「ウワーッ! 仏壇から内蔵が!」 僕が仏壇を開けると、中から新鮮な内蔵がモリモリこぼれ落ちてきた。腸やら腎臓やら、ちょっと名前のわからない臓器やら、とにかく内蔵がワンセット出てきた。胆のうはお供えのバナナの上に落ちたし、腸は数珠やロウソクをひっかけながらべちゃべちゃとほぐれて広がった。 「だめじゃない! おばあちゃんの内蔵をこんなに散らかして!」 お母さんはかん高い声をあげながら駆け寄ってきて、散らばった内蔵を拾い集めた。仏壇の中には小さな仏像があって、体液でヌルヌル光っている。 「片づけるの大変なんだから」 お母さんは手にした腸を、その菩薩像に巻き付けるようにして、器用に盛りつけていく。次に肺を乗せ、肝臓と心臓を隙間に押し込む。大きな臓器からしまっていくのがコツだ。僕も手伝わされる。 「どっちが右の腎臓かわかんなくなっちゃったよ」 「そんなのどっちでもいいでしょ」 お母