海洋都市イシュワルド。温暖な気候を持つ世界有数の大都市である。 ここは、そんなイシュワルドのほぼ中央に位置するレミュオール地区にたたずむ小さな一軒家。 そこで暮らす女性は、街でも評判の『怪しい女性』ティコと、その弟子ルヴェル。 今日もいつもと同じイシュワルドの一日が始まるのかと思っていたある日のこと、 ルヴェルは自分の「へそくり」が消えていることに気づきます。 わがままで金使いの粗いティコと同居する身として、勝手に人の金を使われまい、と思い 自室の本棚に隠しておいた、なけなしのへそくり10000£が忽然と姿を消していたのです。 貧相な家に入る泥棒もいない。思い当たるフシは一つしかありませんでした。同居人のティコです。 すぐさま、そのことをティコに問い詰めましたが、弟子という立場もあり (弟子にはなりたくなかったのですが、勝手に弟子にさせられたのです) 師匠に逆らえないルヴェルは、ただただ枕