サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
ノーベル賞
hnbn097.hatenablog.com
アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫) 作者:パウロ・コエーリョ,山川 紘矢,山川 亜希子 KADOKAWA Amazon 評価 ★★★ あらすじ 羊飼いの少年サンチェゴは、「エジプトのプラミッドに宝物が隠されている」という夢をみる。 半信半疑ながらも、夢を解釈してくれる老女や、セイラムの王との会話から、サンチェゴはエジプトへの旅を決意する。 感想 世界で最も読まれた本ベスト10の5位に入っていたり、海外の著名人もおすすめする世界的名著ということで読みました。 個人的印象としては、いろんなビジネス書に書かれているような「人生をより良く生きるためのコツ」が詰め込まれた一つの物語です。 例えば、夢や目標は、達成することよりもそれを追求する過程に喜びがあったり。 傷つくことを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、おまえの心に言ってやるがよい。夢を追求している時は、心は決して傷つかな
あらすじ・概要 40目前で落ち着いた雰囲気の女性「ツキコさん」。ツキコさんの高校の恩師で、30以上歳の離れた「センセイ」。二人の切なくもあたたかい恋模様を描いたお話です。 満場一致で決まった、谷崎潤一郎賞受賞作。 感想 穏やかな時間が流れる二人をいつまでも見ていたい、そんなお話でした。 ツキコさんとセンセイは居酒屋で偶然再会し、たわいのない話をしていくことで距離が近づいてきます。ぽつりぽつりと会話を交わす、二人の距離感が絶妙でした。 肴の好みだけでない、人との間の取り方も、似ているのに違いない。歳は三十と少し離れているが、同じ歳の友人よりもいっそのこと近く感じるのである。 加えて、この小説の大きな魅力が、合間に出てくる食べ物が本当に美味しそうでした。居酒屋では「まぐろ納豆。蓮根のきんぴら。塩らっきょう」、冬の「湯豆腐」、キノコ狩りに行って「キノコ汁」...。 好きな人と美味しいものを食べな
逆ソクラテス (集英社文芸単行本) 作者:伊坂幸太郎 集英社 Amazon 評価 ★★★★★ あらすじ・概要 小学生が主人公の短編が5つ。 テーマとして、「先入観」や「人生を生きるうえで大切なこと」があります。 例えば、タイトルにあるソクラテスは、「自分は何も知らないことを知っていることだけはマシ」という無知の知が有名ですが、物語では自分の考えが正しいことを疑わず、他人に自分を考えを押し付ける「逆ソクラテス」な人たちが出てきます。 そういった人にどう立ち向かっていくか、そんなことが物語で描かれています。 感想 とても面白かったです。 自分の中の価値観の変化を感じました。 本の醍醐味ですね。 作者あとがきにこんなことが書かれています。 少年や少女、子供を主人公にする小説を書くのは難しい、と思っていました。今も思っています。子供が語り手になれば、その年齢ゆえに使える言葉や表現が減ってしまいます
金閣寺 (新潮文庫) 作者:三島 由紀夫 新潮社 Amazon 評価 ★★★★★ あらすじ 物語の主人公「溝口」は、幼い頃から父親に「金閣寺はこの世で一番美しいもの」と聞かされ、金閣を美の象徴と思うようになる。 また、溝口は吃音持ちで周りから馬鹿にされていたため、引っ込み思案な性格であった。 「美しい金閣寺」と「醜い自分」に隔たりを感じていた。 美がたしかにそこに存在しているならば、私という存在は、美から疎外されたものだ。 時は戦時中であり、空襲によって金閣も自分も同時に消えてなくなるのだと、共に滅んでいくことを期待する溝口。 しかし、戦争が終わっても金閣が燃えることはなく、溝口も生き残る。 『金閣と私との関係は絶たれたんだ』と私は考えた。『これで私と金閣とが同じ世界に住んでいるという夢想は崩れた。またもとの、もとよりももっと望みのない事態がはじまる。美がそこにおり、私はこちらにいるという
かがみの孤城 作者:辻村深月 ポプラ社 Amazon 評価 ★★★★ あらすじ 学校で居場所をなくし、不登校となっていた「こころ」の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始める。 鏡をくぐり抜けた先には、城のような建物があり、そこには「こころ」を含めた似た境遇の7人が集められていた。 感想 読み終えた瞬間、「あぁ、面白かったな」と思いました。 それは、感動系のお話として単純に面白くて、心に温かさが宿る感覚です。 そして、現状に生きづらさを抱えたすべての人へのエールも感じました。 不登校の中学生たちがテーマではありますが、不登校といっても原因は人それぞれです。 だから、画一的な解決法があるわけではなく、個別に対応していくしかありません。 しかし、何かしら本人が勇気を持って行動しなければいけないことは共通していて、それは別に不登校に限らず、現状に生きづらさを抱えたすべての人に言えることです。 物語
深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】 作者:沢木耕太郎 新潮社 Amazon ある朝、眼を覚ました時、これはもうぐずぐずしてはいられない、と思ってしまったのだ。 評価 ★★★★ あらすじ・概要 「インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行ってみたい」。 ある日そう思い立った著者の、ノンフィクション紀行小説。 全6巻で、1巻ではインドに行くまでに寄り道をした香港、マカオでの様子が書かれています。 感想 「自分にはとてもできそうにないけど、旅っていいな」。 率直にそう思いました。 行き先だけ決めて、途中何をするかとか、止まる場所とか決めない、行き当たりばったりの完全な自由旅。 今なら色々整備されたり、スマホがあるからもっと手軽だとは思いますが、当時は全然整備されてない国もあっただろうし、実際よく知らない相手に紹介された宿に泊まるハラハラした場面もありました。 それに
最近スタバ行って本読むのハマってるんですけど、ビックリするくらい集中できます。 社会的促進という現象がある 「喫茶店だとなぜ作業が集中できるのか」、気になって軽く調べましたが、社会的促進というものを知りました。 それは、作業や課題をしているときに、そばに他者がいることで作業や課題の成績が上がる現象です。 しかし、そばに人がいたり、同じような作業をしている人がいると成績が低下する社会的抑制という全く逆の現象もあるそうです。 これらの原理を簡単にまとめると、単純作業をする場合は周りに人がいると良くて、複雑だったり未知の作業をする場合は一人の方が良いそうです。 実感としてすごい当てはまるなと感じました。 読書みたいな単純作業は喫茶店行くとめちゃくちゃ捗りますが、ブログ書くみたいな頭使う作業だと意外と喫茶店行っても捗らなかったりするんですよね。 誘惑さえなければ、自分の部屋で一人で書いてる時の方が
夜のピクニック(新潮文庫) 作者:恩田 陸 新潮社 Amazon 夜だから、いつものみんなも違って見える。 私も少し、勇気が出せる。 ー「高校生に読んで欲しい50冊 2017(新潮文庫)」より 評価 ★★★★ あらすじ 北高の伝統行事「歩行祭」。 それは、全校生徒が夜を徹して80キロを歩き通すというものだった。 甲田貴子は、小さな賭けを胸に歩行際にのぞむ。 三年間誰にも言えなかった秘密を清算するために。 感想 まず、「夜のピクニック」という設定が面白いなと思いました。 夜だから、気分が高揚したり、相手の顔が見えづらくて気持ちを伝えやすかったりしますよね。 それに、同じゴールを目指すという連帯感もありますし、ただ夜歩くという行為がとても魅力的に感じられます。 そして何より、高校生たちの青春模様がとても眩しいです。 恋愛だったり、友情だったり、家庭環境だったり、青春時代ってやっぱ特別ですよね。
車輪の下(新潮文庫) 作者:ヘルマン・ヘッセ 新潮社 Amazon 評価 ★★★ 本屋で「名作!」と紹介されていたので気になって読みました。 後から知ったんですけど、作者ノーベル賞作家なんですね。 あらすじ 小さな田舎町で生まれ、勉学の才能に恵まれた少年「ハンス」は周囲の期待に応えようと勉強に打ち込み、神学校の試験に通る。 しかし、神学校での規則づくめの生活や、規則など気にせず自分のやりたいことを貫く友人「ハイルナー」との出会いが、ハンスに反抗心を芽生えさせる。 感想 タイトルの「車輪の下」という言葉は、物語で一度だけ出てきます。 それは、神学校に入っても優等生だった「ハンス」が、「ハイルナー」と親しくなって成績が落ちてきたとき、「神学校の校長」が「ハンス」に向かって言う言葉です。 「・・・疲れてきってしまわないようにすることだね。そうでないと、車輪の下じきになるからね」 それは、真っ当な
人が楽しみを見出そうとしたら、基本消費活動ですよね。 何かコンテンツを見たり、モノを買ったり、遊びに行ったり。 でも、実体験からいって消費活動で得られる喜びより、生産活動で得られる喜びの方が圧倒的に大きいです。 本を一冊読み終えた満足感より、その本についてブログ記事を書けた後の満足感の方が大きいんですよね。 だから、生産活動、主体的に何かを生み出していく活動を増やしていきたいと思いました。 けれど、具体的に生産活動何をすればいいのか考えても、ブログの更新くらいしか思いつきません。 続くかわからないですし、無理に毎日更新とかは目指さないですが、今までよりはもっと日記感覚の記事増やしていこうかなと思いました。
最近メルカリでよくモノを売るようになりました。 それで得られた一番のメリットは不用品がお金になったことより、無駄遣いがかなり減ったことです。 今現在60件近く売ってきました。 リセールバリューを意識するようになった リセールバリューとは、購入したモノを売った時の値段のことです。 そもそもモノを買う時は、「生活に必要だから買う」というよりは「なんとなく欲しいと思ったから買う」といったケースがほとんどですよね。 買ってみてもあまり使わなかったり、失敗したというケースも多いはずです。 だから、メルカリという買い物で失敗したときの保険を持っていると、何かモノを買う時はそれを売ったらいくらになるのか考えるようになって、リセールバリューが低いモノの購入意欲が下がります。 例えば、自分は前まで服が好きだったんですけど、服ってリセールバリューめちゃくちゃ低いんですよね。 リサイクルショップ持って行っても値
誰にとっても1日は24時間ですが、楽しいことをしていると時間が早くすぎたり、子供の頃の方が一日の体感時間が長く感じられたりしますよね。 時間の本が面白かった 時短・効率化の前に 今さら聞けない時間の超基本 作者:二間瀬 敏史,吉武 麻子 朝日新聞出版 Amazon 時短・効率化の前に、そもそも時間とは何か、超ざっくりと相対性理論の説明とかもあって面白かったです。 もちろん仕事や生活に役立つ時間術とかそういった話もありましたが、別に自分は実家暮らしで障害者雇用なので難しい仕事を任されている訳でもなく、仕事や家事の効率化みたいなことにはあまり興味を引かれなかったです。 「余暇時間をダラダラと過ごして有意義な時間を過ごせなかった」と感じるのを改善できないか、そういった視点で読み進めました。 ゆっくりとした時間を過ごす方法 まず、誰にとっても1日は24時間ですが、置かれた状況や心の状態によって体感
騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編 作者:村上 春樹 新潮社 Amazon 「そう、すべてはどこかで結びついておるのだ」と騎士団長は私の心を読んで言った。「その結びつきから諸君は逃げ切ることはできない。さあ、断固としてあたしを殺すのだ。・・・」 第1部を読み終えた感想 正直よく分からなかった 第1部の感想にも書きましたが、村上春樹の文章読んでて楽しいですね。 ハードカバーで千ページ以上ありましたが、多様な比喩表現や含みのある言い回しが魅力的でなんだかんだ読了できました。 それで、読み終えた感想ですが正直よくわからなかったです。 自分の理解力のなさもありますし、提示された謎があまり解決されなかったり、ファンタジー要素も出てきますがそれが何を意味しているのか全然理解できませんでした。 村上春樹ほぼ初見だったので、その文章力からファンが多い理由がわかりましたが、こちらの本単体なら個人的に
「慈悲の瞑想」とは、簡単に言うと自分を含めた全ての人の幸福を願う瞑想です。 綺麗事というか胡散臭さはあるものの、実際にそれで脳波の数値が良くなったという話もあり実践していますが、確かに効果を実感してます。 詳しい内容や実践方法はこちらの記事で紹介されています。 ただ、自分はかなりオリジナルの方法で、何か他者にイライラしたり、他者と比べて落ち込んだ時にこの言葉を心の中で唱えるようにしています。 相手は私と同じように感情の波がある。嬉しいことや苦しいことを経験している。私と同じです。幸せでありますように。 この言葉を唱えると気持ちが少し落ち着きます。 なぜかはいまいちよく分かっていませんが、人は他者とのつながりに幸福を感じるとも聞きます。 相手にイライラすると「自分は善で相手は悪」だと決めつけ、相手と比べて落ち込むとその相手は自分と違う存在だと自分を納得させようとします。 しかし、相手も何かし
2021年の小説カテゴリーの記事は27ありました。 その中でも、特に印象に残ってる本を4冊紹介していこうと思います。 月と六ペンス(サマセット・モーム) 月と六ペンス (新潮文庫) 作者:サマセット モーム 新潮社 Amazon 英文学のベストセラーらしいですが、単純にストーリーが面白く、オシャレな台詞回しも多くて、とにかく「人におすすめしやすい本」です。 それに、「月と六ペンス」というタイトルの意味を知ると、とても美しいタイトルだなと感じる作品です。 華氏451度(レイ・ブラッドベリ) 華氏451度〔新訳版〕 作者:レイ ブラッドベリ 早川書房 Amazon 舞台は本が禁止された社会であり、本が禁止されたディストピアから本の大切さを知る物語です。 ネットやテレビで得られる情報は分かりやすく単純化されていて、受け身でもどんどん流れ込んでくるため、自ら考える力が失われていきます。 本は主体的
現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書) 作者:渋沢 栄一 筑摩書房 Amazon 「論語と算盤」とは 資本主義や実業とは、「金持ちになりたい」とか「利益を増やしたい」という欲望をエンジンとして前に進んでいく面があります。 しかし、そのエンジンはしばし暴走して、バブル景気などの大きな惨事を引き起こすこともあります。 だから、資本主義には暴走に歯止めをかける枠組みが必要であり、渋沢栄一はそこで「論語」に目をつけました。 「論語」は、「人はどう生きるべきか」、「どのように振舞うのが人として格好よいのか」といったものの基礎になります。 つまり、資本主義の継続には論語的視点が不可欠であり、論語は資本主義を生き抜いていかなければいけない私たちに実用的な教訓を与えてくれます。 成功や失敗は、心をこめて努力した人の身体に残るカス この本のなかで一番印象に残ったのは、「一時の成功や失敗を気にする必要はない」と
「デジタル・ミニマリスト」という本読んで、やっぱスマホ触る時間減らさなきゃなと思いました。 デジタル・ミニマリストとは デジタル・ミニマリスト スマホに依存しない生き方 (ハヤカワ文庫NF) 作者:カル ニューポート 早川書房 Amazon 基本スマホやめろという内容ですが、そもそもなぜスマホをやめるべきかというと、目の前のことに集中できなくなって、日々を主体的に過ごす平常心を乱すからです。 スマホの依存性はすごいもので、SNSの通知を目にしたらどんなに作業に集中していても意識はそれますし、ちょっと触るだけが気づいたら何時間も経っていることが普通に起こります。 自分がスマホに使われているような状態に疲れを感じてる人も多いはずです。 けれど、現在の生活でスマホを手放すことは不可能です。 だから、デジタル環境を自分にとって本当に必要なものだけに絞っていくのが「デジタル・ミニマリズム」であり、デ
最近メンタルが落ち気味で、仕事以外の時間はずっと無気力感に苛まれています。 それでも、1日のうちで少しでも本を読む時間はあって、なぜ自分は本を読むのだろうかとふと思ったので、書いていこうかと思います。 本を読む理由 そもそもの本を読もうと思ったきっかけは、「読書家ってかっこいい」という憧れです。 それに、「本を読むべき理由」とか「読書で得られる効果」は調べればいくらでも出てくるので、読書が人生の役に立つのは間違いないと思います。 けれど、憧れや人生に役立つから、といった理由だけで何かを継続していくのは難しいですよね。 だから、なぜ自分は「今後も本を手に取り続けるのか」と考えると、読みたいと思える本があるから、この一言に尽きる気がします。 本は奥深いもの まず、本を読みたいと思うのは、本が持つ奥深さに原因があると思います。 最近はどんな媒体でも「手軽さ」とか、「分かりやすさ」が重視されていま
久しぶりにラノベ読んだらハマってしまい、積んでいたのを一気に消化しました。 簡単に感想書いておきます。 ・りゅうおうのおしごと!14、15 りゅうおうのおしごと!14 (GA文庫) 作者:白鳥 士郎 SBクリエイティブ Amazon りゅうおうのおしごと!15 (GA文庫) 作者:白鳥 士郎 SBクリエイティブ Amazon 14巻は近くにいた人が離れ、離れていた人が近づく話。 シリーズも終盤に入って、物語的には必要な展開だったとは思いますが、話の面白さで言ったら5点満点中3点くらいでした。 15巻は負けヒロインが負ける話。 5点満点中5点、めちゃ面白かったです。 将棋の世界では「自分よりも若くて才能のある棋士」がたくさんいて、恋愛では「想い人に想い人」がいて、それでも諦めきれずに挑む。 報われない努力をし続けるにはそれだけの理由があって、その努力は人を魅きつけます。 ・ロクでなし魔術講師
小説8050 作者:林真理子 新潮社 Amazon あらすじ(公式サイトより) 従順な妻と優秀な娘にめぐまれ、不自由のない人生を送っているように見える大澤正樹には秘密がある。有名中学に合格し、医師を目指していたはずの長男の翔太が、七年間も部屋に引きこもったままなのだ。夜中に家中を徘徊する黒い影。次は、窓ガラスでなく自分が壊される――。 ひきこもりを抱える親の話 最初にタイトルだけ見て、8050やひきこもりの問題を扱いながら「ひきこもり当事者が悩みながらも再起していく話」かと想像していましたが、それとは少し異なったものでした。 8050の末路を目の当たりにして危機感を募らせた「5020世代の親が、中学でのいじめを機にひきこもる長男に向き合っていく話」です。 それに、ひきこもりの原因もいろいろありますが、特にいじめ問題に焦点を当てたものでした。 親の葛藤 引きこもりと縁のない子どもを持つ親は、
休日の昼間、やることなくてダラダラと読んでいた本に心惹かれる話がありました。 必然性のない本を読もう 米澤屋書店 (文春e-book) 作者:米澤 穂信 文藝春秋 Amazon 作家の米澤穂信さんが、おすすめの本を紹介したり、エッセイを書いたり、他の作家と対談している、こちらの本読んでます。 そのなかで、「ネットやテレビに触れ続けると心がすり減っていくから、今読む必然性のない本読むと良いよ」という話がありました。 普通の生活者が更なる情報を求めてテレビやネットに常時触れ続けることは、必ずしも安全なこととはいえない。 あらゆる情報に接し、あらゆることに怒り、あらゆることに不安を抱いていては心がすり減るのだ。すり減った心はさらなる怒りと不安を招き、攻撃性や妄信や憂鬱を引き寄せ、自他の生活を劣化させる。・・・無知は恐怖を招き不合理な行動を引き起こすが、過度の情報もその点はまったく同じなのだ そう
騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編 作者:村上 春樹 新潮社 Amazon こちらの第一部(上巻?)を読み終えました。 下巻に進みたいところですが、他にも読みたい本があって下巻読み終えるのに時間がかかりそうなので、上巻読み終えた時点での簡単な印象だけ書いておきます。 あらすじ 36歳の絵描きの「私」は、妻に突然離婚を切り出される。 理由もわからず独り身となった私は旅に出て、なんやかんや日本画の巨匠「雨田具彦」がアトリエとして使っていた、山奥にある別荘に住み着く。 その別荘でしばらく過ごしていると、同じ山に住む素性が謎に包まれた金持ちのハンサムな中年男「免色渉」に肖像画を描くよう依頼される。 私はその依頼を受けるようになるが、その最中、真夜中にだけ鈴の音が鳴り響いたり、屋根裏で不思議な絵を見つけたり、私の周りで奇妙な出来事が起こり始める。 感想 とても静かな物語です。 登場人物たちが皆ミ
書く習慣をつけたいと思っても、三日坊主でやめてしまうことが多かったですが、最近自分なりのノート術のようなものが確立されつつあり、ノート2冊書き切るくらいには続いています。 色々と紹介されているノート術を参考に、あくまで自分に効果があったものをまとめただけですが、同じように書く習慣をつけたい方に少しでも参考になれば幸いです。 なぜ書くのか そもそもなぜ書く習慣をつけたいのか。 頭の中のもやもやをスッキリさせたいからです。 誰だって起きている間は何かを感じ、考え、イメージが浮かんでいますが、それが上手く言葉にならず消えていき、もやもやしているという状態だけが頭に残ります。 そのもやもやを解消するには、とにかく頭の中から出すこと、頑張って紙などに書き出して言葉にすることが重要なのだと思います。 そうすると、頭の中のことを客観的に整理できて、気分がスッキリします。 ただ、いざ書こうと思っても何を書
はてなブログ10周年特別お題「はてなブロガーに10の質問」 単なる自分語りになるのでこちらのお題やるつもりなかったですが、やるだけで赤いスターもらえることを知り、適当に書いていきます。 ブログ名もしくはハンドルネームの由来は? ブログ名はそのままの意味です。 本が好きなことに偽りはないですが、本を読むモチベーションに「読書家ってかっこいい」、「本はファッションの一部」という見栄も結構あります。 はてなブログを始めたきっかけは? はてなというよりブログを始めたきっかけは、「理解した」とは人に説明できる状態であり、色々とインプットした情報を人に説明できるようにするためにブログ始めました。 自分で書いたお気に入りの1記事はある?あるならどんな記事? パッと思いついたのはこちらの記事です。 単純にストーリーが面白く、オシャレな表紙だったり、名言の宝庫で、とにかく人におすすめしやすい本です。 それに
本を読む人だけが手にするもの 作者:藤原和博 日本実業出版社 Amazon 成長社会から成熟社会へ 1950年代から始まる「日本が右肩上がりに成長してきた社会」はすでに終わりを迎えて、現在は「成熟社会」に入っています。 過去の成長社会ではパターン化した幸福があり、「よい大学に入ってよい会社に就職すれば、よっぽどのことがない限り安泰」という正解がありました。 いかに早く正解を見つけ出すかが重要でした。 しかし、現在の成熟社会にパターン化した幸福はなく、各々が自分なりの幸福を見つけていくしかありません。 つまり、今の私たちに必要なのは、正解を見つける力ではなく、各々が自分なりに納得する解を作り出す力です。 それを身につけるのに読書が役立ちます。 読書は「他人の脳のかけら」を自分の脳につなげること 一冊の本は著者が長い時間と労力をかけて積み上げた結晶であり、その作業はまさに著者の脳内で無から有を
読んで記事を書いた本の一覧です。 後から自分が見返すとき用ですが、読んでて面白い本の感想や要約って「すでに読んだことある本」だと思うので、もしあったらぜひ読んでみてください。 小説 ・君の膵臓をたべたい(住野よる) ・夜間飛行(サン・テグジュペリ) ・王とサーカス(米沢穂信) ・線は、僕を描く(砥上裕將) ・本と鍵の季節(米沢穂信) ・月と六ペンス(サマセット・モーム) ・正欲(朝井リョウ) ・華氏451度(レイ・ブラッドベリ) ・テンペスト(ウィリアム・シェイクスピア) ・推し、燃ゆ(宇佐美りん) ・medium 霊媒探偵城塚翡翠(相沢沙呼) 文豪 ・赤い部屋(江戸川乱歩) ・人間椅子(江戸川乱歩) ・押絵と旅する男(江戸川乱歩) ・こころ(夏目漱石) ・斜陽(太宰治) ・檸檬(梶井基次郎) ・ダス・ゲマイネ(太宰治) ・ヴィヨンの妻(太宰治) ビジネス書 ・すべての知識を20字でまとめ
ヴィヨンの妻(新潮文庫) 作者:太宰 治 新潮社 Amazon あらすじ 酒に溺れて遊び歩く夫(大谷)、病弱な息子、その二人と貧乏暮らしをする妻(さっちゃん)。 二人を献身的に支えるさっちゃんであるが、自身の現状に泣き崩れる日もあった。 ある時、大谷は馴染みにしている小料理屋「椿屋」からお金を盗み出し、一悶着を起こす。 翌日、さっちゃんは何の当てもないが椿屋に出向き、「金を返す当てができたので、それが用意できるまで店の手伝いをさせてもらいたい」と申し出る。 その後、奇跡的に大谷がその小料理屋に別の女性をつれてやってきて、その女性の計らいで借金がチャラになる。 それからも、さっちゃんはその小料理屋で働き続け、化粧等で身なりをしっかり整え、お客の相手をし、店に来た夫と家に帰る日々に充実感を感じるようになる。 それとともに、その店にきている客は皆犯罪者であり、誰しも皆後ろ暗いものを抱えて生きてい
本を読もうと思っても、「何か自分の人生に役立つ情報はないか」とすぐにビジネス系の本手に取ってしまいます。 ただ、最近読んだ本や見たブログの記事で「小説読んだ方がいいよ」という情報があり、やっぱ小説読もうと思いました。 文学に触れてないとヤバいかも 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~ (光文社新書) 作者:山口 周 光文社 Amazon こちらの本で、感性や美意識を鍛える方法の一つに文学がおすすめされています。 文学では物語中に様々な問いが与えられますが、それらに答えはありません。 各々が誰の生き方や考え方に共鳴するか考えながら読むことで、自分のアンテナの感度が磨かれていきます。 また、偏差値が高いのに美意識が低い人の共通点として「文学を読んでいない」というのを著者はあげています。 オウム真理教の幹部に高学歴が多かったというのは有名な話です
サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 作者:ユヴァル・ノア・ハラリ 河出書房新社 Amazon 色んなところで「おすすめ本」として紹介されていますが、自分には難しくてかなりの流し読みになってしまいました。 そもそも人類史というものにあまり興味が持てませんでしたね。 ただ、この本のメインテーマである「なぜ人類(ホモ・サピエンス)はこの地球を支配することができたのか」という話はとても面白かったので、そこだけざっくりまとめておきます。 思考力という強み 人類の特徴として大きな脳、思考力があります。 それによって道具の使用、優れた学習能力が可能になったのは、人類が覇権を取れた大きな一因でしょう。 しかし、太古には私たちの祖先であるホモ・サピエンス以外にも他の人類種(ネアンデルタール人など)が存在していました。 けれど、現在唯一生き延びているのはホモ・サピエンスだけです。 ホモ・サピエ
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『hnbn097.hatenablog.com』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く