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都知事選
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Jan 30, 2007 ★ 平山洋 『福沢諭吉の真実』の真実 礫川全次 『知られざる福沢諭吉』 平凡社新書(新刊) (11) テーマ:政治について(19857) カテゴリ:歴史 ▼ こりゃあ、面白い。 一気に読んだ。 ▼ なによりも、さりげないながら、平山洋『福沢諭吉の真実』(文春新書)で展開された、「福沢は古典的自由主義者で、侵略主義者福沢諭吉像は、昭和版全集編集者、石河幹明が全集時に混入させた論説によるものなのだ」への、搦め手からの痛烈な皮肉になっている。 平山洋の詐術?については、安川寿之輔が徹底的に再批判しているらしいので、そっちを読んでもらうのが早い(私は未読)。 しかし、こっちもなかなか。 これまで、「思想」しか語られてこなかった、福沢諭吉本人の「人品」「品格」を問うているのだ。 ▼ すわ、福沢諭吉とは何ものか。 ▼ そもそも福沢諭吉は、同時代、平山洋の言うよ
Jan 24, 2007 ★ 加藤聖文 『満鉄全史』 講談社選書メチエ (新刊) (1) テーマ:経済分野の書籍のレビュー(50) カテゴリ:経済 ▼ とても良い本だわ。 何よりもメッセージが明快。 定義できるはずもない「国益」「国策」によって翻弄された、戦前日本を病理を徹底的に暴き出しているの。 満鉄創立100周年の2006年。 時宜をえた本ね。 これを読んだ貴方は、「国家戦略」などと語る奴を信用しなくなるでしょう。 とても良いことだわ。 ▼ みんな知ってる通り、満鉄は国策を体現する会社だったはず、でしょ。 でもね。 日露戦争時、満鉄の元になった東支鉄道南部支線は、なんの位置づけも与えられていなかったの。 負担を考えて、鉄道王ハリマンに手放す意見もあったんですって。 でも、経済的収益をどうやってあげるのか、経営的成功の見通しもないまま、「血と犠牲」でえられたものだからというエモ
Jan 5, 2007 ★ 「蓮池薫は、北朝鮮の工作員だった」は、哲学的に是認されなくてはならない (2) テーマ:政治について(19857) カテゴリ:政治 ▼ なんか、僕がブログから抜けているとき、とても面白い事件が起きていた。 『週刊現代』新年号の渾身のスクープ、それに対する『週刊新潮』の反論、で展開された、イエロージャーナリズム同士の華々しいバトル。 どちらの記事も、読む気はおきないのだが、少なくとも拉致被害者について、不思議と言われてこなかった、ある「ダブー」に風穴を開けたことについて、『週刊現代』を高く評価しておきたい。 ▼ 読売・産経から新潮・諸君・サピオに至る右派ジャーナリズムには、北朝鮮における国家とその公民の関係について、公式化された見解、というかドグマがある。 「北朝鮮政府が外に送り出した人物は、政府の工作員である」 ▼ それなら、「北朝鮮政府が送り出し
Nov 28, 2006 ★ 女性的身体は、いかにして生みおとされるのか? 或いは「権力SF」についての一考察 ~ 吉野朔実 『ジュリエットの卵』から今野緒雪 『マリア様がみてる』へ ~ (1) テーマ:今日どんな本をよみましたか?(87533) カテゴリ:サブカル・小説・映画 ▼ 早川書房から、一通のアンケート依頼が後輩の所に届いた。 来年2月刊行の『SFが読みたい! 2007年版』に載せるものだという。 ▼ 一つは2006年度(2005年11月~2006年10月)に出版された本の中から、海外・国内それぞれベスト5を選ぶもの。 もう一つは、2000年代前半(1999年11月~2005年10月)に出版された本の中から、海外・国内それぞれベスト10を選ぶもの。 ▼ 21世紀初頭のベストSFかあ。 そういえば、読んでないなあ、SFなんて。 最近、売れてるんだろ。 それなら、読ま
Nov 25, 2006 ★ 糸圭 秀美 『1968年』 ちくま新書 (新刊) 前編 (1) テーマ:歴史分野の書籍のレビュー(111) カテゴリ:哲学・思想・文学・科学 ▼ 近年、歴史を「取り戻そう」とする運動が、どこでも盛んだ。 ただのオナニーからアカデミックなものまで。 そんな様々なものを、一緒くたに扱うことに一抹の不安がよぎるものの、冷戦終了後特有の現象といえなくもない。 ▼ 本書は、「1968年」の歴史的意義を問い直そうとする。 これまでの「1968年」は、先進資本主義国・東欧・ラテンアメリカの世界的動乱、であるとともに、「新左翼」の誕生、「思想的大転換」でもあった。 まさしく「68年の思想」は、「ポストモダン」(リオタール)であった。 しかし、動乱がどのような意味で「68年の思想」と結びついていたのか。 とくに、全共闘などの過激なデモンストレーションがおこなわれた日
Nov 11, 2006 ★ 佐藤八寿子 『ミッション・スクール』 中公新書 (新刊) (2) テーマ:社会関係の書籍のレビュー(95) カテゴリ:哲学・思想・文学・科学 ▼ 「評価に困る本」というのは、結構、こういう新書部門には多い。 とりわけ、意欲的でありながら、空回りしている作品だと、この可能性は極めて高くなるだろう。 ▼ ミッション・スクールは、なぜ東京以外の場所にまで、多数作られているのか。 それも、キリスト教の伝道活動の一環として設立され、名門校の主流を構成しているくらい広範に。 しかも、驚くべきことに、社会にはキリスト教徒はほとんどいないにも関わらず。 仏教徒のいない国に、名門校が仏教系である国なんて、想像することができるだろうか。 筆者は、そこに、ミッション・スクールのもつ、西欧文化導入と近代化のルートとしての機能をかぎつける。 ▼ 筆者によれば、ミッション・スクー
Sep 30, 2006 ★ 高橋哲哉 「国旗・国歌訴訟 判決を『異例』にせぬために」 『朝日新聞』 2006年9月30日朝刊 /メモ (8) テーマ:歴史分野の書籍のレビュー(111) カテゴリ:哲学・思想・文学・科学 ● 私の視点・ウィークエンド 国旗・国歌訴訟 高橋 哲哉 判決を「異例にせぬために」 1891(明治24)年1月、世に言う内村鑑三不敬事件が起こった。第一高等中学校の英語教員であった内村が、教育勅語奉読式で十分な拝礼をしなかったとして、天皇に対する「不敬」を社会的に指弾され、学校をやめざるをえなくなった事件だ。 学校行事での日の丸・君が代の強制が進む昨今の自体を見るにつけ、私はいつも内村の事件を思い出す。 東京都教育委員会が教職員に「国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する」ことを義務づけた03年の「10・23通達」以来、君が代斉唱時の不起立などを理由に処分された都内の教
Sep 26, 2006 ★ 小島毅 『近代日本の陽明学』 講談社選書メチエ (新刊) (3) テーマ:歴史分野の書籍のレビュー(111) カテゴリ:哲学・思想・文学・科学 ▼ 靖国神社は神道ではない! 伊勢神宮参拝と靖国神社参拝は、本質的に違う! 靖国神社とは、「儒教教義に基づいた社」なのだ… ▼ 実に平明な文章で、高橋哲哉『靖国問題』でさえ、見落としていた史実を丁寧に拾う。 それをまとめると、「靖国神社と遊就館」は、具体的中身がない、純粋動機主義の陽明学が、「英霊」の語の由来、藤田東湖に代表される、天皇中心的独善的「大義名分論」の水戸学(朱子学)と結合したものである、というのだ。 靖国神社は、設立以後を見ても理解できない。 われわれは、今も江戸時代の延長に生きているのだ……。 ▼ 簡単にまとめておこう。目次は次の通り。 1 大塩中斎―やむにやまれぬ反乱者 2 国体論の誕生―水戸か
Sep 7, 2006 ★ 男系天皇・女系天皇について雑感 (4) テーマ:★反日・侮日・売国奴★活動監視記録!(501) カテゴリ:音楽・文化 ▼ 何でも、昨日、皇室に41年ぶりに男子が生まれたらしい。おめでたいことである。 ▼ むろん、過去の日記で、「ご隠居」の言葉に仮託して、共和主義者的本音を語らせている以上、「おめでたい」に底意があることを隠せる訳もない。これで、いよいよ、天皇制は迷走することになり、天皇制に愛着を感じる女性は、天皇制固有の差別的本質に直面することになるのではないか。むろん、直面したからといって、動揺を期待するほど、「おめでたい」訳ではないのだが。 ▼ それはともかく、男系天皇と女系天皇について、前回の日記で語れなかったことがある。それは、「氏(姓)」と「苗字」の問題である。 ▼ 「氏(姓)」というのは、少なくとも、古代以降、ヤマト王権によって与えられた、父
Sep 1, 2006 ★ 楠精一郎 『大政翼賛会に抗した40人-自民党源流の代議士たち 』 朝日選書 (新刊) (2) テーマ:歴史分野の書籍のレビュー(111) カテゴリ:政治 ▼ かつて、週刊『自由民主』誌上に、「気骨ある政治家たち-翼賛体制に立ち向かった37人」と題されて連載されていたものが、増補の上、一冊の本にまとめられ、朝日選書から出版されました。戦時の一時期、同交会(1941年11月~1942年5月)に結集した、議会政治家たちの戦い。それが、伝記という趣で収録されていて、なかなか楽しめるものになっています。 ▼ その内容は、25回連続当選を果たした「憲政の神様」尾崎行雄を初めとして、田川大吉郎、植原悦二郎、鈴木文治、岡崎憲、大野伴睦、星島二郎、世耕弘一(あの自民党世耕弘成の祖父)、坂東幸太郎、岡崎久次郎、本田弥一郎、福田関次郎、北 日令(れい)吉(戦後鳩山内閣の幻の司
Aug 14, 2006 ★ 加藤 徹 『貝と羊の中国人』 新潮新書 (新刊) (1) テーマ:歴史分野の書籍のレビュー(111) カテゴリ:社会 ▼ たいへん痛快な中国人論である。安くて、面白くて、おまけに間違っていない。この簡単に見えるようなことが、どれくらい難しいことか。 ▼ 対立を煽るでもなく、幻想に酔いしれることもなく、たんたんと中国文化を語る。なんとも難しいことをスイスイとやってのける怪著。高校生や中学生の方は、夏休みの宿題「読書感想文」にこの本を取りあげてみてはいかがだろう。むろん、大学生・社会人にも、何よりもお勧めしたい一冊である。 ▼ 中国人は、<「貝」=「殷人」=農耕民族=多神教的=物財重視=道教的>と、<「羊」=周人=遊牧民族=一神教的=イデオロギー重視=儒教>の、この2つの気質の違う集団が現代にも引き継がれ、中国人は貝と羊の2つの顔を徹底的に使い分けているのだ
Aug 28, 2006 ★ 靖国問題を考える:メモ テーマ:政治について(19724) カテゴリ:哲学・思想・文学・科学 ▼ 最近読んだ靖国論で、なかなか過激で、面白かった靖国神社への批判があったので、ネット史料として、メモがわりにのせておきます。新聞夕刊に掲載されていたものですが、皆さん、どうでしょうか。 ● 靖国問題を考える 加々美 光行 神国不敗、総玉砕強いた 国家指導者の責任当然 7月20日、靖国神社へのA級戦犯合祀に関する昭和天皇の批判的見解が「富田メモ」の形で公表され、さらに8月15日、小泉首相が靖国参拝を強行したため、靖国や戦争責任をめぐる論議が俄然熱気を帯びるようになった。 戦後60年余を経て、先の戦争評価について国民的論議が高まるに至ったこと自体は歓迎すべきことだ。だが、戦争評価を巡る論議は「両刃の剣」であり、私たちの国家を危険な方向へと導く結果にもなる。その点、特に
Aug 19, 2006 ★ 靖国神社参拝騒動が隠蔽する、「卑怯モノ」化する日本 (17) テーマ:政治について(19724) カテゴリ:哲学・思想・文学・科学 ▼ 小泉首相の靖国神社参拝が15日行われ、余震が続いている。読売新聞によると、首相の靖国参拝「支持」53%とのことらしい。 ▼ ところで、このブログを読む貴方は、以下の内閣府調査について、どのように思うだろうか。この調査は、朝日新聞8月6日朝刊の日曜版にのっていたもので、世界同時調査らしい。 ▼ 「戦争が起きたら国のために戦うか?」 中国 はい 89.9% いいえ 3.1% イスラエル はい 75.1% いいえ 18.3% 韓国 はい 74.4% いいえ 25.3% 米国 はい 63.3% いいえ 25.5% イタリア はい 51.8% いいえ 34.4
Jul 28, 2006 ★ バカ右翼たちの迷走 ~ 昭和天皇の「靖国神社不参拝理由メモ」をめぐって (64) テーマ:政治について(19724) カテゴリ:政治 ▼ いやー。昭和天皇の靖国神社メモ。 「だから 私あれ以来参拝していない それが私の心だ」 ▼ 20日朝刊で『日経新聞』がスッパ抜いて以降、ネット界では、何だかバカ右翼たちが爆笑ものの右往左往ぶりを示しています。これほど笑えることが起きていたのに、今までまったく気づかんかった。これ、漫才のつもりなんでしょうかネ。 ▼ バカ右翼反応その1 『天皇を政治利用するな!』 いやー、ホント馬鹿ちゃいますか? 保守ちゃん、ウヨちゃん。 そもそも、なんで左翼やリベラルが、天皇の政治利用なんかしなけりゃならんの? 天皇制なんて、打倒するためにあるものでしょ。せいぜい、京都御所にお引取りいただくのが、もっとも天皇家への暖かい対応ではない
Jul 9, 2006 ★ 檜垣立哉 『生と権力の哲学』 ちくま新書(新刊) <1> (2) テーマ:歴史分野の書籍のレビュー(111) カテゴリ:哲学・思想・文学・科学 ▼ これはいい…。久しぶりに、素敵な入門書を読ませていただいた。 ▼ 著者が、その鮮烈な問題意識に即しながら、基本をきっちり押さえる入門書にもなっている。なおかつ、我々が現代社会を批判的に再考する際に視野を広げてくれる…。そんな芸当ができる書物は、かなり希少価値に近い。現代の「生」、そして「権力」とは何者なのか。近年提示される≪生権力≫に対する、使える本のひとつ、といえるでしょう。 ▼ 「生政治学」のミシェル・フーコー。「管理=コントロール社会」のジル・ドゥルーズ。「剥き出しの生」のジョルジョ・アガンベン…この3つを時間順に細やかにまとめていく。 ▼ 性と死。我々を根源的な規定するもの。言語的で「文化的」な我々の
Jun 10, 2006 ★ 筆坂秀世 『日本共産党』 新潮新書(新刊) (5) テーマ:社会関係の書籍のレビュー(95) カテゴリ:政治 ▼ ご存知、セクハラで止めさせられた、元・日本共産党NO.4による、日本共産党の内部告発本。期待値も高い。これまで、共産党モノといえば、立花隆『日本共産党の研究』(講談社文庫)以外には、礼賛本か、それとも罵倒本か、どちらか一方しか存在しなかった。マトモじゃない状況というのが、マトモという、妙な業界だけあって、一読してみると… ▼ 他の新書の売り上げ数全部併せても、『バカの壁』一冊に及ばない。そんな新書の惨状も、『国家の品格』の出現で一息ついたのか、イケイケムード。今度は、『日本共産党』を出してきた。実際、読んでみると、ギトギトとした怨念がゆらめいているとはいえ、なかなかバランスのとれた日本共産党入門になっている。門外漢も、手に取りやすいのではないだ
May 5, 2006 ★ 川辺一郎 『日本の外交は国民に何を隠しているのか』 集英社新書(新刊) <1> (18) テーマ:社会関係の書籍のレビュー(95) カテゴリ:政治 日本が国連分担金の恒常的滞納国であることを、貴方はご存じだろうか。 平均6ヶ月、ひどいときは14ヶ月。日本は、期日以内に分担金を納めたことがない。アメリカと並ぶ確信犯的分担金滞納国。国連財政を悪化させた主犯は日本だった!!!! この驚愕というべき「知られざる国際的常識」を語る本書は、今や日本が北朝鮮よりもはるかに世界に害を及ぼしながら、アメリカ以上に自覚がない恐るべき外交を展開する、世界の問題国家であることを徹底的に暴きだしている快著なのです。皆さん、ぜひ図書館ならびに本屋に走って欲しい。これを読まずして日本外交は語れません。 一体、日本は何のために滞納していたのか? 実は、「為替相場の良い時」に払うためなんだという
Jun 15, 2005 ★ 金賛汀 『拉致 -国家犯罪の構図』 ちくま新書(新刊) (5) テーマ:歴史分野の書籍のレビュー(111) カテゴリ:歴史 正直なところ、「拉致問題」に興味がわかない。 所詮、アカの他人です。それが日本人というだけで、大騒ぎできる感覚がよくわからない。ツチ族難民や、北朝鮮飢餓民や、JR脱線事故犠牲者の方が、大量に死んでいるだけに、とても嘆かわしい。横田夫妻のセリフ「めぐみは生きてます!」「北朝鮮に制裁を!」。それを聴くたびに、生きているなら問題ないだろう、「拉致」でなぜ制裁せねばならん?核武装や中立朝鮮の出現の方がよほど問題だろう、と思ってしまう。まいったね。おかげで、テレビ・新聞・週刊誌・ネットの「石石混交」の情報をスルーしてきた。2004年9月、「救う会」調査部門から独立した「特定失踪者問題調査会」は、1953年から2003年(!?)までの二百数十名の失踪
Apr 24, 2006 ★ 小田部雄次 『華族』 中公新書 (新刊) テーマ:社会関係の書籍のレビュー(95) カテゴリ:社会 浜の真砂は尽きるとも 世にセレブの種はつきまじ 戦前の日本では、特権的上流階層だった「華族」。鹿鳴館のイメージで語られがちな「皇室の藩塀」。あまりにも多様な、かれらの生態と実相にせまった、たいへん面白い本が中公新書から刊行されています。セレブマニア。上流階級をのぞいてみたい方。ぜひ購読して、雅な世界をご堪能いただきたい。 簡単に内容をまとめると以下のとおり。 ● 神職・僧侶(興福寺・奈良華族)・「南朝忠臣の末裔」まで叙爵された華族 ● 伊藤博文死後は、山縣・西園寺ら元老によって選考された叙爵 華族は、学習院入学・宮中席次・「爵」「位」・「世襲財産の設定」などの様々な特権とともに、相続は男系・宮内大臣の監督に服務・国家への忠誠・教育や軍務など、様々な義務を有してい
Apr 1, 2006 ★ 民主党執行部総退陣についての「雑感」 (4) テーマ:政治について(19725) カテゴリ:政治 ▼ 前原誠司代表をふくむ、民主党執行部が総退陣することになった。 ▼ それにしても、岡田克也といい、前原誠司といい、将来を嘱望されていた政治家が、切迫した党内事情で代表に祭りあげた挙句、周囲が成熟を待つことなく、ハシゴを外して使い捨てにされてしまうのは、何とかならないものなのなんだろうか。民主党は、功労者へのいたわりがない。功労者は、熊谷弘にしても、岡田克也にしても、藤井裕久にしても、祭りあげられ、実権が奪われてしまう。岡田克也は、実権があるとされる「代表」になったが、組織人として頑固な彼のこと、おそらく彼の思想・信条・見解は、前回の総選挙で少しも反映されていないだろう。「酒は古酒、女は年増」という。若くして未来を失うというのは、なんともやりきれない。 ▼ 世は劇場
Jul 21, 2005 ★ 「動物」「スノッブ」「ゾンビ」たちの愛国主義 北田暁大 『嗤う日本の「ナショナリズム」』 NHKブックス 2005年2月 (3) テーマ:社会関係の書籍のレビュー(95) カテゴリ:哲学・思想・文学・科学 ナチスは、精神分析を弾圧したことで知られる。 たしかに、その気持ち、分からないことはない。これは、たんなるナショナリズム分析ではない。世界と自分の問い直し=「反省」の形式から、戦後精神史を切りとろうとする、極めて刺激的な問題提起になっています。この切れ味は、たしかに凄い。 「嗤うナショナリスト」「感動をもとめる皮肉屋」「実存を求めるリアリスト」という姿。本来ならありえないこの矛盾は、どのように縫合されているのか。そこに筆者は、「再帰的近代」における、歴史的な「アイロニー」そのものの形態変化、構造変化をみようとします。 本書の議論を簡単にまとめておきたい。 1
Feb 21, 2006 ★ 清水美和 『中国が「反日」を捨てる日』 講談社+α新書(新刊) (20) テーマ:社会関係の書籍のレビュー(95) カテゴリ:政治 いかにウソまみれの中国論がインターネットに溢れ、メディア・リテラシーなどをうんぬんする資格のない、どうしようもないレベルなのか。それは、ネットに通行する日中記者交換協定なるものがまったくのデタラメでありながら、中国人にとっての「田中メモランダム」がごとく、あたかも実在するかのように熱心に議論されている惨状(下記の含む日記・注目エントリーを参照)がそれを表しているといえるでしょう。高度情報化社会の頂点。世界も羨むはずの豊かな現代日本。そこに現出する、都合のいいものしか読まない、信じたいものしか信じない、悲惨な知的衰弱と思考停止ぶり。 そんな惨状を憂えてのことか、こんな風潮に喧嘩を売るかのような、頼もしい新書が現れた。待望久しい、清水
Feb 5, 2006 ★ 女系天皇反対派の迷走(1) 八木秀次 『本当に女帝を認めてもいいのか』 洋泉社新書Y ほか (7) テーマ:社会関係の書籍のレビュー(95) カテゴリ:音楽・文化 ご隠居、てーへんだ!てーへんだ! 。万邦無比の皇室は、崩壊してしまうらしいんだ!。「皇室典範に関する有識者会議」の横暴だ! 女系天皇容認だ!皇室断絶の危機だ!。てーへんだ!! う~、八つあん、なに朝っぱらから、騒いでんだよ。 そんな所に立ってないで、こちらにお入りよ。 ご隠居、寝惚けてる場合ですか。てーへんなんですぜ! あ、そういえばご隠居! 昔、安保闘争でデモこ~しんやって、全共闘の時、機動隊に投石してきたといってましたね。ご隠居も、女系天皇容認の名を借りて、そんな皇室断絶を図る左翼勢力の一味なんでしょ。 自慢じゃないが、戦前は血盟団の一員としてブイブイいわせたし、戦中はビルマで竪琴を鳴らしてきたゾ
Jan 8, 2006 ★ 森達也 『悪役レスラーは笑う』 岩波新書(新刊) (23) テーマ:社会関係の書籍のレビュー(95) カテゴリ:社会 感動の一大ドキュメンタリーである。 否。著者は、テレビ局のドキュメンタリー企画として売りこんだものの、ディレクターに難色を示され作らせてもらえなかった。だから、この表現は正確ではない。しかし、これ以外、どう表現できるというのだろう。 プロレスとテレビ。 戦後、蜜月関係を取り結び、 ナショナリズムと戦後復興を支えたコンテンツとメディア。 「空手チョップ」を武器にした、<日本の希望の星 力道山>。占領国アメリカからやってきた、白人レスラーたちの悪辣なファイトに堪え忍び、最後に蹴散らすその勇姿。国民は熱狂的に酔いしれた。正力松太郎は語った。「日本人に誇りと勇気を取り戻してくれた」。力道山は語る。「わしがプロレスに命を賭けたのは、…眠れる日本人の大和魂を
Dec 19, 2005 ★ 一ノ瀬俊也 『銃後の社会史』 吉川弘文館 (新刊) (17) テーマ:歴史分野の書籍のレビュー(111) カテゴリ:社会 いやあ、これは素晴らしい。 戦後の遺族運動がなぜあのような―――戦争責任に向かい合うことなく、靖国神社国家護持や恩給増額を声高に叫ぶ―――かたちをとってしまったのか(本書4頁) このような刺激的な問いをたてて、遺族たちの心情とその生活―――「銃後の社会」―――にせまる本書は、なかなかの出来映えを示しているといえるでしょう。やや高いものの、お勧めの一冊になっているのです。 簡単に要約しておきましょう。 ● 終戦間際まで続いていた、盛大な「赤紙の祭り」 最寄りの交通機関や駅での盛大な「見送り」や「壮行会」は、見送る側・見送られる側にとって相当な経済負担だった。そのため軍部は、自粛させようとしたものの、「士気」を維持するためにも認めざるを得なかっ
Sep 8, 2005 ★ 「NHK VS 朝日新聞」番組改編問題(完結篇) 安倍晋三 VS 本田雅和 一問一答 証言記録 (22) テーマ:社会関係の書籍のレビュー(95) カテゴリ:政治 (承前) 中川昭一氏への電話取材の後、渋谷区の安倍晋三氏に訪ねて、1月10日午後6時から始まったという。その一問一答は以下のとおり。 ≪引用開始≫ 本田 朝方お訪ねしてポストに名詞を入れておきました朝日新聞の本田雅和、こちらは同僚の高田誠です。4年前、慰安婦の責任を問う民間法廷を素材にしたNHKの番組作りの過程で問題があったとNHK内で内部告発があり、その告発の中に中川昭一、安倍晋三両氏のお名前があり、お二人が事前にNHK幹部にお会いになり、関係者にも取材した結果、放送内容への介入や放送中士を求めたということがあったので見解をうかがいに参りました。 安倍 一方的に組織的にそういう番組作りが行なわれたの
Sep 26, 2005 ★ 唐沢俊一 「≪山野車輪 『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)書評」 (『朝日新聞』2005年09月25日)を嘲笑する (18) テーマ:★『マンガ嫌韓流』~韓流報道の光と影~(35) カテゴリ:サブカル・小説・映画 朝日新聞の日曜読書欄に、山野車輪『マンガ嫌韓流』(普遊舎)が採りあげられた。評者は、チンピラぶりで知られる、自称「カルト評論家」、唐沢俊一。あまりにも笑えるものなので、全文採録させていただきましょう。 ★「素直さ」がはらむ問いかけ 知識人と呼ばれる人々はたいていベストセラーがお嫌いである。たまに読んでも、まずほとんどが、 「(いやいやながら)読んではみたがなにほどの内容もない。なんで大衆はこんなレベルの低いものを喜ぶのか」 というようなお叱りがほとんどである。…しかしこれは、ベストセラーの本質をわかっていない言である。ベストセラーがベストセラーたり得ている
Oct 24, 2005 ★ 三浦展 『下流社会』 光文社新書(新刊) (91) テーマ:経済分野の書籍のレビュー(50) カテゴリ:経済 アイタタタタタタタタタ!! これくらい、「思い当たることだらけ」で、激痛がともない半泣きにさせられてしまう作品も珍しい。本日は、近年、「二極分化」「階級社会化」「パラサイト・シングル」「ニート」「勝ち組、負け組」などのキーワードで騒がれる、日本社会の階層分化現象を一冊で総ざらいしてくれる作品をご紹介しましょう。新聞・雑誌を読む上で、たいへんお得な一冊になっています。 まず、ノッケから喧嘩を売ってくれます。 「あなたの下流度チェック」。これがイタイ。イタすぎる。 おまけに下流の三種の神器は、パソコン、携帯電話(pager)、プレイステーション。これに、ペットボトルにポテトチップ。あわせて「5P」と呼ぶんです。 どうでしょう? なんか自分のライフスタイルの
Oct 22, 2005 ★ 小林よしのり 『新・ゴーマニズム宣言 台湾論』 扶桑社 (24) テーマ:歴史分野の書籍のレビュー(111) カテゴリ:サブカル・小説・映画 小林よしのりは、田中芳樹ととても良く似ているとおもう。 どちらも、サブ・カル作家として、本業をこえた成功をおさめたこと。 そして、いつ卒業したのか?が、常にファンに問われてしまう、 たいへん厄介な存在であることが。 「俺は、銀英伝でファンやめたね」 「俺はアルスラーン戦記で止めたんだけど、終わんねえんだよ…」 「てか、読んでいない」 「俺は、『戦争論』書いてからファンやめた」 「ええ?オウム真理教騒ぎのとき、宅八郎から逃げたときにやめたぜ」 「てか、おぼっちゃま君の頃から、絶対読んじゃダメだろ…」 いずれも、たいてい、下に行けば行くほど、ふんぞり返られる傾向にあるようだ。その意味で、たいへん難儀な作家なのであろう。ちなみ
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