「農業」と「儲かる」は相反するテーマではないかと思う人もいるだろうが、嶋崎社長は「普通の企業のように経営を行なえば十分利益が出る」と言う。 実際、同社は2000年の設立以降、初年度を除き、ずっと単年度黒字を続け、昨年度の売上は12億円に達した。 正社員は35名で、その半数が大卒。3年目以上の社員には年俸350万〜650万円が支払われるが、農業経営を身につけたあと、独立するよう促される。農作業を行なうアルバイト55名は50〜70歳の地元住民で、1人当たり年間100万円程度の収入を得る。農作業に人件費の安い外国人労働者を活用する農家は多いが、同社では一切、採用していない。 同社の正社員には、農家出身者がいない。素人集団から出発した農業生産法人である。嶋崎社長自身が、菓子メーカーの営業マンだった。自社生産の他、農家と契約して栽培を委託している。管理する農地は契約農家の土地を含め約30万坪。そこで