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中野剛志20210222講演 「プラグマティズムとMMT」 でははじめます。 近年主流派マクロ経済分析にかわるマクロ経済分析が発展し、おおきな論争をまきおこしています。その争点のほとんどが、貨幣の起源、税の役割、財政金融政策、あるいは就業保証プログラムのようなMMTが提案する処方箋についてです。 しかし、メタ理論レベル、すなわちMMTの哲学的基礎をめぐる論争というのはきわめてまれです。それはおそらく最近の経済学者は経済理論の哲学的側面にはほとんど興味を示さないという事情と関係しているのでしょう。 主流派経済学では数学的、演繹的モデルに依拠するのが当然とされていますが、その数学的、演繹的方法の存在論的な前提条件の一つは原子論、あるいは個人主義、すなわち社会は孤立した原子論的な行動主体によって構成されているという見解です。 他方でMMTがどのような哲学的基礎のうえに成り立っているのかははっきり
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