『ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する』(スティーヴン・レヴィット,スティーヴン・ダブナー著)より、 イスラエルのある保育園では、親が子を午後4時には迎えに来なければいけないのに、遅刻が週平均で8件起きていた。 ある経済学者の考えで、遅刻すると子供一人につき3ドルの罰金を課すことにした。 その結果は予想を裏切り、遅刻は増え、週平均20件になった。 問題は罰金が安すぎることにもあるが、それ以上に「3ドル払えば遅刻してもいい」、という免罪符を親達に与えてしまったことが最大の原因である。 インセンティブには、道徳的インセンティブ(悪いことをしたくない)、社会的インセンティブ(悪いことをする奴だと思われたくない)、経済的インセンティブ(損したくない)があるが、このケースでは道徳的インセンティブを経済的インセンティブに置き換えてしまったということだ。