈っぽい堅苦しい映画になりがちで、この映画にもそう
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