ミニマルな音楽が好きです。ミニマルというのは「最小限の」くらいの意味で、そのままミニマル・ミュージックと呼ばれるジャンルもあります。しかし、それ以外の文脈でも、音楽についての文章で「ミニマル」という言葉を目にすることがあります。コードやメロディ、リズムの展開に乏しかったり、極端に切り詰めた楽曲の形式をしていたり、音の数が少なかったり、そういった音楽に対して、わたしたちはしばしば「ミニマルな」という形容を使います。この文章では「ミニマルな音楽」とはどういうものか、どんな特徴があるのか、具体例を引きつつ、ざっくりと整理していきます。これを読むことで、音楽についての文章で「ミニマルな」とか出てきてもあまり身構えずに済むようになる、といいな。 「ミニマルな音楽」はどのへんがミニマルか? ミニマル・ミュージックの代表的な作曲家、スティーブ・ライヒの『Music For 18 Musicians』は、