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体力トレーニング
jigyou.yomiuri.co.jp
私は重度自閉症である。いつも叫び出したい衝動を感じている。でも叫ばない。叫んではいけないと学んだからだ。この作文で私から見える世界を、みんなに共有したい。 小学校は支援級に在籍していたが、現在は中高一貫で少人数制の私立中学に通っている。4歳の時に注意欠陥多動優勢の自閉症スペクトラムと診断を受けた。小学6年生の時に身長が止まり、成長ホルモンを毎日注射している。身長は146センチで、15歳男子平均より20センチ以上低い。 家族とファミリーレストランに行くと、店員が「子供椅子はいりますか」と笑顔で聞く。耐える私に、今度はキッズメニューを差し出してくる。見た目で判断しないでください。そう伝えたいけれど、見た目で子供なのだから、店員を責められない。やりどころの無い怒りを抱えて私は黙る。 私は授業中によそ見をしてしまう。宿題のお知らせを聞き逃し、やってこない。不真面目で意欲を持っていないと評価される。
「一人の一途な若者の生涯」 宮寺 良平(63)兵庫県 ある若者の葬儀の弔辞を読んだ。「君は苦しさに慣れてしまったと言っていたけど、ここ数年は激しい頭痛、息をすることも苦しく、眠りのなかでさえ安らぎもなく、生きている意味を問いかけていました。こんなに苦しんで生きなくてはいけないのかと。今は安らかにお眠りください、もし天国、あるいは浄土があったら、再び君と会いたい。君に会えたことで私の人生は大きく変わった」と結んだ。 彼はT君で、18年前に障害の重さを理由に普通高校への入学を拒まれ、不合格取り消しの訴訟を起こし、日本中のニュースとなった人物である。私は彼の高校時代の担任であった。40年の筋ジストロフィーとの闘病の最後に、介護してきた両親へ残した言葉は、「僕がいたためにできなかったことを全部してからこちらに来て」だった。 亡くなる1か月前に、彼に話した。「人生の意味が何か、よく考えたらわからない
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