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買ってよかったもの
kogo.hatenablog.com
結局のところ、何のためにノートを取るのだろうか。 ひとつは、聞いたことや話し合ったことのメモだ。ふたつ目は、作業の途中のプロセスをメモに残しておき、それを次のステップの土台とする場合。 いずれにしても、ノートはそれが読まれた回数に比例して意味がある。ノートを取ったとしても、一度も読み返されないとしたら、それは意味がない。意味があるとしても、たかだか、話を聞いているときにメモを取ることで、何もしないよりも集中して話を聞くことができる程度のことだ。ノートは読み返され、それに何らかのアイデアを付け加えて、新しい表現物にすることによって活かされる。 ノートを取るとすぐに分類しようと考える。わたしもノートを切り取ってファイルフォルダに分類していた。しかし、それでは読み返すことにならない。分類することで安心してしまうからだ。分類されたノートも、安住の地をフォルダに見つけて、そこで永い眠りにつくことにな
国語教育は言語技術教育である (宇佐美寛・問題意識集) 作者: 宇佐美寛出版社/メーカー: 明治図書出版発売日: 2001/11メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る 研究し文章を書くのは、それが他者の主張とは異なるからである。他者の理論と同じことなら、なぜ活字にしてひとに読ませる必要があるのか。 このような序をもって出版されている『宇佐美寛・問題意識集』の一冊。 技術を学ぶことを学習の目的にする。そうすると、目的は他には無いことになる。目的は技術の中に吸収される。……技術を学ぶこと自体を目的にすれば、個人はそれ以外の目的を学校から押しつけられずにすむ。目的を選ぶのは個人の自由になる。 学校は、個人が技術を学習するのを助ける。その技術を何の目的に使うかは個人が自分で決める。これが自由な社会のあり方である。言語技術教育は、個人が自分で思想を持つ自由を保障す
「おもしろい」のゲームデザイン ―楽しいゲームを作る理論 作者: Raph Koster,酒井皇治出版社/メーカー: オライリージャパン発売日: 2005/12/17メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 25人 クリック: 383回この商品を含むブログ (60件) を見る 良いゲームとは「プレイヤーがやめようとする前に、与えなければならないものはすべて教えてしまえるゲーム」と定義できます。 つまるところ、これこそが、ゲームとは何かの答えになります。つまり先生(教える人)です。おもしろさとは単に、学ぶことの別名なのです。 「おもしろさとは学習すべき目標についてのパターンを吸収するとき、脳が与えてくれるフィードバック」と著者は定義します。おもしろさを感じるときには何らかの学習が起こっているし、学習しているときにはおもしろいと感じている。もちろんつまらない勉強や授業もあるわけですが、そのとき
研究計画書デザイン―大学院入試から修士論文完成まで 作者: 細川英雄出版社/メーカー: 東京図書発売日: 2006/02メディア: 単行本購入: 12人 クリック: 227回この商品を含むブログ (22件) を見る 早稲田大学大学院日本語教育研究科の細川英雄先生より献本いただきました。ありがとうございます。 この本は、まず大学院に入るために必要な研究計画書が書けるようになることをターゲットにしています。「大学院に入ろうとする人ならば、研究計画書は書けて当たり前なのでは?」と思う人もいるかもしれません。最近は、社会人や現場で働いている人が大学院を目指すケースが増えていますし、学部を持たない専門職大学院も続々と開設されていて、学部からストレートに大学院に来るというケースばかりではなくなっています。大学院に入ろうとすると、まず要求されるのが、どういう研究をしたいのかということを説明することです。
記憶力・発想力が驚くほど高まるマインドマップ・ノート術 作者: ウィリアム・リード出版社/メーカー: フォレスト出版発売日: 2005/09/02メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 67回この商品を含むブログ (127件) を見る リードはブザン・ジャパンのディレクターなので、この本もバイブルに近い。内容は『ザ・マインドマップ』(http://d.hatena.ne.jp/kogo/20060108/p1)にほとんどかぶるが、こちらの方が整理されていて読みやすい。 最後の特別対談「世界一のマインドマッパーに聴く!」は示唆に富む。 パソコンソフトに頼りすぎることを戒めて、 ソフトウェアというのは学習する生き物でなくてはいけないと思います。こちらが使うことによってさらに頭が良くなるような生き物であるべきです。 でも、今のソフトは使えば使うだけどんどん頭を悪くしてしまいます。自分のソフト
大学の授業 作者: 宇佐美寛出版社/メーカー: 東信堂発売日: 1999/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 3回この商品を含むブログ (6件) を見る 私は学生に言う。「勉強しに来たのは私ではない。君たちだ。私は楽をして君たちが緊張し勉強しているという状態がいい。私がはりきって、客をひきつける講釈師になるという努力をするつもりは毛頭無い。私はあまりしゃべりたくない。私はのんびりして君たちが勉強するという状態になればなるほど授業は要らなくなる。授業などしない方がいいのだ。授業が無くても自分で勉強するという状態の方が、学生は自立していて幸福なのだ。授業をするのは、授業を不要にするためだ。授業を受けることによって、授業に頼らず学ぶ力を育てるのだ。」 私は、講義をする気が無い。学生を相手に長時間話すなどしたくないし、してもいない。 1999年の出版なのに、今までこの本に気がつかなかっ
教育学入門 上 (講談社学術文庫 27) 作者: 村井実出版社/メーカー: 講談社発売日: 1976/06メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る教育学入門 下 (講談社学術文庫 28) 作者: 村井実出版社/メーカー: 講談社発売日: 1976/06メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る 同著者の『新・教育学のすすめ』(http://d.hatena.ne.jp/kogo/20050718)がおもしろかったので、この本にさかのぼりましたが、この本は現在絶版のようです。 村井先生は、教育学を「教育問題の科学」と定義します。まず、教育実践があって、そこから生ずるさまざまな教育問題を対象とした科学だということです。一般的には、教育学は教育実践に対するなんらかの指令的理論を提供すると考えられているので、これとは逆です。したがって、この定義による教育
科学哲学の冒険―サイエンスの目的と方法をさぐる (NHKブックス) 作者: 戸田山和久出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2005/01メディア: 単行本購入: 20人 クリック: 134回この商品を含むブログ (132件) を見る 独立性テーゼ:人間の認識とは独立に世界の存在と秩序を認める 知識テーゼ:人間が科学によってその秩序について知りうる 独立性テーゼYes、知識テーゼYesなのが、科学的実在論。独立性テーゼYes、知識テーゼNoなのが、反実在論。そもそも独立性テーゼNoなのが観念論、現代の社会構成主義。で、著者の戸田山さんは、科学的実在論を擁護する。あれれ?そうだったのか。2004年の日本心理学会のシンポジウムで、私はこんなメモを書いていた。 「臨床の知・統計の知・教育の知」というシンポジウムを聞く。指定討論で出てきたのは、戸田山和久さん。あの『論文の教室』の著者。こん
人はなぜ神経症になるのか 作者: アルフレッドアドラー,Alfred Adler,岸見一郎出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2001/03メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 22回この商品を含むブログ (3件) を見る 個人的な優越性を追求すると、それは必ずや人生の課題のうちの一つをバランスを崩した形で拡大します。その場合、個人がいだく成功の理想は、社会的な名声か、事業の成功か、あるいは性的な征服に限られてくるようです。そこで現れてくるのは、闘う嫉妬深い立身出世第一主義者、他のすべての人を犠牲にして自分の利益を広げていこうとする仕事の実力者、さらに、自称ドンファンである恋の不義者です。どの人も人生の調和をかき乱し、多くの必要な要求を満たさないままにし、狭い行動領域においてさらに一層狂気じみた仕方で優越性を追求することで補償しようとします。 アドラー先生自身が、さまざまなケースを取
テレビドラマの「女王の教室」の2回目を見ました。金八先生とは逆のスタイルの独裁的教師が主人公です。研究のためにも金八先生を見なくてはいけないと思うのですが、どうも生理的に受け付けなくて見られないのに対して、このドラマの真矢先生は楽しんで見ることができます。 コミュニケーション論的に見ると、金八先生のいやらしさは、 上位ルール:話し合いで決めろ(と先生である私が決めた) 下位ルール:(私たち生徒は自発的に)話し合いで決めます というラッセル型パラドクスの形になっているから、という解釈ができます。一方、このドラマの真矢先生は「すべてのルールは私が決める」という独裁ですから、少なくともこのいやらしさはありません。
新・教育学のすすめ (小学館創造選書 (22)) 作者: 村井実出版社/メーカー: 小学館発売日: 1978/02メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 教育を支配してきた考え方は次のようだと村井先生は主張します。 A. 手細工モデル=「作る」モデル=「善さ」が子どもの外にあり、それに向かって仕上げていく B. 農耕モデル=「育てる」モデル=「善さ」が子どもの内にあり、それを自然に育てる C. 生産モデル=手細工モデルの近代化=大規模化・学校化 学校以降の教育者たちは、農耕モデルと生産モデルのジレンマを解消しようとして「子どもは善さへの可能性を持っている。それを引き出すのが教育だ」という考え方を生んだといいます。そして、これは「ペテン」である、と。つまりこれは「子供たちが自発的であるかのように振る舞う」指導だから、というわけです。 では、村井先生が描く理想的なモデルとは何
これが驚異のマインド・マップ放射思考だ!!―これで他人を決定的に引き離すことができる 作者: トニーブザン,Tony Buzan,田中孝顕出版社/メーカー: 騎虎書房発売日: 1995/12メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る この本のタイトルと、表紙に載せられたカラフルな(そしてちょっと不気味な)マインドマップ群を見ただけで、「トンデモ本か?」と思うかも知れませんが、中身は意外とまともです。そういう意味からもブザン先生はずいぶん日本で損をしているような気がします。 6/14の日記(http://d.hatena.ne.jp/kogo/20050614)で『図解・マインドマップノート術』を取り上げたときに、「なぜノードは、単語でなければならないのか」という疑問を書きましたが、この本に説明がありました。概略次のようです。 ある出来事をメモに残そうとすると
一部の人に好評といわれている、画期的なプレゼン手法である「高橋メソッド」(http://www.rubycolor.org/takahashi/)については、このサイトを見て予備知識はあったのだけれども、きょうのゼミで、3年生の一人が実際に高橋メソッドでプレゼンするのを見てしまったのです。 笑える。実に笑える。 しかも、わかりやすい。わかりやすいことはプレゼンの基本。 しかし、欠点は、話を聞き終えた後、プレゼン内容の記憶が何も残っていないということです。 お笑いで「紙芝居系」の芸がありますね。鉄拳とか、昔のいつもここからとか。ああいう笑いに近いかな、などと思いました。
計算機統計学会(http://www.jscs.or.jp/)の大会の話題提供の1人として招待されて、お話をしてきました。自分のなかでは一区切りついているテーマなのですが、WebベースのPSIによる統計学入門授業の紹介をしました。毛色の変わった話題提供者だったらしく、フロアからいくつかの質問をいただいたので、良かったです。 他の話題提供者からの話を聴いて、いろいろ勉強になりました。たとえば、今の小学校では6年生で「平均」が出てくるだけなのですが、昔は小学校の段階で、グラフの読み取りなどいろいろなことが教えられていたのです。平成元年までは「ちらばり」(分散)の概念も小学校で扱われていたのですが、今では、平均だけです。時間とカリキュラムの削減によってここまで減ってしまったのですが、アメリカやヨーロッパでは日本とは逆に、初等教育でデータを読みとるためのリテラシー教育が比重を増しているとのことです
2024年4月8日(月) 授業開始は4月12日(金)なので、授業の準備を始める。修士課程の「インストラクショナルデザイン特論」は55人が登録。例年よりもかなり多い。通学生の「生涯学習と成人教育学」は154人。これも教室フル。eスクールの「スタディスキル」は142人、「データリテラシー1」は150人。これは例年通り。 最後の授業なのでがんばることにしよう。 *** 「独眼竜政宗」は第6話まで。まだ幼少期(梵天丸)から青年期前までなので渡辺謙は出てこないがすでに面白い。田村家から来た正室愛姫(めごひめ)の役者が思い出せなかったが、後藤久美子であった。 2024年4月7日(日) 小田原城に行ってきた。「武田信玄」で北条氏康(杉良太郎)が興味深い人だったというのもある。 小田原へは東京駅から東海道線で行くか、または新宿駅から小田急ロマンスカーで行くかという選択肢がある。今回は西武新宿駅から小田急新
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