サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
TGS2024
ideasforgood.jp
ノンバイナリーとは? ノンバイナリージェンダー(nonbinary gender)とは、自分の性自認(=体の性ではなく、自分で認識している自分の性)が男性・女性という性別のどちらにもはっきりと当てはまらない、または当てはめたくない、という考えを指す。「第三の性」「クィア」とも呼ばれる。 2021年6月に、歌手の宇多田ヒカルさんがインスタグラムのライブ配信で自身はノンバイナリーだと明かしたことが、この言葉の注目のきっかけの一つとなった。 たとえば、「女に生まれたけど自分の男と女どちらの時もある」「昔は自分は男性だと自分を納得させようとしていたけど、実はそうじゃないかもしれない」など、自分で認識する性を固定しない立場をとる人々は、ノンバイナリーとされる。なお、恋愛対象となる性は必ずしも同性ではない。性自認と、性的指向(=好きになる性)は別だからだ。 英語圏では、ティーンエイジャーを中心に「he
気候変動の悪影響を最小限に抑えるべく、世界では産業革命前と比較して世界の平均気温の上昇を1.5度以内に抑える努力が必要とされている。これを達成するためには、2030年までに、CO2を2010年度比で約45%削減しなければならない。 CO2排出削減の大きなポテンシャルを持つのが、発電分野だ。日本では、発電によるCO2の排出が他部門に比べ最も大きく、およそ40%を占める(※1)。 太陽光・風力・地熱・水力・バイオマスといった再生可能エネルギーは、CO2を排出せずに発電できるため、CO2排出量削減に貢献できる。そんななか、日本政府は、この再生可能エネルギーの割合を2022年現在の20%程度から、2030年には約36〜38%まで増やしていく予定だ(※2)。 環境省のHPによると、私たち個人が再生可能エネルギーを導入する方法は2つある(※3)。1つは、再生可能エネルギー由来の電力に切り替えること。も
SDGsウォッシュとは? SDGsウォッシュ(SDGsウォッシング)とは、国連が定める17の持続可能な開発目標(SDGs)に取り組んでいるように見えて、実態が伴っていないビジネスのことを揶揄する言葉。実際はそうでないにも関わらず、広告などで環境に良いように思いこませる「グリーンウォッシュ」が元になっている。 たとえば、事業の内容に直接関係のない「グリーンなイメージ(自然の写真や、緑色の包装など)」を使う石油企業や、衣服の製造過程で通常よりも多くのCO2を出すにも関わらず、「天然」または「リサイクル素材」でつくられている、と良い面だけをアピールするファッションブランド、そして、海洋生物を守っているとアピールしながら、自社の東南アジア支社にいる従業員には低賃金で強制労働をさせるグローバル企業などが当てはまる。これらはすべて、上辺だけのSDGsだ。 企業の多くは、自社のCSR(社会的責任)活動を
2021年3月18日から21日にかけて、一般社団法人Ecological Memesがグローバルオンラインフォーラム「Ecological Memes Global Forum 2021」を開催。「あわいから生まれてくるもの ー人と人ならざるものとの交わりー」をテーマに、ビジネス・アート・エコロジーの領域から第一線を切り拓く多彩なゲストによるセッションが行われた。 今回は、一般社団法人シネコカルチャー代表理事 / 株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)リサーチャーの舩橋真俊氏とチームメンバーの、坂山亮太氏、太田耕作氏、鈴木吾大氏、株式会社BIOTOPE代表の佐宗邦威氏による「拡張生態系のパラダイム ーシネコカルチャーの社会実装の契機をさぐるー」のセッションを取材した。 約1万年前の農耕革命以降、人類は自然の資源を搾取・享受する歴史を歩んできたが、そうした関係性を大きく転
「格差の拡大」がさかんに叫ばれる昨今。日本では、子どもの7人に1人が貧困であると言われている。2020年の調査によると、2019年調査時は3,718箇所だった日本全国のこども食堂の数が、2020年には4,960箇所に到達。コロナ禍でもその数を伸ばしていたことが分かった(※1)。 日本における子どもの貧困や格差の問題に取り組んできたのが、社会活動家の湯浅誠氏だ。現在、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長を務める湯浅氏は、1990年代よりホームレス支援等に従事。2009年からは足かけ3年、内閣府参与に就任し政策決定の現場に携わっており、官民両方の立場から格差是正支援を行った経験がある。 今回IDEAS FOR GOOD編集部は、長きにわたり格差是正支援に携わってきた湯浅氏に、日本における格差の特徴や私たちにできることについてお話を伺った。 話者プロフィール:湯浅誠(ゆあさ・
インテレクチュアル・ダークウェブとは? インテレクチュアル・ダークウェブ(Intellectual Dark Web)は、特定の主張を持つ科学者や教授、TVホストで構成されるインターネット上のネットワークのことだ。もともと「ダークウェブ」とは、検索エンジンで探しても出てこず、特定のアクセス手段を持ってのみ通信が可能ないわゆる「闇サイト」のことを指しているが、インテレクチュアル・ダークウェブの場合は、その主張がポッドキャストやソーシャルメディアなどで一般大衆に広く届くようになっている。 このネットワークに所属するとされるのは、アメリカの生物学者ブレット・ワインスタイン氏、その弟で経済学者のエリック・ワインスタイン氏、政治系トークショーホストのデイブ・ルービン氏、哲学家でフェミニズム論客でも知られるクリスティーナ・ホフ・サマーズ氏など。いずれも、人種や性別、性的指向や政治的所属が(公表されてい
日常生活の中で、意味を知らない言葉が出てきたときや、ふと「なぜ〇〇なんだろう?」と疑問に思うことがあったときは、インターネットで検索する、俗にいう「ググる」のが一般的だ。その語源になっているGoogleの利用が、政府や当局によって制限されている国があるのをご存知だろうか。 今、さまざまな国や地域で、ウェブサイトやSNSの規制が行われており、権力者にとって都合の悪い情報が報道がされずにいる現状がある。恣意的な情報操作によって人々の意見や価値観が形成され、それが「コントロールされた(権力者に都合のいい)」行動につながっていくのだ。国境なき記者団(RSF)のウェブサイトでは、サウジアラビア、ロシア、ベトナム、メキシコ、エジプトのジャーナリストが「自国に報道の自由がない」と訴えかけている。 報道の自由は、民主主義を形成するための権利だ。そこで活用されたのが、世界的人気のゲーム、マインクラフト(Mi
「小学生の時、スティーヴン・ホーキング博士の子ども向けの宇宙冒険小説『宇宙への秘密の鍵シリーズ』を読みました。その時から僕は、“二酸化炭素マニア”になったんです。」 そう話すのは、東京大学工学部に通う学生でありながら「化学者兼発明家」の肩書を持つ、村木風海(むらき かずみ)さんだ。小学4年生の頃から、地球温暖化を止めるための発明と人類の火星移住を実現させる研究に取り組んでいる村木さんは、2020年、一般社団法人炭素回収技術研究機構(以下、CRRA)を立ち上げ、その代表理事・機構長を務めている。 「地球を守り、火星を拓く」――この言葉をミッションに、CRRAで二酸化炭素の回収や空気から石油の代替燃料を製造する研究、有人火星探査の研究を行う村木さん。なぜ彼はこれらの研究を行うのか、炭素が持つ可能性とは何なのか――彼の思い描く未来の世界について、編集部がお話を伺った。 話し手:村木 風海(むらき
マイクロアグレッションとは? マイクロアグレッションは、別名「小さな(マイクロ)攻撃性(アグレッション)」。人と関わるとき、相手を差別したり、傷つけたりする意図はないのに、相手の心にちょっとした影をおとすような言動や行動をしてしまうことだ。「微細な攻撃」とも訳されるマイクロアグレッションがなぜ相手を傷つけるかというと、その言葉や行動には人種や文化背景、性別、障害、価値観など、自分と異なる人に対する無意識の偏見や無理解、差別心が含まれているからだ。 具体的には、このようなものがマイクロアグレッションと呼ばれる。わかりやすいように、海外で起こることと日本で起こることを分けていくつかの例をあげてみよう。 海外 「アジア人だから数学が得意」「黒人はダンスが上手い」という特定の人種へのステレオタイプ的言動 西洋人からの、「君は日本人っぽくなくて大胆な考え方をしていいね!」といった発言 英語圏に長く住
エコーチェンバー現象とは? エコーチェンバー現象(エコーチャンバー現象、Echo chamber)とは、自分と同じ意見があらゆる方向から返ってくる「反響室」のような狭いコミュニティで、同じような意見を見聞きし続けることによって、自分の意見が増幅・強化されることを指す。ツイッターなどのSNSや、インターネット掲示板など「同じ趣味・思想の人とつながることができる」場で起こりやすい現象だ。 現在、私たちは過去のユーザー情報をもとに、各人に最適化された広告やコンテンツが表示されるようなインターネットのフィルターの傘下におり、無意識に似た情報や視点に囲まれてしまう。これは、フィルターバブルと呼ばれるものだ。検索エンジンなどで興味のあるワードを打ち込もうとすると、過去の閲覧履歴などからすでに予測変換されて、私たちが一番見たいであろうページを表示してくれるのも、この一種である。私たちは毎日「各々の」関心
ウェルビーイングとは? Well-being(ウェルビーイング)とは、心身と社会的な健康を意味する概念。決まった訳し方はなく、満足した生活を送ることができている状態、幸福な状態、充実した状態などの多面的な幸せを表す言葉である。瞬間的な幸せを表す英語「Happiness」とは異なり、「持続的な」幸せを意味するのがウェルビーイングだ。 厚生労働省は、この言葉を「個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念」だとしている。 初めてウェルビーイングという言葉が言及されたのは、1946年の世界保健機関(WHO)設立の際に考案された憲章。WHO設立者の1人である施思明(スーミン・スー)が、予防医学(病気の予防・治療)だけでなく、健康の促進の重要性を提唱し、“健康”を機関名や憲章に取り入れるよう提案した。 健康とは、病気でないとか、弱っていないということでは
グレート・リセットとは? より良い世界をもたらすために、私たちの社会と経済のあらゆる側面を見直し、刷新すること。 世界情勢の改善に取り組む国際機関である「世界経済フォーラム(WEF)」が、2021年5月に開催するダボス会議のテーマを「グレート・リセット」にすると発表したことから、注目を集めている。ダボス会議は世界経済フォーラムの年次総会であり、世界経済や環境問題など幅広いテーマで討議される内容は、各界から注目されている。 世界経済フォーラムがグレート・リセットの必要性を訴える理由としては、新型コロナウイルスの感染拡大が経済成長、公的債務、雇用、人間の幸福に深刻な影響を及ぼしていること、そして気候変動や格差の拡大といった社会問題が危機的状況にあることが挙げられる。これらの危機からより良い世界を取り戻すためには、その場しのぎの措置ではなく、まったく新しい経済社会システムを構築しなければならない
Less is Moreとは? 「少ない方が豊かである」という意味。20世紀に活躍したドイツ出身の建築家、ミース・ファン・デル・ローエが残した言葉として知られる。シンプルなデザインを追求することで美しく豊かな空間が生まれるという、建築家としての信念を表した言葉だ。ちなみに同氏は「God is in the details.(神は細部に宿る)」というモットーを掲げたことでも知られる。 ここから派生して、現代では建築の分野に限らず、プロダクトデザインやWebデザインなどの分野における引き算の美学や、少ないもので豊かに暮らすミニマルライフのポリシーを代弁する言葉として使われている。また近年では環境保全の観点からも、物質的な豊かさを追求するのではなく、大切なものだけを選び取る「Less is More」の意識が欠かせないと言われている。 Less is Moreと似た意味の言葉 Less is M
スラット・シェイミングとは? スラットシェイミングは、性のステレオタイプや社会通念に基づき期待される行動や外見から逸脱しているとして、非難したり、制裁をしたりする行為のこと。たとえば派手な服装をする女性に対しての「女のくせにはしたない」といった言動は、スラットシェイミングにあたる。 これはつまり、性に対する固定観念を他者に強要することだ。どの性別も被害者や加害者になりうるが、女性や性的マイノリティが被害者になりやすい現状がある。「スラット(Slut)」という言葉自体も、英語で「ふしだらな女」「(誰とでも寝る)尻軽女・ビッチ」といった意味を持つ。 スラットシェイミングの標的となるのは、たとえばこのようなケースだ。 「性的」だとされる服装を着て服装規定に違反している 避妊や人工妊娠中絶の権利を求める 婚前交渉をしたり、無差別なセックスをしたりする 売春をする 強姦あるいは性的暴行の被害を受ける
ミレニアル世代(ミレニアルズ)とは? ミレニアル世代は、1980年、もしくは1981年〜1990年代なかばごろまでに生まれた世代のこと。 Millennium(千年紀)を迎える2000年以降に成人や社会人になったことに由来し、英語では、Millennials(ミレニアルズ)と呼ばれる。もともと米国で生まれた世代呼称で、心理学者のJean Twengeが定義した。また、同じく1980年代から1990年代までに生まれた人たちのことを「Y世代(ジェネレーションY)」と呼ぶこともある。 2021年に発表された経済産業省の「通商白書」によると、ミレニアル世代は世界人口全体の約6割を占め、彼らの親世代でもあるベビーブーマー世代を超え、最も人口の多い世代となった。日本でも約4割に迫っており、2035年には過半数を占めると予測されている。今後は彼らが社会経済活動の中心となっていく年齢となることから、社会に
持続可能な開発目標・SDGsの目標6に、「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」と掲げられている水問題。このままいくと、2050年には世界人口の約半数が水不足にさらされると予想されている。 この問題の解決に取り組んでいるのが、2014年設立の東京大学発ベンチャー、WOTA株式会社だ。同社の技術は、衛生的で安全な水を利用できる環境が整っていない途上国だけでなく、水道インフラの維持管理に不安を抱えている日本の過疎地域の希望となるかもしれない。持続可能な水インフラの未来を、代表取締役の前田瑶介さんに聞いた。 話者プロフィール:前田瑶介(まえだ ようすけ) 1992年徳島県生まれ。東京大学工学部建築学科卒業、同大学院工学研究科建築学専攻(修士課程)修了。 幼少期より生物研究に明け暮れ、高校時代には食用納豆由来γポリグルタミン酸を用いた水質浄化の研究を行い日本薬学会で発表。
ドーナツ経済学とは? ドーナツ経済学とは、自然環境を破壊することなく社会的正義(貧困や格差などがない社会)を実現し、全員が豊かに繁栄していくための新しい経済の概念のことをいう。英オックスフォード大学の経済学者ケイト・ラワース氏が2011年に提唱した。そのビジュアルイメージから、私たちに身近で想像しやすい「ドーナツ」にちなんで名付けられた。 わかりやすくいうと、下の図の緑色の部分(=ドーナツの食べられる部分)の範囲内で生活していこうということである。この緑色の枠は、人類にとって安全で公正な範囲、そして環境再生的(リジェネラティブ)で分配的な経済をあらわしている。 ▶️ リジェネラティブとはどういう意味なのか?サステナブルとの違いは?解説はこちら ドーナツより内側(中心)の空洞は、エネルギーや水、住宅など、人々が暮らす上で必須のものが欠乏している状況を示している。国でたとえると、インフラの行き
キャンセルカルチャーとは? キャンセルカルチャーとは、社会的に好ましくない発言や行動をしたとして個人や組織をSNSなどで糾弾し、不買運動を起こしたり、ボイコットしたりすることで、社会から排除しようとする動きのこと。 具体的にはメディアやSNSを通しての猛批判、テレビ番組やCMへの出演停止、番組の放映中止、解雇・解任、出演作品を観ない、著作を読まない、製品を買わないといった、支持や支援を取りやめる(キャンセルする)行為や呼びかけを指す。 政治家や芸能人、インフルエンサーなどの著名人、また企業や組織、団体なども対象となることがあり、人種差別的な発言や行動、同性愛者に対する偏見、そのほか何らかの不正が明るみに出たときなどに起こることが多い。 「コールアウトカルチャー」や「炎上」との違い キャンセルカルチャーは、アメリカを中心に2010年代中頃から見られるようになった。不正や不公正な状態に抗議する
スイスのスタートアップEnergy Vault社が、再生可能エネルギーを貯めて有効利用できるコンクリートタワーを開発した。 このタワーはエネルギー容量35 Mwh、ピーク電力は4 MWという実用規模のエネルギー貯蔵技術をもち、商業利用ができる。インド最大の総合電力会社Tata Power社にもこれから導入予定のシステムだ。また、スイスのCEMEX Research Group AG社もEnergy Vault社のシステム展開を世界規模でサポートしていく。 現在、世界では再生可能エネルギーの開発が急ピッチで進められている。しかし、その多くは風や日光などに依存するため、エネルギーの生産予測が難しく、化石燃料のような継続的なエネルギー供給が難しい。また、効率とコスト効果に優れたエネルギー貯蔵ができない場合、再生可能なエネルギー源から電力網に供給できる電力量は制限される。 この問題を解決すべく、E
Toxic masculinity(有害な男らしさ)とは? 「Toxic masculinity(トクシック・マスキュリニティ)」または「有害な男らしさ(男性性)」とは、伝統的に「男はこう振る舞うべき」とされる行動規範のうち、負の側面があるとされるもののこと。 例えば、男性優位の意識(女性を見下すような意識)や、男はタフでないといけない、泣いたらダメだという意識、男は性的に活発であるべきという意識などが具体的には挙げられる。 この言葉は1980年代後半に心理学の教授が提唱し、当初は「男性が感情を抑え込むことで、ときに暴力的な激しい爆発にいたること」を指していた。 近年では、セクハラや性的暴行の被害体験を告白する#MeToo運動、トランプ大統領の女性蔑視的な問題発言、男性の自殺率の高さ、銃乱射事件の容疑者に圧倒的に男性が多いことなどへの注目が集まったことを背景に、より広範に及ぶ「男性性のネガ
私たちはカロリーの45%以上を穀物から摂取している。FAO(国連食糧農業機関)によると、2018年〜2019年で1番多く生産された穀物はトウモロコシ(約11億トン)で、2番目が小麦(約7.3億トン)、3番目が精米(約5億トン)とつづく。穀物市場は規模が大きく、たとえば1万年以上もの歴史を持つ小麦は、やはり市場での存在感も大きい。 その中、わずか20年ほど前に誕生し、耕作中の土地が500ヘクタールにも満たないKernza(カーンザ)が、自然環境を守り、農業に革命を起こす穀物として注目されているのをご存知だろうか。アメリカではすでにカーンザを使ったパスタ、ピザ、パンを食べることができ、2019年4月には、同国の大手食品会社であるゼネラル・ミルズがカーンザを使ったシリアルを売り出した。 なぜカーンザが環境に優しい穀物だと言われるのか。ひとつめの理由として、1年で枯れてしまう一般的な小麦と違い、カ
修理する権利とは? 修理する権利(Right to repair)とは、パソコンやスマートフォン、自動車など、買った製品をメーカーに通さず、消費者自身で修理できるようにすることを意味する。 従来のビジネスでは、メーカー側が製品の修理を独占、あるいは限定された修理業者を指定し、そのほかのメーカー(業者)のパーツの入り込む隙間を与えることはなかった。競争相手がおらず、修理費用も自由に決められるため、「修理するより買った方が安い」ことが頻発し、多くの廃棄を生み出している。 国連グローバル電子廃棄物統計パートナーシップの報告「The Global E-waste Monitor 2020」によれば、2019年には全世界で5,360万トンの電子廃棄物(E-waste)が発生し、2030年までには7,470万トンに増加すると予測されている。しかし、これらの廃棄物のうち約17.4%しか回収・リサイクルさ
2020年10月10日、横浜の象の鼻テラスによって「FUTURESCAPE SUMMIT vol.1」が開催された。横浜市は現在、新型コロナウイルスとの共存や、世界共通の目標となっているSDGsの達成に貢献することを目指した社会実験や教育普及事業の取り組みが行われている。 2019年から始まった本イベントでは、横浜での取り組みが発信されるとともに、公共空間を創造的に活用する世界各都市の経験と知見が交換されている。今年イベントに参加したのは、イギリス・リーズと香港からのゲスト。国内外からの流入人口も大きく、国際的に大きな注目を集めるリーズ・香港・横浜の公共空間は、コロナ禍でどのようにデザインされているのか。各都市の様子をレポートしていく。 なぜコロナ禍に公共空間を考える? 近年、大都市では公共空間の民有化や商業化が頻繁に行われるようになり、一部の人々や企業に土地が占有されることで、人々の生活
FemTechとは FemTech(フェムテック)とは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語。女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる商品(製品)やサービスのことを指す。 たとえば、海外のスタートアップでは生理痛の改善や月経周期の予測、妊娠中のQOL向上、不妊対策、更年期障害の改善、セクシャルヘルス(セックストイなど)、女性特有の病気などのケアが取り組まれている。日本でも生理予測・妊娠サポートをするアプリ「ルナルナ」は、実はフェムテックに当てはまるものだ。一方、デジタルなテクノロジーではない製品は「フェムケア」と呼ばれる。 アメリカのリサーチファームFrost&Sullivanの2018年の調査によると、Femtechは2025年までに5兆円規模の市場になると予測されており、いま注目の分野である。 なぜ?Femtechの盛り上がりの理由 フェ
「男の子なんだからしっかりしなさい」「そんなこと言って、男らしくないな」……そんな言動に違和感を覚えたことはないでしょうか?男らしさと女らしさ、いつの間にか与えられていた社会的役割。それぞれの性は、歴史背景、教育、メディア、社会環境など、さまざまなものによって育まれてきています。 今回とくに「男性性」を理解する機会として、IDEAS FOR GOODは学びのコミュニティACT SDGsとの共同イベント『私たちみんなにかかわる “男性性” のはなし。成り立ちとそこにある問題とは?』を9月25日(金)夜にオンライン開催しました。 ゲストは男性学を専門に研究されている、関西大学の多賀太(たが ふとし)先生。「男性性」の成り立ちを紐解くところから現在のジェンダー問題について考え、社会に広がる「男らしさ」は、一体どうやってできたのか、私たちの生活の中でどのような影響を及ぼしているのか、参加者の皆さん
ナッジとは? ナッジとは、行動科学の知見から、望ましい行動をとれるよう人を後押しするアプローチのこと。多額の経済的インセンティブや罰則といった手段を用いるのではなく、「人が意思決定する際の環境をデザインすることで、自発的な行動変容を促す」のが特徴だ。 2017年、シカゴ大学のリチャード・セイラー教授がノーベル経済学賞を受賞したことがきっかけでナッジは大きな注目を集めることとなった。英語でナッジ(nudge)は「ひじで小突く」「そっと押して動かす」の意味。行動変容をそっと促すナッジは、しばしば母ゾウが子ゾウを鼻でやさしく押し動かすようすに例えられる。 もっとも有名なナッジの事例は1999年、アムステルダム・スキポール空港の小便器の「ハエ」のナッジだ。公共トイレを清潔に保つために、ハエの絵を小便器の底に貼り付けたことで、利用者の飛沫を80%減らした。制約措置だけでは不十分と考えられていた課
2050年までに、海洋プラスチックの重量は海中にいる魚の重量を上回る可能性がある。2016年1月、エレン・マッカーサー財団は世界中の経済界のリーダーらが集うダボス会議の場でそんな衝撃的なレポートを発表した。 現在、海洋に廃棄されるプラスチックごみの量は少なく見積もっても年間800万トンあり、1分間にごみ収集車1台分のプラスチックごみが海に廃棄され続けている計算になるとして、世界中に早急な対策の必要性を訴えたのだ。 海面がプラスチックごみで埋め尽くされた状態は「プラスチック・スープ」と呼ばれ、海面の悲惨な現状を映し出した衝撃的な写真も世界中で数多く撮影されている。 海洋プラスチックごみの問題を解決するためには、すでに流出してしまったゴミを回収するという取り組みと、そもそもプラスチックがこれ以上自然界に流出しないように、人々の意識と行動の変化を促すという二つのアプローチのいずれもが欠かせない。
新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活を急激に変えていった。感染拡大を防ぐため、都市部では「ステイホーム」期間が長引き、多くの人が自宅でいかに快適で楽しく過ごすかを模索したことだろう。しかし、そろそろ海外旅行に出たい。なかには夏の旅行や、留学、海外での仕事の予定をキャンセルせざるを得なかった、という人もいるのではないか。 そんなすべての人のために、本記事では、自宅にいながら美術館や遺跡巡りなどが楽しめる世界のバーチャルツアーをご紹介しよう。世界の名所の多くが、いまオンラインで無料観光できるのだ。 世界のバーチャル・オンラインツアー ヨーロッパ地域 フランス・ルーブル美術館の芸術鑑賞ツアー 世界で最も有名な美術館の一つ、ルーブル美術館が提供する館内バーチャルツアー。美術館の中を自分で操作して進みながら、古代エジプトの美術品や、ルーブル美術館の堀の遺跡、ギャラリーアポロンなどを鑑賞することが
SOGI(ソジ)とは? SOGIとは、Sexual Orientation and Gender Identityの頭文字のことで、性的指向(好きになる性)/性自認(自分の心の性)のことをいう。 この言葉は「国や雇用者は、相手の属性(SOGI)にかかわらず、平等に扱わねばならない」という文脈で使われることが多い。2006年のジョグジャカルタ宣言以降、国連機関で広く用いられており、性的マイノリティだけではなくすべての人に関わる言葉だ。 LGBTとの違いは? SOGIはよくLGBTと混同され、性的マイノリティの人を指すものかと思われがちだが、SOGIは「どんな性別を好きになるのか」「自分自身をどういう性だと認識しているのか」という言葉なので、体と心の性が一致しており異性が好き、という人も含めてすべての人が持っているものである。 「LGBT」という言い方には、性的指向のマイノリティに関わる言葉(
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『IDEAS FOR GOOD - 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く