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夏の料理
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(1)はじめに 宮崎一雨は、大正初めから昭和初めにかけて、非常に人気のあった大衆的児童文学の書き手である。この時期、国家主義を基調とした冒険的要素の強い読物を〈熱血小説〉と銘うつことが流行したが、この呼称は一雨の発案によるものとされている。「熱血小説の宮崎先生か、宮崎先生の熱血小説か」(「少年倶楽部」1924年4月)と言われたほど、一時代を画した人気作家であった。 代表作とされる「熱血:小説|日米未来戦」は、「少年倶楽部」の1922年1月から翌年2月にかけて連載された。連載中から人気を集め、単行本『日米未来戦』(1923年8月25日 大日本雄弁会)が刊行されるや、たちまちベストセラーとなっている。そして、この作品が日米間の近未来戦争を描いているため、従来から一雨はSF作家としての側面が評価されてきた。しかし、一雨の少年少女むけ作品は、主要な発表雑誌だけでも「飛行少年」「少年倶楽部」「少女倶
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(1)はじめに 大正期は、小川未明や秋田雨雀などが平和主義に立脚した童話を書き始める時期である。その一方で、日米未来戦を素材とした空想小説がしきりに書かれるようになる時期でもあった。しかし、後者についてこれを系統だてて論究することは、従来、ほとんどなかったように思う。 日米未来戦記について論じた文献中では、成人むけと子どもむけの作品が別々に取りあげられる傾向にある。例えば、宮崎一雨は子どもむけ日米未来戦記の最も重要な書き手の一人である。だが、『黒船の世紀』(猪瀬直樹 一九九三年六月二〇日 小学館)では名前すら紹介されない。子どもむけの読物については、明治期の押川春浪から昭和期の平田晋策あたりまでが空白になっている。逆に、『少年小説の系譜』(二上洋一 一九七八年二月二五日 幻影城)では、成人むけの読物との関連について触れられていない。 本稿では、大正期における日米未来戦を素材とした空想小説の
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