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災害への備え
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ライターの小山由美氏が「ちいき新聞」に寄稿した記事をアーカイビングする企画、第3回では、伊藤計劃会員のお部屋と本棚を写真付きでご紹介します(ご遺族の許可はいただいています)。もとの原稿では紙幅の都合で部屋・書棚の写真は1枚しか掲載できませんでしたが、今回は5枚まるまる掲載いたします。私自身、伊藤計劃『The Indifference Engine』(ハヤカワ文庫JA、2012年)に解説を寄せる際には、ご遺族の許可を得てお部屋と本棚を取材させていただいたのを思い出しました。(岡和田晃) (PDFバージョン:itoukeikakulh3_koyamayumi) <SF作家・伊藤計劃 本棚から垣間見るその横顔> 作家として活動したのはたった2年であった。34歳の若さで病に倒れ、才能を惜しまれながらこの世を去った伊藤計劃さん。その足跡を求めて、彼が幼少から晩年まで過ごした八千代市内の自宅を訪ねた。
ライターの小山由美氏が「ちいき新聞」に寄稿なさった伊藤計劃会員に関する記事を、資料としてSF Prologue Waveにアーカイビングさせていただく試み、その第2回となります。『屍者の帝国』の受賞は、地元へどのように報道されたのでしょうか。(岡和田晃) (PDFバージョン:itoukeikakulh2_koyamayumi) <没後も衰えぬ筆と、意志を継ぐ人々の支え 日本SF大賞特別賞受賞 故・伊藤計劃さん(八千代市出身)> 3月1日、都内で行われた徳間文芸賞贈賞式にて、伊藤計劃・円城塔による共著「屍者の帝国」が第33回日本SF大賞特別賞を受賞した。伊藤さんが没して4年。彼が遺した足跡に、また大きな証(あかし)が刻まれた。 東京生まれの伊藤さんはぜんそく治療のため、3歳から八千代市民に。学齢期は漫画少年、大学卒業後はマスコミ関係の仕事に励む。しかし若くしてがんを発病。以来入退院を繰り返し
ライターの小山由美氏は、SFプロパー向けの媒体とは別の場所(地域新聞社の発行物)で、伊藤計劃会員の仕事を紹介してこられました。これらのお仕事は、作家のライフヒストリーに焦点を当てた貴重な資料ということから、「SF Prologue Wave」への転載をご快諾いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。(岡和田晃) (PDFバージョン:itoukeikakulh1_koyamayumi) <米SF小説特別賞受賞 日本人初の快挙 八千代市の故・伊藤計劃さん> 2009年3月、多くのファンに惜しまれながら、SF作家の伊藤計劃さんは肺がんのためこの世を去った。34歳だった。 彼の最後の長編『ハーモニー』は国内外で高く評価され、故人として初めて日本SF大賞を受賞。そして今年、アメリカのフィリップ・K・ディック記念特別賞を受賞した。海外で日本のSF小説が賞を受けるのは初めてのことだ。 伊藤さんは東
『幻視者のためのホラー&ダーク・ファンタジー専門誌「ナイトランド・クォータリー」Vol.6「奇妙な味の物語」掲載、ケン・リュウ「しろたえの袖(スリーヴ)――拝啓、紀貫之どの」&「トランスヒューマン時代の太陽系――『エクリプス・フェイズ』とシェアードワールド」』 岡和田晃 「ナイトランド・クォータリー」(アトリエサード/書苑新社)は、幻視者のためのホラー&ダークファンタジー専門誌と銘打っており、前身たる「ナイトランド誌」(トライデントハウス)のコンセプトを引き継ぎ、海外の優れた幻想文学やSFを精力的に日本へ翻訳・紹介しています。 版元のアトリエサード社は、『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』や『ヒーローウォーズ』等、海外の会話型RPGを手がけていたこともあり、「SF Prologue Wave」の「『エクリプス・フェイズ』の英語版アンソロジー小説が発売開始!」という告知が編集者の目にとまったこ
(PDFバージョン:watasiwokazoeru_takasimayuuya) まどろみながら今日もわたしは井戸の底で皿を数えている。 計算機が形成するこの架空のお化け屋敷を訪れる人間は少なく、まして屋敷の最奥のわたしの井戸までやってくるのは余程の趣味人か暇人、あるいは迷子だけだ。 人間は思考補助機によって仮想現実に意識を移し、手軽に現実以上の体験ができるようになった。計算機は仮想の遊戯プログラムを増やし続けている。人間はそれらで遊ぶのに忙しく、わたしが暮らすお化け屋敷はすっかり閑散としているのだった。 だが人間が来ても来なくても、わたしはただ皿を数え続ける。数えることがわたしのすべてであるかのように。 「あの、お姉さん」 縁台に男の子が立っていた。わたしはいつものように眠たくて今まで気付かなかった。 「こんにちは。迷ったのかな。思考補助機を安全モードにして退出ボタンを押せば現実に戻れる
(PDFバージョン:mawaru_yatagaikazuo) 「すごい」 月の裏側にある観測拠点。 探査機から送られてくる観測結果を見て、天文学者の周は管制室で思わず感嘆の声を上げた。 「こんなに間近に、中性子星が見られるとは……」 「まったくだな。生きているうちにこんなことがあるとは、思わなかった」 「テンジンさんですね。ようこそお越しくださいました」 声をかけながら入ってきた老人に、周は最敬礼した。 テンジンは北京に本社を持つ世界的企業のCEOで、この世界では伝説の人物である。少数民族の出身ながら会社を世界トップに押し上げた技術の開発者であり、そして、本プロジェクトを推進しているリーダーでもあるのだ。 りゅう座方向に見つかったこの星が、太陽系からわずか250天文単位の距離まで接近してフライバイすることが分かったのは、数ヶ月前のことだった。 多くの中性子星は自転軸から強力な電波を放出して
『エクリプス・フェイズ』英語版ルールブックより ■シェアード・ワールドとは何か シェアード・ワールドという言葉を知っていますか? 複数の書き手が世界観を共有(シェア)して、小説やコミックなどを執筆していく方法のことです。 これまでSF・ファンタジーの分野では、様々な優れたシェアード・ワールド作品が発表されてきました。 シェアード・ワールドには、一人で世界観を構築して作品を書くのとは、またひとあじ違った独自の魅力があります。 そこで、この「SF Prologue Wave」においても、日本SF作家クラブ所属の作家たちが、豪華ゲスト執筆陣と協力し、シェアード・ワールド式の創作に挑戦してみることになりました。 壮大にして多彩な、奥の深い物語を、ぜひご堪能ください。 ――使用するのは、新世紀のポストヒューマンRPG『エクリプス・フェイズ』の世界観です! 『エクリプス・フェイズ』英語版ルールブックよ
(PDFバージョン:kanachoro_takahasikiriya) 長い雨があがって、久しぶりによく晴れた春の日のことです。 かなちょろが一匹、草地のはじっこの平たい石の上でひなたぼっこしていました。 かなちょろは小さなトカゲです。トカゲは、寒くなると体が冷えてしまうので、こんなよいお天気の日には、かならず体をあたために出てくるのでした。 おひさまにてらされて、ちょうどいいぐあいにじんわりあたたかくなった石に、おなかをぺったりおしつけ、かなちょろはぬくぬくと目を閉じていました。 それを、じっとねらっているものがいました。草地のケヤキの木にとまったカラスです。 カラスは、ねらいをさだめると、一直線にまいおりました。 おどろいたのはかなちょろです。突然の黒い影に、あわててしっぽを切って逃げました。 切りはなされたしっぽは、しばらくぴちぴちと飛びはねていました。それがしっぽの役割です。しっぽ
(PDFバージョン:takeutihirosisanntonodeaitodai2kaiSFsho-gajibunnnogenntenndatta_hikawaryuusuke) 2011年6月27日に、竹内博さんが亡くなった。ゴジラやウルトラマンなど怪獣映画を再評価し、円谷英二ら特撮の基礎を築いたクリエイターに関する研究を生涯貫いた大先輩であり、大事な師匠である。激しい喪失感にとらわれた。 竹内博さんはビジュアル文化の旗手・大伴昌司さんの弟子である。しかし、大伴さんと竹内さんのアプローチはすこし違っていた。 少年マガジンの巻頭特集や怪獣の内部図解に見られるように、大伴さんはフィルムのなかにある世界をメディアなりに料理して、その地続き感を拡大してイラストなどを駆使していた。講釈師というか、ある意味、現実を過大にプロデュースすることで生じる幻惑感みたいなものを子どもに伝える役割をはたしてきた
(PDFバージョン:kyotounohito_nagaigou) 「身体の半分以上が、頭で出来ている!」 初めて、小松左京さんに会ったときに受けた印象だ。 「TOKON5」に行ったとき、筒井康隆さん、豊田有恒さんに連れられて、小松さんが仕事場にしていたホテル・ニュージャパンを訪れた。 「オー!君が『ハレンチ学園』で騒がれている永井豪チャンか~?!」と、小松さんは巨大な頭を振り、満面の笑みで迎えてくれた。 「十兵衛やアユちゃんのオッパイを大きくしろ!」と小松さん。「小さめだから初々しくて良いのだ!」と筒井さん。たちまち、私をそっちのけでオッパイ論争が始まった。 当時、『ハレンチ学園』を批判する大人とばかり会わされていた私は、即座にSF作家という人種が大好きになった。 高校一年の時に『日本アパッチ族』に出会い、以来夢中でSF小説を読み漁っていた私だが、作品だけでなく、作者にも魅了された瞬間だっ
「3・11の未来 日本・SF・創造力」 監修 笠井潔 巽孝之 編集 海老原豊 藤田直哉 作品社 2011/8/26発売 定価(税込):1,890円 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4861823471 【内容目次】(作品社ホームページ近刊案内より) ■はじめに 小松左京「序文――3.11以降の未来へ」 目次/趣旨文・編集一同 ■第一部 SFから3.11への応答責任 笠井潔「3.11とゴジラ/大和/原子力」 【鼎談】笠井潔・巽孝之・山田正紀「3.11とSF的想像力」 豊田有恒「原発災害と宇宙戦艦ヤマト」 スーザン・ネイピア「津波の時代のポニョ――宮崎駿監督に問う」 ■第二部 科学のことば、SFのことば 瀬名秀明「SFの無責任さについて――『311とSF』論に思う」 【座談会】谷甲州・森下一仁・小谷真理・石和義之「小松左京の射程――『日本沈没
(PDFバージョン:interview_uedasayuri) 「華竜の宮」 上田早夕里著 ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/124653.html ――「華竜の宮」に関しては傑作という評価は定まっている気がするので、既に聞かれている部分はすっ飛ばして、皆さんの知りたいであろうことに直接行きます。というわけでずばり聞きます。短編版の「魚舟・獣舟」は衝撃でした。あれを長編化するのか、と皆さん楽しみにしていたと思うんですが、実際に出てきた長編は「…魚舟どこ?」ですね 上田「これは過去に何度も言ってるんですが、あれは発表のあてのない長編の構想が先にあって、もう発表の機会がないんじゃないかと思っていたので、たまたま頂いた短編の仕事(異形コレクション)の中で生かしたんですよ。だから、まずは一番印象に残る
(PDFバージョン:interview_tujimasaki) 「はじめまして。……さっそくですが、インタビューをお願いできますでしょうか?」 日本SF作家クラブの総会で、この「公式ネットマガジンPW」の創刊が承認された時のことだ。会議が終わるやいなや、私・宮野は向かい側の席にいらっしゃった辻真先先生のもとへ走った。1961年生まれの宮野にとって「辻真先」は神様のひとりである。辻先生はその場で手帳をお開きになって、日時の設定をして下さった。 「しかし、辻先生のお仕事は膨大ですから、何かテーマを考える必要がありますね」 「では、初期のSFをめぐる状況について、話しましょうか」 そんなわけで、宮野と同じ世代に属する作家の井上剛さまと一緒にお話を伺った。 それが、このインタビューである。 辻真先先生、お忙しいところを、どうも有難うございました。 —— 辻真先さまとSFと言えば、まず、NHKにお勤
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