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買ってよかったもの
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『 DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』をとうとう買った。 21600円という価格はさすがに痛い。古書が出回るのをジリジリしながら待っていたのだが、一向にその気配がない。発売されて2カ月以上たち、もう待つわけにはいかなかった。なにしろ、診断・分類体系の事実上の国際基準なのだ。 今のところ、購入しているのは専門家ぐらいだろう。そして、その専門家が時折「 19年ぶりの大改定で自閉症概念はこう変わった」と発言しているのを耳にした。大御所たちの発言は多分嘘だろうと思っていたが、実際にDSM-5 の「自閉症スペクトラム」の項目を読んで、大御所たちの発言全てに目を通した訳ではないが、僕が耳にしたものに関しては「恥を知れ」と言いたくなる真っ赤な嘘が多かった。 何が嘘なのか。それは、 「アメリカ精神医学会が自閉症概念を厳密なものに限定しようとしている」と言うきわめて基本的な事をはっきりと伝えていな
臨床心理士として、いい精神科医、やばい精神科医を結構見てきた 僕は臨床心理士だが、精神科病院に10年近く勤めたので、その間、様々な良い医者・悪い医者に会った。精神科ほど、医者によって腕の差が出る診療科はないだろう。そこで、 「これだけは避けた方がよい精神科医」のタイプをいくつか挙げる。 1 、不思議な話が大好きでほじくり返してはもっともらしい解釈をする精神科医 精神疾患の現象のなかには、確かに不思議なものも多い。だが、もしあなたが不思議な話をして、精神科医が耳をそばだててきたのなら、用心した方が良い。 まず、統合失調症系統の病気の場合、発病時の体験は確かに不思議なものが多い。だが、それをクライアントに話させる事は、その時(発病時)の心境に近づけかねない危険なことである(中井久夫による) 。 解離性障害と呼ばれるものも、精神科領域のミステリーゾーンであるが、これについても精神科医がはなさせよ
カウンセリングは何の役にも立たなかった 私の精神が持ちこたえたのは、高校一年二学期までだった。三学期になると、中学三年生の時のような腹部の不快感がひどくなってきた。中学の時は、まだ学校に行かなければならないという気持ちが強かった。ところが、その気持ちが起こらない。学校に行く目的がないのだから。目標が見えなくなったことは、私の気力を崩壊させた。 母親から怒鳴られても、私は学校に行けない日は丸一日家に閉じこもり、憂鬱な感情に押しつぶされそうになっていた。学校に行っても、途中で早退した。疲労困憊して机の前に座っていることもできなくなったのだ。今までの人生の疲労が一挙にきたのだろうか? とうとう1ヵ月近く、全く登校できなかった。その頃、不登校は精神の病気とされており、家族に県立精神医療センターに連れて行かれた。 矢幡洋・著『病み上がりの夜空に』 【第3回】妻の章―亜空間(その3)---私が、治療者
どうしても真に受けられない解離障害 自分の中の迷いを述べるだけで、結論は無い。 僕は、 「解離障害」と言うものに対してずっと懐疑的だった。これはもう論外だが、解離障害の中に昔は「多重人格」なんてのが堂々と載っていて、批判の的になっていた。そんな胡散臭いものには力なので安全。実際、僕が信頼していた精神科医には「解離障害」なんて、いう話が好きな人間はいなかったし。 ある統合失調症者の話 それと、僕にとっては、最も痛切な体験。僕が1番よく知っている長年入退院を繰り返している今はもう老人と言って良い年齢の女性である。この人は、 「統合失調症」の診断を下してそっち向きの強い薬を処方する精神科医の下ではよくなった。 「ヒステリー」の診断を下して軽い薬しか出さない精神科医のもとで確実に悪くなった。そして後者に限って、そういう診断を口にするとき、得意げな顔をしていた。 「統合失調症とずっと誤診されていたの
この頃の私は家の中で息をひそめ、自分の精神や食欲をコントロールする日々を送っていた。近所の誰にも知られないように、一歩も外に出なかった。達也がバラエティ番組を大きな音で見ているのが気に障り、はさみでテレビの電源コードを切り、親に散々怒鳴られた。 矢幡洋・著『病み上がりの夜空に』 【第3回】妻の章―亜空間(その3)---私が、治療者になる?精神の病だらけの人間に、心理療法などできるだろうか | 立ち読み電子図書館 | 現代ビジネス [講談社] ああ、こりゃ、やっぱり暴力だね。 にらみつけた目をそらすまいと思っていたが、つい下を向いてしまった。そのとき、私の左側にちょうどまな板があった。その上に包丁が載っていた。私は左手でそれをつかんだ。 達也は手を離すと、ぱっと後ろに飛んだ。 私と達也の間に、冷たい金属色で鈍く光るものが屹立していた。 「何すんだよっ。危ねえじゃねえか」 矢幡洋・著『病み上が
父は、また別の精神病院に私を連れて行った。「病院長は有名な人で、本も出しているらしい」と父親は言った。病院長は元気な笑顔の人だった。院長専用の診察室には絵や写真が飾られ、キャンバスが立っていた。 幻聴がないか聞かれた。ない、と答えた。それで院長は、診察の必要を感じなくなったらしい。「ちょっと、雑談してリラックスしてもらおうかな」と言うと、立ち上がり、診察室にかけてあった自分の絵の説明を始めた。 約30分続いた診療は院長の趣味である自作画についてのおしゃべりで費やされた。最後の方は「この病院は、古い体質の病院とは違って、僕が患者さんとカラオケや社交ダンスを一緒にやったりするような新しいタイプの精神病院で・・・・・・」と自分の病院の自慢話に変わった。拒食症のことも亜空間のことも聞かれなかった。 二回目は、院長は最初から私のことを何も聞こうとせず「僕は、子どもの頃から絵の賞をよくもらっていてね・
なかなか信じてもらえないのですが、本当にあったことです 妻の中学時代のセクハラ体験について、 「本当に、こんな学校があったのですか? 」と驚かれる方がいます。 私は、中学校の様子などを話したが、どうしても、今の中学への不満を抑えることができなかった。男性教師がにやつきながら学年全員の女子生徒のスカートの長さを物差しで測ること。友達が道徳の時間に指名されて立ったところ「お前、胸触られるってどういう感じがするのか、言ってみろ」と担任に言われたことなどを。 矢幡洋・著『病み上がりの夜空に』 【第2回】妻の章―亜空間(その2)---死のう。誰にも邪魔されない場所で、静かに消えよう。 | 立ち読み電子図書館 | 現代ビジネス [講談社] (なお、今回、ネット上で立ち読みができるようになっている部分が公開されているのは今日までだそうです) 校内暴力・管理主義教育・・・色々変化したトレンド ええ、実は、
自殺の最も危険な要因とは何だか知っていますか? うつ病・アルコール依存・孤独・喪失体験・高齢・事故を繰り返すこと・ ・ ・自殺の危険性を高める要因は色々とあります。そして、最も自殺の危険因子として大きなものは何でしょうか?それは、過去に自殺未遂の経験があることです。自殺未遂者の十人に1人は、せっかく一命をとりとめたも、のちに自殺によって生涯を終えます。わが国の自殺予防の前者である高橋祥友は、ざっくりと「自殺未遂者が、将来、自殺によって生命を落とす危険は、一般の人の数百倍も高い」と述べています。 僕のそばには自殺未遂者がいる ――死のう。 夜の冬の風がどっと吹き、腫れ上がった頬に吹きつけ、ひりひり痛ませた。地面がぐらぐら揺れた。等間隔に並んだ街灯が、国道をあの世へ続く道のようにぼんやり照らしていた。地べたがアスファルトに変わると、頭がふらふらする感覚はようやく失せた。 ――死のう。 風は激し
スモーリン&ガイナンの『自殺で残された人たち(survivor)のサポートガイド』 (高橋監修、明石書店、 2,007)では、 「 1人の人が自殺したときに、少なめに見ても6名から8名が強い影響を受ける」と述べています。年間2万人の自殺者が居る日本は、 12万から16万人の人が「あとに残された人」となるわけです。 「あとに残された人」のメンタルヘルスはとても大切な問題です。そして、 「あとに残された人」が陥る心理は、社会や文化を超えてほとんど共通したものがあるようです。 1 、大切な人に自殺されたときにあなたに必ず起こるものは罪悪感です 「私は、どうして引き止められなかったのだろうか。私がした事は不十分だったのだろうか。いや、ひょっとするとあの人の自殺は私が原因だったのかもしれない」-亡くなった方が「大切な人」であった場合、このような自責の念はまず避けがたいものです。 親を自殺で失った幼い
解離性障害の前身は19世紀の「ヒステリー」 解離性障害という精神医学の言葉を聞き、 「なんだろう? 」と思われた方がいらっしゃるかもしれません。とりあえず、 「 19世紀に『ヒステリー』と呼ばれていた精神疾患の後継者である」と説明しておきます。 多重人格・記憶喪失・現実感喪失・・・ 解離性障害という大きな括りの中であげられるのは以下のようなものです-「解離性同一性障害」 (いわゆる多重人格) 「解離性健忘」 (苦痛に満ちた出来事の記憶が欠落することです) 「離人感・現実感喪失障害」(自分自身が自分から寄らずしたような感覚や、周囲の世界が突然身近でなくなり本物だと思っ感じられなくなるような現象)などです。 最後のものとしては、私の妻の思春期の体験談から紹介しましょう。自著の紹介の目的を否定するつもりはありませんが、クライアントさんの例を軽々しく出すわけにも行かないのです。 体育の時間だった。
(1)摂食障害の遺伝的要因と心理的要因 摂食障害の遺伝的要因としては,不安障害やうつ病,強迫性障害などの精神疾患が考えられます。 心理的要因として重大なのは「愛着形成」の問題です。 摂食障害の子供は親との絆が健全に発達しなかった子供達がなります。 愛着形成には,親が子供との関係を築きにくい場合もあれば,子供が親に対して関係を築きにくい気質も生得的に持っている場合もあります。そして親も子もどちらも関係を築きにくい気質をもっている場合もあります。 (特定の大人と絆がしっかりして、他の大人に対して人見知りなどをするようになったら、その特定の大人との間に愛着が形成されたと考えます) いずれにしても親子の絆が健全に育たないのです。 愛着の障害は子供のその後の人生に大きな影響を及ぼしていきます。 (2)摂食障害の性格傾向-周りの期待に過剰に応える 摂食障害の人達は「親との甘い絆」を形成出来なかった人達
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