概要 関内文庫は、藍嘉比沙耶(アオカビ サヤ)と杉本憲相(スギモト ケンスケ)の2人展「メディウムとしてのアニメ」を開催する。 ここ20年ほどの日本の現代美術は、アニメのビジュアル表現に強い影響を受け、アメリカやヨーロッパのポップアートとは異なる独自のコンセプトを提示し続けてきた。 じつのところ、それらの作品はアニメ絵の単純なコピーではない。空間芸術である美術が時間芸術であるアニメをコピーすることは原理的に不可能だからだ。 アニメの1コマ1コマは人の手で描かれた絵だが、その絵はあくまでも動きや物語の流れを表現する映像作品のパーツにすぎない。そのパーツによって構成されたアニメの映像は光学的なイメージであって、モノとしての手触りや質感、大きさや重量を持たない。いっぽう、絵画や彫刻は動かない。しかも、それらの作品は光ではなく、空間に展示された物体である。だから、アニメの要素をアートに引用すること