サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
TGS2024
hoosaku.hatenablog.com
2016 - 09 - 18 もしもハイジャックするのなら 何もない日曜日、暇潰しに成田空港のレストランでカツカレーを食べていた。窓の外には飛行機が空から次々と舞い降りてくる。カラフルなデザインをしたジャンボジェット機たち。 タラップからぞろぞろと降りてくる乗客たちはまるでレミングスのように疲れきった顔で歩く。きっと決められたそれぞれの家路に向かって電車に乗ってスーツケースをころがしながら。 今頃ジャンボジェット機の中は掃除係たちが新聞やポップコーンやプレッツェルや機内食などをひとまとめにしてごみ袋に投げ込んでキャビンアテンダントに軽口を叩いているのだろう。 カツカレーを食べていた相棒のケツ叩くと二人分の会計をした。相棒は台湾に行きたいと言う。僕はリュックサックからパンストを出して被り台湾エアラインに乗り込んで機長に言った。 「悪いけどハイジャックする。台湾に戻ってくれないか」機長は僕と相
2016 - 09 - 15 ガラケー最終携帯 スマホが壊れガラケーに変えて1日。付属アプリのメモ帳に文字を慣れないテンキーで打ち、親指が痛む。できることは少ないが、ガラケーはスマホにない安心感がある。とにかく頑丈だ。 スマホは小さなパソコンだったとつくづく思う。しかしアウトドアではスマホがすぐに故障する不安が常にあった。落とす。濡らす。踏んづける。僕の使い方には向かなかったのである。 ただ、ガラケーのブラウジング機能はほとんど使えない。ブログの文字なんて虫眼鏡を使わないと読めないのだ。ブログはメールでアップできるのでホッとした。かなり面倒くさいけど。 スマホは今後も進化していく。ガラケーの進化は終わった。まさに最終携帯。ガラケに触れていると、ふと懐かしくなる。初めてケータイを触れたときのことを思い出す。機能は通話機能とアドレス帳だけ。たったそれだけ。 その時代に比べたらこのガラケーはすご
2016 - 09 - 14 さらばiPhone、よろしくガラケー アウトドアでの酷使に耐えきれず体だけでなくiPhoneも壊れた。根本的解決のため完全防塵防滴ガラケーに変えた。テンキーで500文字打ったのに間違えて、デリート長押しで全て消えた。もう寝るしかない。少しずつ慣れていこうと思う。110字 hoosaku 2016-09-14 23:03 さらばiPhone、よろしくガラケー list Tweet コメントを書く メジロと目黒 »
2016 - 09 - 13 メジロと目黒 乗り物で移動中に寝れないのだ。電車だけでなく、飛行機、車、船、ことごとくダメである。動くベッドでも、寝れないと思う。 きょうれつな寝不足が続いていて、少しでも眠りたい。座席に座って目を閉じる。こめかみと歯がズキズキと、痛む。激しい痛みだ。 寝不足に疲労が加わった時の個人的な症状だ。眠りたいが痛みで眠れないという悪循環。原因は思いつく。土日に動きすぎた。 痛みに顔をしかめながら目をつぶり続ける。車内アナウンス、喋り声、クーラーの風、くしゃみ、せき、羽ばたき。羽ばたき? 僕は驚いて目を開けた。左の肩がチクリと痛む。メジロがとまっていた。ピンク色した爪を僕のYシャツに食い込ませている。 メジロが好きだ。スイーツ嫌いの僕が唯一食べられるのが抹茶アイスクリームだからだ。白縁の黒目がじっと見つめてくる。曰く。 「君が電車で眠れないのはメグロのせい」 「メグロ
2016 - 09 - 12 1セントの女の子に言いたかったこと 17の夏、僕は大学予備校4日間の夏期講習を受けていた。会場は原宿。安宿に3泊した。竹下通りに面した木造はとても蒸し暑かった。 1日目の午前中に小太りの男友達ができた。昼休みには体育館でバドミントンをした。会場は大学だったが学校名は忘れてしまった。 バレーで遊ぶ女子2人組がいた。ショートカットで背の低い女の子と、ロングの背の高い美形の女の子。僕たちは顔を見合わせた。 背の高い方が俺のだぞ、と友達が言った。頷いて彼が2人に声をかけるのを見ていた。うまくやった。4人でバドミントンをした。 残りの3日間、昼休みになると4人でバドミントンをした。とても楽しかった。小さな女の子と目が合うと、すぐに逸らされた。 最終日、全ての授業が終わった。友達の連絡先を聞き、体育館に行った。扉を開けようとしたけど鍵がかかって開かなかった。 原宿駅から山
2016 - 09 - 11 扉を開けたら、混浴露天風呂だった 昨日の記事に書いた通り僕は山の中の大きなホテルに居た。男友達と夕食のビュッフェを楽しみ、露天風呂へと向かったのである。 友人が「ここ、混浴らしいよ」と言うのをふーん、と聞き流しながら部屋を出た時に僕はタオルを持ってくるの忘れたと思った。 まあいっかどうせ男しかいないだろうし。頭を洗いシャワーで汗を流し、露天風呂へと通じる扉を開けた。裸で外に出て驚いた。 女がいるやんけー‼︎ しかも皺くちゃ婆様じゃないピチピチが。 僕は急いで両手で股間を隠して扉を閉めた。 『この露天風呂は混浴です。女性に配慮して腰にタオルを巻いてください』扉に貼ってあった注意書にはそう書いてあったのである。 タオル、タオル、タオル…。 うろうろと脱衣所を探したが使用済みタオルなどはない。ふと、他人の脱衣カゴにあるタオルを拝借しようと思ってしまった。 いかん、い
2016 - 09 - 10 ヒルクライム『男だけの旅』(前編) よく寝た。9時過ぎに起きた。焼魚とご飯を食べる。ロードバイクのメンテナンスをする。布で車体を拭く。駆動部に油をさす。 ペダルを回す。乾いたラチェット音がする。ホイールが回り続ける。お湯を沸かす。インスタントコーヒーを飲む。準備完了。終。 扉を閉め鍵をかける。指差し確認。電気、ガス、カギ、OK。リュックを背負いロードバイクに乗る。ペダルを回す。風を切る。 駅に着く。輪行袋にバイクをしまう。キオスクで水を買う。中野行きの電車に乗る。新宿駅に着く。自転車仲間と合流する。終。 高速バスに乗る。運転手を含め全員が男。みんな明日のヒルクライムに向かうのだ。日に焼けた笑顔。引き締まった身体、精神。 山の麓に到着する。バスの荷物入れから吐き出される輪行袋。男たちは無言でバイクを組み立てる。具を使い微調整する。終。 ホテルに着く。レストランで
2016 - 09 - 09 正しい金曜日の過ごし方 あくまで僕の場合はであるが、仕事が終わったらさっさと帰る。華金だから飲みに行くとかしない。土日に出かける準備をする。 今週の日曜日は自転車で山を登るレースがある。明日は移動日で参加受付をするのだ。新宿から高速バスに乗り山の麓まで行く。 今回も全くトレーニング無しだ。一ヶ月間メタボ対策のスクワットをした。それだけを頼りに2時間、自転車で山を登るのである。 ヒルクライムというレースなのだが、やったことない人からは呆れ顔をされる。ドMだなあと言われる。それはまあ、否定しない。 金曜日は同僚と終電まで居酒屋でグチを言い合うのが楽しみだ、と言う人もいる。僕もそうだったし痛いほど気持ちは分かる。 あるとき飲みながら気づいた。いくら飲んで酔っ払ってグチを吐いてもストレスはなくならない。仕事をやっつけるしかないのだ。 疲れてるから土日は家で寝溜めしたい
2016 - 09 - 08 ズゴックが好きだ 死にそうなくらい眠い。あさ、会社を休もうかと思ったくらい寝不足だった。コンビニでオニギリを買って食べ車で昼寝した。 ズゴックの夢を見た。小学校で初めて手に入れたガンプラのシャア専用機『ズゴック』をどこへ行くにも持って行った。そんな夢だ。 当時、ピアノや書道や水泳や絵画や色んな習い事をやらされた。一番長く続いたのは、ピアノ。音大の先生に惚れていたのである。 先生に彼氏がいると知って泣きそうになった。僕はズゴックをギュッと握りしめて涙をこらえた。ズゴックといつも一緒だった。 赤い水性ペンで丁寧にズゴックを塗った。 ピアノの発表会があった。僕はしょっぱなからドとファを間違えて焦りまくったが、ピアノ台の上のズゴックを見て、深呼吸した。 落ちついて、と先生の声がした。懐かしい声だ。優しい声だ。僕は水性ペンで真っ赤な手で鍵盤を叩き、トルコ行進曲を弾いた。
2016 - 09 - 07 「救急車は消防署から来るんだぞ?」 激論がつづいていた。先輩社員と楽しいランチを終え、僕が少年時代にターザンごっこをして、木に激突、気絶、病気へ搬送された と武勇伝を話して「病院から救急車が来て額を5針縫ったんです」というところで普段にこやかな先輩社員が目を三角にして言った。 「何言ってんの?」 「は? 何って、なんですか?」 「救急車は消防署から来るんだぞ?」 「んなわけないでしょ。病院ですよ」 「お前、本気で言ってる?」 「先輩こそ、正気ですか? 僕、ブロガーですよ? まだ半年だけど毎日更新してるから普通の人よりちょっと物知りっていうか」 「ブロガーなら今すぐググれ!」 「病院に決まってるでしょ!ったく!もし、消防署だったら、そこに落ちてるシリカゲル、全部、食わせますからね!」 「ほう、違ったら、お前が食えよ?」 「分かってるわい!」 怒りに震えながら、ス
2016 - 09 - 06 なぜ僕はポイントカードを出さないのか? この件を友人知人に話すと「ただ出すだけでポイントが貯まるのにバカ!」と総攻撃を食らうので記事にするか躊躇っていた。 あらゆる場所で「ポイントカードは、お持ちですか?」と聞かれる。いちいち言葉にするのが面倒で 僕は条件反射で、首を振る。 カードの会員ではあるので持ってはいるのだが単純に出すのが面倒くさい。昔からポイントカード的なものは、全て断ってきた。 マクドナルドの割引チケットとか山崎パンの春祭りのシールも、心が動かない。スマホのアプリ入会で割引とかは、本当に困る。 過去にものすごい嫌なことがあって、そのトラウマを避けるためにポイントカード的なものを本能的に避けているのかもしれない。 ミステリアスでホラーで悲しくてちょっと笑えるようなイカしたトラウマを、ポイントカードが発動してしまうのかもしれない。 馴染みのコンビニで夕
2016 - 09 - 05 サラリーマンの月曜日の乗り切り方 月曜日が楽しみでたまらないサラリーマンというのは存在するのだろうか。僕は仕事がうまくいってたとしても楽しみではない。 働かざるもの食うべからず。社会人生活をサバイバルする為に月曜日をなんとか攻略する必要がある。サラリーマン永遠の課題だ。 出社するまでにありとあらゆる手段を用いて現実逃避するしかない。そのために週刊漫画、缶コーヒー、タバコ等が存在する。 おそらくサラリーマンが嗜好品をいちばん必要とするのが月曜日だろう。音楽もいい。ロックを聴いてハイテンションで出社。 パソコンを立ち上げ、メールをチェックする。午前中の会議の資料を、作成する。ミンティアを食べながら、会議を乗り切る。 長い午後が始まる。上司からのありがたいご指摘、部下からの貴重なご意見を、頷きながらスルーする能力は身についている。 ここまで書いて気づいたが、月曜日の
2016 - 09 - 04 正しい土日の過ごし方 あくまで僕の場合はであるが、仕事のストレスが溜まっている時ほど土日は外に出て、ハードに身体を動かして汗をかくようにする。 一番いいのは人気のない山などへ出かけて、キャンプをすること。それも携帯電話の電波が届かないような、辺鄙な場所ほどよい。 学生時代に登山や自転車やカヌーに親しんできたこともあり、やはり自然の中に身をおいて大地に寝転び、星を見ながら寝たい。 今週の土日は天気が安定していなかったから安宿に泊まったが、1日目はサイクリングをし、2日目はへとへとになるまで、歩いた。 土日に身体を酷使することで月曜日は疲労感が残っている。良い疲労感だ。代わりに太陽や風や大地からは元気をもらってる。 デスクワークをしながら脚の筋肉痛に顔をしかめつつタイピングをする。だけど僕の頭の中はいい感じに太陽に焼かれている。 つまり土日になーんも考えず、ぼーっ
2016 - 09 - 03 リンダ=?=リンダ 学生時代は15万円で1ヶ月半、貧乏旅行したりした。飛行機代が5万円とすると1日2000円で過ごしたことになる。宿代を含めて。 社会人になってあまり旅行でお金を気にしなくなった。好きなものを食べて、買う。好きなことをしてるのだがなんか味気ない。 お金の自由(学生時代比べ、であり裕福ではない)は貧乏旅行で楽しかったギリギリのお金の範囲で楽しむ自由を奪っていた。 よし!今日は1日500円で楽しみまくるぞ! 僕はポケットに500円玉だけ入れて家を出た。天気がよい。ママチャリを漕ぎながら鼻歌を唄う。「リンダリンダー、リンダ…」 喉が渇いたので100円ショップに入りミネラルウォーター(富士天然水)を買う。108円也。1日分なので、少しずつゆっくり飲む。 「もしも僕がいつか君と出会い話し合うならそんな時はどうか愛の意味を知って下さいー、リンダリンダー、リ
2016 - 09 - 02 メタボ解消にはスクワットがオススメ!な『3つの理由』 40才を過ぎてから腹回りに肉がつくようになった。毎日、腹筋100回してもぽよっとしている。どうしてなんだあ!と悩んでいた。 腹筋さえしていればメタボ腹なんかにならないどころか、ライザップの広告にあるようなシックスパックになって、海でモテモテだ!などと、春先から頑張っていたのだがダメ。そして、夏が終わろうとした時にみた記事。 確かはてなの記事だった。衝撃を受けた。 『部分痩せといったものは、存在しない』 だから 『メタボには腹筋よりも、スクワット!』 !!! 『なん、だと?』 メタボ解消の概念がガラガラと崩れ去っていった。体は全体的に痩せるから小さな腹筋を何回もやるより大きな筋肉を使うべし! すなわちスクワットが最も効果的であるとのことだった。考えるより実行の人な僕は毎日50回のスクワットを始めたのである。
2016 - 09 - 01 ベッカムに似た男 およそ10年前、実家に帰った時に父と夕飯の食材を買いに行った。夕方の大きなショッピングセンターの食品売場は混んでいた。 久しぶりに親子で酒を飲もうということでキャベツ、白菜、ニラ、ニンニク、挽肉、餃子の皮と、8缶パックの缶ビールを買った。 小さな頃から餃子作りを手伝ってきたので、父に食べてもらおうと思ったのである。夕飯の食材を買う主婦達は値札を見ている。 きっとチラシの特売品や値下げされた商品をきちんと見分けているのだろう。僕は値段など気にせずどんどんカゴに放り込む。 レジは長蛇の列で僕らの前には10人以上の主婦が並んでいた。うんざりした気分で並んでいると父が僕に向かって大声で言った。 「ホーサクは、ベッカムに似てるなあ!」 え?今、なんつった?と僕はぽかんと口をあけ間抜けな顔をしていた。そこにレジ係を含む全女性の視線が集中した。ベッカム‼︎
2016 - 08 - 31 「しょうがないな、お兄ちゃんは」 共働きだった両親がでかけると僕は、妹に赤いキティーちゃんの合羽を着せる。ピンク色したミッフィーちゃんの長靴も履かせる。 「どこ行くの?」妹が言う。 「ゲームセンターだよ」僕は答える。 「すごい雨と風だよ」妹はしかめ面する。 「一人で留守番してるか?」僕は言う。 妹は、首を振り僕の腕にしがみつく。テーブルの上に置いてあった昼食代の200円を半ズボンのポケットに突っ込んでドアを開ける。 朝なのに暗い。木の葉や枝がビュンビュン飛んでくる。僕は雨風に逆らって妹の手を繋ぎ歩く。頭の中でゲームの電子音がしてる。 1980年代のゲームセンターに僕は入り浸っていた。幼稚園の頃から通っていたのだ。両親が共働きでいいことも少しあるのだ。 ひなびた商店街に着くと100円分の駄菓子を妹に買う。僕は100円でゲームを2回プレイした。妹がたまにやらせてく
2016 - 08 - 29 涙のガンプラ(400字) 小学校から歩いて10分の場所に、古ぼけた小さなオモチャ屋があった。土曜日の12時になると、お婆さんがガンプラを売った。 店に並ぶのは毎週30個で、先着順にガンプラが買われていく。なけなしの小遣いを握りしめて、放課後のチャイムと同時に走る。 息を切らし、痛む脇腹をおさえ、転びそうになりながら一生懸命走った。足の速い上級生に次々に抜かれながら必死に走った。 オモチャ屋の列を見て肩を落す。どれだけ頑張って走っても、ガンプラを手に入れることができない。泣きそうになりながら帰る。 そんな日々が続いたある日、気がついた。棚にいつも残っているガンプラがある。僕は歓喜に包まれ、小さな箱を手にとった。 そこで僕は幼いながら人生の苦味を知った。残っていたのは、モビルスーツでなく、モビルアーマーでもなく、ドダイであった。 ドダイってなんだよ!初めてのガンプ
2016 - 08 - 28 「君の名は」400字レビュー ネタバレ無し 公開3日目。9時半の上映を予約して行ったのだが映画館に着いて老若男女、人の多さに驚いた。300人ホールが熱気で一杯だった。 物語は甘酸っぱく切ないボーイミーツガールもの。タイトルにある通りお互いの名前も知らない彼らが時を超えて出会い、恋する。 前半は、登場人物の疾走感とコメディに惹きこまれ、後半は、美しく輝きながらやってくる絶望にドキドキしながらも、真のテーマを段階的に理解する毎に感動が増していき、圧倒的なラストを迎える。多幸感に包まれる。 観てもらいたい観客層。これは断然、高校生だが全年齢の人に観てもらいたい。いろんな立場から多様な感想を持てると思う。 映画を印象的にする脚本、背景作画や音楽は今のアニメでトップクラスであることは間違いない。劇場で繰り返し観たくなる作品だ。 【連れの感想】ネタバレ無し 物語のラスト近
2016 - 08 - 27 少年サッカーに憧れた少女 小学生の頃、僕の頭の中の半分は食べ物、もう半分はサッカーで占められていた。毎日朝5時から近くの公園で一人朝練をする。 給食後の休憩時間にはクラス対抗でサッカーの試合をした。Jリーグもなかった時代だけれど僕は本気で試合して負けたら泣いた。 放課後は学校のグラウンドでコーナキックの練習をする。陽が落ちると家に帰って、ご飯を食べて、お風呂に入って、寝る生活。 ある日、同じクラスの女子から5歳の弟を朝練に参加させて欲しいと言われた。いいよと答えると次の日から公園にやってきた。 爪先じゃなく足の甲でボールを蹴ることを弟君に教えた。自分の練習が疎かになったけれど辛抱強く教えた。秋から冬になった。 冬の朝はきつい。足の指が霜焼けで痛くなる。それでも弟君は休まず参加した。次にヘディングを教えた。次の日、姉君が来た。 この子の頭はまだ固まってないので、
2016 - 08 - 26 僕はミンティア中毒性! 正確にはミンティアブリーズ『クリスタルシルバー』の中毒性である。ミンティアブリーズシリーズは通常のミンティアの5倍の大きさで心地よい清涼感が5分続くのが売りだ。 僕はミンティアブリーズを毎日買う。つまり30粒全部食べきってしまう。8時間労働だとして1時間に4粒食べている計算だ。常に口の中がスースーしていないと気が済まない。 多分、パソコンをずっと睨んでいるストレスやら、人間関係のストレスやら、出世できないストレスやらで頭がモヤモヤして、せめて口の中だけでもスースーしていたいんだと思う。 今日は、同期が部長に昇格したストレスで2ケース目を買ってしまった。 こんなに食べて大丈夫か?と心配になりネットで調べたところ、ミンティア中毒というのは僕以外にもたくさんいるようだった。 「ミンティア」はお菓子で使われている原料も食品として安全性が認められ
2016 - 08 - 25 『サラリーマンのランチ事情』もしくは『黄色いクルマのパン屋さん』 結論から言うと僕はひとり飯派だ。昼食後には外に出て散歩したりベンチに座って鳩に餌をあげたり、野良猫を撫でたいのだ。 現実には上司に誘われ同僚達と連れ立って20人位で社員食堂に行く。僕はゆっくり食べたいのだが、早食いの皆に合わせる。 早く食べることに集中するので味わって食べられない。上司を待たせないよう、まだ口の中がいっぱいでもご馳走さまをする。 食後は休憩室でコーヒーを飲みながら雑談をする。最近の話題はオリンピック、その前はポケモンGO、その前は都知事選だった。 ニコニコ笑いながら皆の会話を聞き相づちをうつ。大抵いつもほとんど100%聞き役だ。話すとグチを言いそうだから黙ってる。 僕は頭の中で『黄色いクルマのパン屋さん』のことを考える。スズキの軽ワゴン車を黄色に塗ったパン屋さんが駅前に停まってる
2016 - 08 - 24 『コンビニ人間』サイン会に行って学んだ3つのこと 晴れた!昨日の天気予報では70%の降水確率だった。今日は神保町でサイン会がある。『コンビニ人間』で芥川賞を受賞した村田沙耶香さんのサイン会だ。雨なら家でゴロゴロ。晴れたら行こう、と思っていた。ヤフオクで買ったリュックサック、ノースフェイスのビッグショット2を背負って出かける。 ネコ師匠の記事を見て思わず買った逸品。 一泊二日のキャンプでも使える位の大きさなのだが、背中にぴったりフィットして疲れにくい。神保町はヤバイ町なのででかいリュックサックの方がよいのだ。電車内で『コンビニ人間』を再読して何度も笑ってしまった。神保町に着くと、携帯の地図アプリを見ながら慎重に歩いた。方向音痴なのだ。 10時45分に会場であるセブンイレブンに到着。まだ誰も並んでいない。神保町を散歩するか?いやいや、まずい。でももう40過ぎの不惑
2016 - 08 - 23 ビールのつまみは『枝豆かフライドポテトか?』論争 僕がやっすい居酒屋で注文するものは枝豆とフライドポテトと決まっている。雑誌のアンケートの注文ランキングは次の通り。 1位 枝豆 37.3% 2位 から揚げ 22.1% 3位 サラダ 11.1% 4位 焼鳥 9.9% 5位 漬け物 8.9% ほらねやっぱり枝豆がダントツでって…え?あれ?フライドポテトはどこにあるの?から揚げ、焼鳥に負けるのは仕方ないとして。 サラダなんかに負けるなよー!ビールにサラダって女子会か!ビールのつまみにサラダなんてありですか?漬け物ってありですか? つまみにこんなアッサリしたもの頼むなんてよっぽど健康診断の結果が悪かったかオシャレなバーに入ったかしか考えられない。 あ、枝豆もアッサリしてると言われちゃうのかな。でも枝豆は仕方ない。キングオブおつまみだから。4割近くの獲得票だから。 フラ
2016 - 08 - 22 台風直撃でも出勤する『サラリーマン人間』を見てシンゴジラを思いだす 僕もそのサラリーマンの一人である。暴風雨の中、全身びしょ濡れになりながら会社に向かう自分が、滑稽でたまらなかった。 なぜ身の危険を感じてまで出社するのか。 会社につくといつもの月曜日が始まった。 猛威を振るう台風がシンゴジラに見えた。 その姿は荒ぶる神と表現された。あんな災厄の中で普通に働くサラリーマンを映画館では笑い飛ばしていたが、今回の台風直撃でも会社に向かい、乗り換えの駅のホームで帰宅できずに駅員が用意した毛布に座り込むたくさんの人々がいた。 なぜ、こんな日にまで外出をするのかなあ? 都心を台風が直撃すればこうなることは分かっていたはずである。 会社には泊まる人が出たし、このぶんだと駅でたくさんの人が寝泊まりするはずだ。 そんな姿を見て、僕たちサラリーマンはきっとシンゴジラが現れても普通
2016 - 08 - 21 『コンビニ人間』が面白かった5つのこと。主人公の笑える10のこと 【あらすじ】 36歳未婚女性、古倉恵子。 大学卒業後も就職せず、コンビニのアルバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食。夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが・・・・・・。 【はじめに】 僕が『コンビニ人間』を買ったのは芥川賞を取ったからではない。毎日、コンビニを利用している身からしてコンビニを舞台にした小説はどんな風に描かれるのだろうと思ったのだ。そう、コンビニ『人間』という視点を持たずに買ってしまった。これはコンビニではなく『人間』を描いた小説だと気づいた時にはページをめくる手は止まらな
2016 - 08 - 20 なぜ僕の顔は人に覚えられやすいのか? ネパールの首都カトマンズを歩いていた時のことである。痩せた欧米人バックパッカーがふらふら歩いていた。青白い顔をしてる。 僕と同じくらい貧乏そうだったので気になって話しかけてみた。2、3日前から風邪を引いて高熱で倒れそうだと訴えてきた。 20年前のバックパッカーは国籍を問わずすぐに打ち解けるようなところがあった。彼がインフルエンザじゃないかと僕は思った。 昔、日本で処方されたインフルエンザの薬があったので全部あげた。「Have a nice trip!」と言って握手して別れた。僕はアンナプルナ山脈にトレッキングをしながら、ネパール人の写真を撮る、一カ月間の旅をしていた。 貧乏バックパッカーは航空チケットを安く上げるためにタイのバンコクに行き目的の国へのチケットを買うのが普通であった。ネパールの次はいつも通り、タイへ飛んだ。
2016 - 08 - 19 小学生ブロガー『Bと星』 俊一は共働きの家庭で育った。父は中小企業の派遣社員で長時間労働、母はパートを掛け持ちして家にいない。孤独な日々だ。 公園で3DSをしている時が一番楽しかった。でも夕焼の時間になると友達は家に帰る。夕食を買おうと、コンビニへ向かう。 『ー閉店のお知らせー ご愛顧ありがとうございました』ガラス戸に張り紙。コンビニは真っ暗で空腹と寂しさでいっぱいだった。 首から吊り下げた紐の鍵を団地の扉に差し込み回す時に鳴るガチャリという音が嫌いだった。冷蔵庫を開けるとチーズしかない。 父親のパソコンを立ち上げてブログを書く。学校のこと友達のこと夕飯のこと。しばらく他のブログを読んで、Bをつける。 21時を過ぎるとシャワーを浴びて歯を磨いてパソコンの電源を切る。ベッドに入る。なかなか眠れない。頭の中で羊を数える。 眠れない。パソコンを立ち上げる。ブログをチ
2016 - 08 - 18 コンビニ『失って初めて気づくこと』 自宅から近い駅前のコンビニが潰れてしまった。あと一ヶ月は営業するらしいので正確にはまだ営業しているのだが愕然とした。商品が殆どない。あるのは雑誌とボールペンの替芯とカップラーメンとスナック菓子だけ。 よいコンビニだった。店員は元気で礼儀正しい。清潔で品揃えもよい。業界一番手のコンビニよりも好きだった。駅前の最高の立地で客もよく入っていた。僕には閉店する理由が思い浮かばず、ただショックだった。 24時間ATM、公共料金の支払い、たまに夕食の調達とほぼ毎日、りようしていた。いや、正直に言うと、立ち読みもたまにしていた。必ず缶コーヒーを後で買うようにはしたけれどそれがいけなかったのかもしれない。 もっとたくさん買物をしていればこんなことにならなかった。コンビニに限らずお店というものは販売というサービス以上のものを地域や客に与えてい
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『hoosaku.hatenablog.com』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く