今まで僕は、たくさんのことを夢見てきた。つまらない現実に追い回されながら、逃げるように夢を追ってきた。 夢は、追えば逃げて行った。掴もうとすれば、煙のように消えた。一体どこに行ったんだろう。とんと見当がつかない。カーテンの裏、ポケットの中、古いノートの始めのページ。どこにもない。気づいたら無くなっていた。 夢とはなんだろう。夢が叶うとは、夢が叶わないとは、なんだろう。 橋の点検をする作業員、赤ん坊を抱いた母親、そして、文章を書いている僕。 夢とはかけ離れた、いつもと変わらない現実が、いつもと同じ場所にある。 僕は、継続ができない。つまり、努力力が無い。小さい頃からずっとそうだった。サッカー、空手、楽器、十代の頃に始めて今になっても続いているものは何もない。それぞれの場所で、夢を持っていた。 努力が足りなかったから、夢は叶わなかったのか。夢へ向けた努力のハシゴの長さが足りなかった。だから、夢