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粗死亡率と年齢調整死亡率 死亡率には「粗死亡率」と「年齢調整死亡率」があります。「粗死亡率」は一定期間の死亡数を単純にその期間の人口で割った値です。がんは高齢になるほど死亡リスクが高いので、人口が高齢化するとそれだけでがんの「粗死亡率」は高くなります。 日本人のがんの「粗死亡率」は増加し続けていますが、それが人口の高齢化だけの影響なのか、それとも高齢化以外の何らかの要因があるのかを知るためには、年齢構成の変化の影響を取り除いた「年齢調整死亡率」を用いる必要があります。「年齢調整死亡率」は「もし人口構成が基準人口と同じだったら実現されたであろう死亡率」で、集団全体の死亡率を、基準となる集団の年齢構成(基準人口)に合わせた形で求められます。基準人口として、国内では通例昭和60年(1985年)モデル人口(昭和60年人口をベースにつくられた仮想人口モデル)が用いられます。
悪性リンパ腫は、リンパ系の組織から発生する腫瘍(いわゆる“がん”)です。リンパ系組織とは、ヒトの免疫システムを構成するもので、リンパ節、胸腺(きょうせん)、脾臓(ひぞう)、扁桃腺(へんとうせん)等の組織・臓器と、リンパ節をつなぐリンパ管、そしてその中を流れるリンパ液からなります。リンパ系組織を構成する主な細胞は、リンパ球と呼ばれる白血球です。リンパ液の中には液体成分とリンパ球が流れていて、やがて血液と合流します。リンパ系組織は全身に分布しているため、悪性リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫は全身で発生する可能性があります。 悪性リンパ腫という病名は、さまざまなリンパ系組織のがんを大きくまとめて呼ぶ名前で、その中に含まれる個々の疾患の臨床経過や治療反応性、あるいは予後は大きく異なります。ですから、自分にとって最適な治療を選択するためには、「悪性リンパ腫の中のどのような病型(タイプ)ですか?」と
がんは、予防することができる病気です。がんの原因やハイリスク集団が明らかにされ、具体的な予防法が開発され、がん予防対策が効果的に実施されれば、がんの発生率とそれに続く死亡率は確実に下がるでしょう。 これまでの研究から、がんの原因の多くはたばこや飲酒、食事などの日常の生活習慣にかかわるものだとわかっています。1996年にハーバード大学のがん予防センターから発表されたアメリカ人のがん死亡の原因では、喫煙(30%)、食事(30%)、運動不足(5%)、飲酒(3%)の合計で全体の68%になりました。これらのがん死亡は、生活習慣の見直しによって予防できたものと考えられます。 生活習慣や環境は国によって違い、がんの原因の割合も国によって異なります。しかし、生活習慣の改善で多くのがんが予防できることについては、日本でも米国と同様です。社会全体の対策として、一人一人の行動として、偏(かたよ)りのない科学
現在生きている私たちが、まったくがんにかからないようにすることは無理としても、ある程度はこれを防ぐことができます。そこで、日常の生活のなかで、「できるだけがんの原因を追放していこう」ということから生まれたのが、<がんを防ぐための12ヵ条>です。 この12ヵ条を積極的に実行すれば、がんの約60パーセント(禁煙で30パーセント、食生活の工夫などでさらに30パーセント)が防げるだろうと専門家たちは考えています。一見、どれも平凡に思えるかもしれませんが、統計や実験データをもとにつくられており、しっかりとした科学的根拠に基づいています。そして、国際的ながん予防の指針にもつながるものなのです。 今日からさっそく生活改善を この12ヵ条は、とりたてて特別なことではありません。日常生活のなかで、少しだけ気をつければ、だれにでもできる簡単なことです。今まで無頓着だった日ごろの生活態度を、これを機会に総
Center for Cancer Control and Information Services, National Cancer Center, Japan
喫煙は、さまざまながんの原因の中で、予防可能な最大の原因です。日本の研究では、がんの死亡のうち、男性で40%、女性で5%は喫煙が原因だと考えられています。特に肺がんは喫煙との関連が強く、肺がんの死亡のうち、男性で70%、女性で20%は喫煙が原因だと考えられています。 がんの予防のためにはたばこを吸わないことが最も重要です。現在たばこを吸っている人も、禁煙することによってさまざまながんのリスク(がんになる、またはがんで死亡する危険性)を下げることができます。 喫煙は、たばこを吸う本人だけでなく、たばこを吸わないまわりの人にも肺がんなどの健康被害を引き起こします。 喫煙は、がんだけでなく、冠動脈心疾患(狭心症、心筋梗塞など)や脳卒中など循環器の病気、肺炎や慢性閉塞性(へいそくせい)肺疾患(COPD)など呼吸器の病気の原因でもあります。 たばこの煙の中には、たばこ自体に含まれる物質に加えて
前立腺は男性にだけあり、精液の一部をつくる臓器です。前立腺は、恥骨(骨盤を形成する骨のひとつで、下腹部に触れることができます)の裏側に位置し、栗の実のような形をしています。この前立腺にがんが発生する病気が前立腺がんです。 年齢別にみた前立腺がんの罹患(りかん)率は、65歳以上で増加します。罹患率の年次推移は、1975年以降増加していますが、その理由の1つは、Prostate Specific Antigen (PSA)による診断方法の普及によるものです。この方法によって、従来の直腸指診では困難であった早期のがんが発見されるようになりました。 死亡率の年次推移は、1950年代後半から90年代後半まで増加し、その後横ばい状態です。 日本人の罹患率は、欧米諸国およびアメリカの日系移民より低く、欧米諸国の中ではアメリカ黒人の罹患率が最も高い傾向があります。 がんは、前立腺の細胞が正常の細
大腸は消化吸収された残りの腸内容物をため、水分を吸収しながら大便にするところです。多種、多量の細菌の住みかでもあります。約2mの長さがあり、結腸と直腸肛門からなります。大腸粘膜のあるところではどこからでもがんができますが、日本人ではS状結腸と直腸が大腸がんのできやすい部位です。 年齢別にみた大腸がん(結腸・直腸・肛門がん)の罹患(りかん)率は、50歳代付近から増加し始め、高齢になるほど高くなります。 大腸がんの罹患率、死亡率はともに男性のほうが女性の約2倍と高く、結腸がんより直腸がんにおいて男女差が大きい傾向があります。 男女とも罹患数は死亡数の約2倍であり、これは大腸がんの生存率が比較的高いことと関連しています。 大腸がんの罹患率の年次推移は、男女とも1990年代前半までは増加し、その後は横ばい傾向です。また、死亡率の年次推移は、男女とも戦後から1990年代半ばまで増加し、その後
膵臓から発生したがんのことを一般に膵がんと呼びます。膵臓は胃の後ろにある長さ20cmほどの細長い臓器で、右側は十二指腸に囲まれており、左の端は脾臓に接しています。右側はふくらんだ形をしているので頭部と呼び、左端は細長くなっているので尾部といいます。頭部と尾部との間の1/3ぐらいの大きさの部分を体部と呼びます。膵臓の主な働きは、消化液をつくること(外分泌)と血糖を調節するホルモンをつくること(内分泌)です。膵臓がつくる消化液は膵液と呼ばれ、膵臓の中を網の目のように走る膵管という細い管の中に分泌されます。細かい膵管は膵臓の中で主膵管という一本の管に集まり、肝臓から膵頭部の中へ入ってくる総胆管と合流した後、十二指腸乳頭というところへ開いています。肝臓でつくられた胆汁と膵臓でつくられた膵液はこうして一緒に十二指腸の中へ流れ込むのです。膵臓でつくられるホルモンは、血糖を下げるインスリンや逆に血糖を上
肺は呼吸器系の重要な臓器であり、心臓、気管、食道などからなる縦隔(じゅうかく)という部分を挟んで胸の中に左右2つあり、左肺、右肺と呼ばれています。右肺は葉と呼ばれる3つの部分からなり(上葉、中葉、下葉)、左肺は右肺よりわずかに小さく上葉と下葉に分かれています。肺は身体の中に酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出します。空気は口と鼻から咽頭・喉頭を経て気管を通り、気管支と呼ばれる左右の管に分かれ左右の肺に入ります。気管支は肺の中で細気管支と呼ばれるより細い管に分枝し、木の枝のように肺内に広がり、末端は酸素と二酸化炭素を交換する肺胞と呼ばれる部屋となっています。 肺がんは気管、気管支、肺胞の細胞が正常の機能を失い、無秩序に増えることにより発生します。最近、がんの発生と遺伝子の異常についての研究が進んでいますが、細胞がなぜがん化する(無秩序に増える悪性の細胞にかわる)のかまだ十分わかっておりません
肝臓は、成人で800〜1,200gと体内最大の臓器で、ここには多種類の悪性腫瘍が生じます。この悪性腫瘍は、原発性肝がん(肝臓から発生したがん)と転移性肝がん(他臓器のがんが肝臓に転移したがん)に大別されます。原発性肝がんは、肝細胞がんと胆管細胞がんが95%を占め、残りの5%には、小児の肝がんである肝細胞芽腫、成人での肝細胞・胆管細胞混合がん、未分化がん、胆管嚢胞腺(たんかんのうほうせん)がん、カルチノイド腫瘍などのごくまれながんが含まれます。成人では、肝臓がんの大部分(90%)は肝細胞がんです。 年齢別にみた肝臓がんの罹患(りかん)率は、男性では45歳から増加し始め、70歳代に横ばいとなり、女性では55歳から増加し始めます。年齢別にみた死亡率も同様な傾向にあります。 罹患率、死亡率は男性のほうが高く、女性の約3倍です。罹患数と死亡数とに大きな差はなく、これは、肝臓がん罹患者の生存率が低
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