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rochejacmonmo.hatenablog.com
国立大学協会が記述式試験に関する考え方を発表したことを各紙が伝えている。その中に、次のような文言が入っている。 朝日:「国立大の2次試験で、国語などの記述式を導入しているのは募集定員の約4割にとどまっており、」 読売:「国立大2次試験では現在、記述式問題を課しているのは募集人員の約4割にとどまっている。」 毎日:「国立大の2次試験で記述式を課している大学は募集人員ベースで4割にとどまっており、」 産経:「国立大の2次試験で現在、記述式問題を課しているのは募集人員の4割程度にとどまっている。」 またNHKも次のように伝えている。 NHK:「文部科学省によりますと、国立大学の2次試験で記述式を導入しているのは現在39.1%にとどまっていますが、」 これらの報道は、国公立大学の二次試験の現状を著しくミスリードする内容である。まず、この報道の根拠は、文科省が発表した「広大接続改革の進捗状況について
新井紀子氏が、朝日新聞の天声人語や論理国語を批判する人たちを念頭に、次のように述べている。新共通テスト第2回試行調査の第2問で扱われた著作権法とその解説に関わる問題を、「国語として妥当」と評価し、この問題を取り上げないことは「やり方が汚い」と述べている*1。 こういう時に、本当に「やり方が汚い」と思うのは、論理国語反対主義者が執拗に第一回目の試行調査の「駐車場の契約」の話だけを繰り返し持ち出すこと。第2回目調査のこの問題は国語として妥当なので、都合が悪く「ないことにしたい」のだろう。 — 新井紀子/ Noriko Arai (@noricoco) August 17, 2019 しかし、第2回試行調査の第2問は、少なくとも試験問題としては極めて不適切な内容を含んでおり、到底妥当ではないと考える。本記事では3点指摘する。 問二の正答とされる選択肢が、正答としての許容範囲を逸脱している。 問六
平成30年3月に公示された新学習指導要領では、数学Bにおいて、それまでの「数列・ベクトル・確率分布と統計的推測」の3分野から2分野選択するという仕組みが変更された。数学Bは、「数列・確率分布と統計的推測」の2分野とされ、「ベクトル」が新設の数学Cに移行されたのである。このことに対する賛否はともかく、このような修正が行われるまでに、だれがどのような意見を述べていたのかを可能な限り明らかにするべきだと考えた。今回注目するのは、中央教育審議会初等中等教育分科会の教育課程部会におかれた「算数・数学WG」での議論である。平成27年12月17日から平成28年5月24日まで、合計8回の会議が行われている。議事録や資料などを以下順次参照するが、本記事の結論は次の通りである。 当時東京学芸大教授であった藤井斉亮氏が、WGの当初から、数学Bにおける統計選択者が非常に少ないことを問題視し、統計分野の拡充を積極的
医学部医学科の女性に対する差別的取り扱いに関する報道が続いている。これまでにいくつか問題点を指摘した、石渡嶺司氏の記事、ハフポスト、読売、AERA.dotの各記事に続き、週刊朝日もこの問題を報じた。 この記事が掲載しているランキングは、志願者数ベースの合格率の男女比であるから、本質的に読売が報じたランキングと同じものになる。しかし、この記事は具体性を欠く様々な記述を多数含んでいるため、結果として間違った印象を読者に与えかねないものになっている。 数学の難易度が男性に有利になっているという根拠が不明 最大の問題点は次の記述だ。 こんなことを主張する「専門家」とは誰なのか。予備校講師なのか、データを集めている記者なのか、それとも出題に関わる大学関係者なのか。このような記述は具体性に乏しく、信用に値しない。 理科の選択科目の取り扱い*1ならばともかく、全受験者に課されている数学の難易度が合格率の
東進ブックスから2018年3月に出版された『英語4技能の勉強法をはじめからていねいに』(安河内哲也責任編集)という書籍がある。この書籍には、現在の大学入試で行われている英語の試験にかかわる点について、いくつかのミスリードを引き起こしかねないアンフェアな記述がみられる。もちろん、英語の勉強法については意味のある記述もたくさんあるだろう。しかし、安河内氏自身が4技能入試を推進する側であることを鑑みれば、4技能入試と現在の大学入試の比較にアンフェアな記述があるとすれば、英語の民間試験への委託の問題と考えあわせても不当な宣伝効果をあげることになってしまう。以下、この書籍の記述をいくつか拾いだして検討する。 センター試験と個別試験とを混在させた記述はアンフェアだ 同書p.20に次のような記述がある。 これはセンター試験に関する記述としてはおおむね妥当であり、非常に小さいが欄外に個別入試のことが記述さ
私は、新共通テストで記述式試験を課すことには、現時点では反対だが、すでに各大学ごとに新共通テストをどう選抜に利用するかが公表されるなど、実施に向けて大きく舵が切られてしまっている。そういう状況の中では、さしあたってあまりにおかしな問題や採点が行われることに警鐘を鳴らすためにも、実際に試行調査で出題されている問題を検討するべきだと考える。既に平成29年11月の試行調査の結果報告が出ている。 そこで、平成29年11月に行われた大学入学共通テストの試行調査で出題された記述式問題のうち、数学(I・A)で扱われた問題について下記記事で、問題の内容や採点基準に懸念があることを述べた。 選択式の問題に比べて記述式の問題の方がより理解度や思考力・表現力を正確に測定できるとする意見は根強くあり、共通テストとして記述式試験を課すことに肯定的な意見も広く存在することは確かである。しかし、上の数学に関する記事の中
新井紀子氏を中心としたグループが行っている「リーディングスキルテスト」(RST)の結果、日本の子どもたちの読解力について様々な問題があることが指摘されている。この結果の意味するところなどを適切な言葉で表現するためにどのような言葉を選ぶべきか、という点はかなり難しい部分もあると思うが、この記事では、「ランダム率」というトピックに絞って考えてみる。 現時点では、私には「ランダム率」の定義も、それがどのようにして計算および運用/解釈されるべきかもよくわからない。従って、この量をどのくらい真面目に取り扱ってよいかに確信が持てない。 そのことを少し説明するのが本記事の目的である。できれば統計に造詣のある方に詳しく説明をお聞きしたいところである。 2018/3/1(追記) 2018/2/28に以下の記事を書いた後、 Reading Skill Test to Diagnose Basic Langua
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