改めて見返すと、意外と作画の力というものに気付かされるのが『逆襲のシャア』だ。 一概には言えないが基本的に富野作品は作画で押し切るという演出論で作られていないため、毎回映像面には期待しないものなのだが、この作品ではとにかく戦闘シーンの連続である。 それがきちんと本筋とリンクし、ドラマと共に進行していく筋立てになっているのだから見事なものだと思う。 戦闘描写を物語と別個のものとして扱いがちな通常のロボットアニメとは一線を画している。 これならメカニックにあまり興味が行かない人間でも飽きることなく最後まで見続けられるのではないだろうか。 作品の構造としては、一連の戦争劇に、本作のトラブルメーカーであるクェス・パラヤの一挙手一投足が影響していくことで混沌化し、それぞれのキャラクターが悲惨な結末に向かっていく、大まかにはそう解釈していいと思う。 話の流れとしては至って淡々と進んでいくので、純粋にキ