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ここ数日、テレビやインターネット上では、大津市の中学生「自殺」事件が盛んに論じられ、過熱した一部の者による加害者やその親族探しにまで発展するといった状況である。アメリカでもこの過熱ぶりが報じられているが、この事件の加害者の行為の残忍さもさることながら、それ以上に、ネット上で加害者の氏名やその親族の会社までもが実名でさらされる事態の異常さに注目が集まっているようだ。 結論から言うと、このような事態は到底看過できるものではなく、当事者でもなんでもない第三者の立場の者が匿名でよってたかって確たる証拠なく加害者やその親族の実名をさらして喜ぶ姿は、この加害者と親族の問題とは全く別に、それこそ集団による「いじめ」の構造を如実に示しており、むしろ自分では正しいことをやっている、あるいは別に悪いことをしているわけではないと思い込む者らによって、いつのまにやら「いじめ」問題が発生してしまうというこの問題の根
先だって総務省が、「法曹人口の拡大及び法曹養成制度の改革に関する政策評価書」を公表した。かつて司法制度改革審議会答申で打ち出された司法試験合格者数を年3000人程度にするとの数値目標に関して、現在の2000人程度の合格者数で推移しているここ数年の状況から見ても就職難等の問題が発生しており、かつ今後も法曹需要が飛躍的に高まる見込みはないことなどを理由として、上記数値目標の下方修正を勧告するとともに、同時に法科大学院教育の一層の充実化と成績評価の厳正化等に向けて是正すべき旨を勧告するものとなっている。 この政策評価書に関して、日弁連なり弁護士なりが意見を様々に表明しているが、どうも背後に「縄張り意識」を忍ばせていること丸わかりの内容となっており、弁護士たちの仲間内だけでは、とても建設的な議論が成立する場が形成される見込みは薄いとみてよいだろう。 日弁連をはじめとして既存の単位弁護士会・弁護士た
仕事のことなんか適当に片付けて、ここ二日間にわたって再度『廣松渉著作集』全16巻(岩波書店)を読み返す。その人の全集なり著作集を端から端まで兎に角読みふけること。これを「人生の習慣」にしている、と大江健三郎は言っていたかと思う(大江自身の言葉は、習慣とは言わずに「人生のハビット」という表現だったか?)。もちろん、大江のこの「ハビット」は小林秀雄の影響である。浅田彰が『逃走論』で触れていた「つまみ食い的読書」も悪くはないが、それだけだと浅田彰みたいにただのディレッタントでおわってしまいかねない。 もっとも、「著作集」というだけあって「全集」ではない。比較的有名な論文や著作でも収録されていないし(情況出版から出されている『廣松渉コレクション』所収の諸論文等がその典型だ)、ましてや廣松が残した『哲学入門一歩前』や『新哲学入門』あるいは『今こそマルクスを読み返す』や『唯物史観の原像』などの「入門書
吉本隆明が亡くなった。還浄という表現が相応しいかどうかはともかく、いずれにせよ、ご冥福をお祈り申し上げます(否、親鸞の教えからすれば生きている我々が<不生の生>たる仏の「冥福を祈る」という表現は相応しくないだろうことは想像に難くないわけだし、追善回向も否定さるべきことなのだから、こういう場合にどういう表現が適切なのか、実家が門徒でないのでわからない)。 僕の家は、一部カトリックに流れはしたが、代々珍しいだろう臨済宗だし、そもそも吉本家が門徒の家であるとも限らないわけだが。 それはともかく、僕は吉本隆明のよき読者ではなく、むしろその言説に敵対ないしは反発を覚えてきた者であり、加えて、北の「将軍様」ならぬ「戦後最大の思想家」だの「戦後思想の巨人」だのと吉本隆明を崇め奉る者たちへの軽蔑をも抱いてきた。数々の論争を罵倒の連呼で凌ぎながら論壇での地歩を確固たるものとしてきた吉本隆明の歩みは、後世「論
先日、芦部信喜『憲法(第五版)』(岩波書店)が来週にも書店に並ぶことを”記念”して、憲法の実質的最高法規性の観念を重視する芦部説の特徴について触れた。ついでに、現在考えてもいるところの「日本国憲法の哲学」のためにも、その前段階として思いついたことを、酒でもくらいながら一言してみたいと思い、今ここに筆を執る。 近代憲法学の重要な特質は、その立憲主義にある。このことは、憲法学を学び始めた者が最初に触れる事項であるが、この立憲主義については、今までも触れたことなので、その内容を一々確認することは今はしない。ただ、この立憲主義と憲法前文及び第九条に規定される平和主義との関係について、長谷部恭男の見解が気になるので、この点について若干確認しておきたいことがあるのだ。 長谷部恭男の言うところでは、立憲主義は、それ自体として、個々人の「善き生」の追求に直接関与するものではなく、あくまで比較不能な価値観を
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