ビートルのプラモデルを作ることはないだろうと思っていた。これは個人的な理由でそうだと決めていたからだ。とにかく人生経験の中でロクな思い出がない車で、例えば行きたくない病院に向かう途中にある飲食店に必ず止まっていたことは象徴的な出来事だ。 ただ、最近になって気持ちが変わる出来事があって、ビートルのプラモデルを作っている。ハセガワの1/24スケールのものはボディにド派手なパーティングラインがあることを除いて良いプラモデルだ。神ヤスというスポンジやすり使って、ガリガリと削ればたやすくパーティングラインを取り除けるので、良いプラモデルということになる。 もう何年も前になるが随分と心を病んでいるときに、ガシャポンを回すのですら「どうせ欲しいものは当たらないんだよな」と思いながら回していた。そうして欲しいものが当たらないと「思った通りにダメですね」と落胆していた。 それが、ある日急に「運命を乗り越える