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パリ五輪
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『言語のレシピ』を読んでいて,本筋ではないのだが,エスキモー(イヌイット)は雪を表す単語を大量に持っているという話は”神話”であるというくだりにぶつかって軽い衝撃を受けた。 実際には,エスキモー族が雪をあらわすのに用いる単語は,普通のスキーヤーよりも少ない。 (ベイカー『言語のレシピ』岩波現代文庫 p. 172) 30以上の単語があるというのは,ウォーフがボアズの指摘を誤った形で紹介したことによって広まった話らしい。 この”神話”が生まれる過程を詳しく調べたマーティンによれば,ウォーフはエスキモーの語彙には雪を表すのに5つの単語があることを示唆するような書き方をしているとのこと(ボアズが具体的に挙げているのは4語だが,うち1つは他の語の変化形と考えるのがよいらしく,3語とすることが多いようだ)。 実際,ウォーフの「科学と言語学」をみてみると(翻訳だけど),以下のように述べられている。 われ
前田英樹「時枝誠記の言語学」『深さ,記号』(書肆山田,2010年)所収 本書は前田英樹があちこちの雑誌等に書いた文章を集めた雑文集とでもいったところ。 いちおう,絵画論とか言語論といったテーマにまとめて配置してあるものの,様々な雑多な内容からなっている。 それでも,ソシュールやベルクソンの名前があちこちの文章に散見されるところに,著者のこのテーマに対する一貫した姿勢が感じられる。 ---------------------------------------------------------------------- この「時枝誠記の言語学」は,もともと岩波文庫に入った時枝誠記『国語学原論』の解説文なのだが,けっこうな分量で,時枝言語学のしっかりとした再評価になっている。 しかし,こんなニュートラルでない文章を解説に付けていいのか,岩波書店。 (面白いから私は大喜びなのだが。) 話は日本
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