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機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた実験で脳の活動を測定した結果、第二言語としての英語の獲得には、学習の開始時期よりも、英語に触れる年数のほうが重要であることが明らかにされた。その研究の具体的な内容と、期待される今後の可能性を紹介する。 1964年生まれ。92年、東京大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。ハーバード大学医学部リサーチフェローなどを経て、現在は東京大学大学院総合文化研究科准教授。専門は言語脳科学。 実験対象者は、「文法課題」「スペリング課題」の画像を映し出すゴーグルをつけて中に入る。 機能的磁気共鳴画像法(fMRI)は、脳内の神経活動にともなう血流の変化を測定し、画像化する方法である。これを使うと、実験対象者をまったく傷つけることなく、外部から脳活動を観察することができる。 酒井邦嘉・東京大学大学院総合文化研究科准教授の研究チームは、fMRIを用いた実験を行い、外国
東京大学 大学院総合文化研究科 相関基礎科学系酒井研のご案内
脳は文法を知っている 脳には言語の文法判断に特化して働く中枢があるという。それを実験でつきとめた酒井邦嘉さんという研究者(東京大学助教授)を、仕事で取材させてもらった。酒井さんは、チョムスキーが唱えた「普遍文法」の発想に立脚し、人間の脳は言語の基盤を生まれつき備えていると明快に述べる。今回の取材を通してこのテーマをめぐる私の考えも少し固まってきた。そのあたりをまとめてみた。 ●言語がすぐにしっかり身につく謎 幼児は驚くほどスピーディーかつスムーズに言語を覚えていく。考えてみれば不思議ではないだろうか。言語という複雑な仕組みを、まだ知能の高まっていない段階で、しかもそれほど多くの正しい文例に触れるわけでもないのに、完全に身につけてしまうのだから。 やはり、言語を聞きわけ自らも話すための基盤を赤ちゃんは持って生まれてくると考えざるをえない。いや、だったら人間の能力なんてすべて生まれつきの身体が
言語は、脳におけるもっとも高次の情報処理システムである。われわれが母語を用いて発話したり、他者の発話を理解したりするときには、「普遍文法」に基づく言語情報処理を、無意識のレベルでおこなっていると考えられる。言語学では、この普遍文法の候補として、さまざまな言語のデータを普遍的に説明することができる理論が提出されてきた。しかしながら、これらの理論が、脳の認知機能の一部として支持され得るかどうかは、まだよくわかっていない。普遍文法の計算原理が、実際に脳のどのようなシステムによって実現されているか、という問題を解き明かしていきたい。 顕微鏡の発明が細胞生物学を生みだし、遺伝子工学の技術が分子生物学の発展をもたらしたように、無侵襲的に脳機能を計測する技術こそが、認知脳科学の発展の鍵である。機能的磁気共鳴映像法(fMRI)は、現在もっとも有力な脳機能イメージングの技術であり、放射性物質を使わないので、
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