ほとんど報道されないが、今、農業をする上での困った事態が起こっている。 簡単にいうと、ある種の農地が借りられなくなるのである。 これは今のところ誰も声を挙げていない大変な問題だと思うので解説したい。 さて、農家は自分の土地で作物を育てていると思っている人もいるかもしれない。「農家になるには農地を買わないと」と思っている新規就農者希望者も少なくない。だがそれは誤解で、多くの農家は農地を借りて農業をしている。少なくとも私の住む大浦町では農地を借りて農業をしている人の方が多数派だ。 それは、現代の農業は、もはや「先祖伝来の土地を守っていく」というようなものではないからだ。農業も、他の事業と同じだと思ったらよい。飲食店がテナントを借りるのが普通なのと理由は一緒なのだ。だから、農地の貸し借りがスムーズにできることは、現代の農業においてはきわめて重要である。 全国的にも、土地の貸し借りを通じて大規模農