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かんたん自己心理学 このサイトを読むのに必要最低限な自己心理学 1.はじめに ・このカテゴリをお読みいただく前に ・このサイトで自己心理学を採用するにあたっての個人的ガイドライン 2.このサイトを読むのに必要最低限な自己心理学 0.まず、辞書に載っている「自己愛」の意味を確認してみよう 1.他人を映し鏡にして自己愛を充たす 2.理想の対象を介して自己愛を充たす 3.自分に似た対象を介して自己愛を充たす 4.自己愛を充たしてくれる対象を「自己対象」と呼ぶ 5.自己愛の成熟度≒自己対象への要求水準 6.未熟な自己愛にありがちな処世術(1)垂直分裂ポジション 7.未熟な自己愛にありがちな処世術(2)水平分裂ポジション 8.どのようにして自己愛は成熟していくのか 9.未熟な自己愛への道 ツイート 適応関連テキストのページまでもどる このウェブサイトのindexまでもどる
【4.少女の濫費状態はいつまで続くか?】 ここまで述べてきたような1.2.3.のような理由が重なりあった結果、古典的な美少女所有願望を充たすにもジェンダー的な背景を含んだニーズにも対応可能なコンテンツがヒットする、現在の男性オタク界隈の風景が現れているのだろうし、これほど大量の少女が多様に消費されているのだろうと私は考える。もし、1.の理由を欠いていれば、界隈はもっと百合・レズ作品に満ち溢れた風景になっていただろうし、2.の理由を欠いていれば、90年代前半やそれ以前を彷彿とさせるような、きわめて単純に美少女所有願望を充たすような作風に傾いていただろう。消費者側の心理的ニーズの微妙なバランスのうえに、男性オタク界隈の少女の消費情況は成立している。 では、こうした少女の消費状況はいつまで続くのだろうか? 理屈としては、1.2.のニーズを抱えた消費者が現在のバランスで存在し続ける限り、概ね
【3.「異性キャラクター」が帯びている、想像力の脱臭・純化機能】 このように、ようやく男性オタク達も、やおいの一大文化圏を形成していた女性オタク達に近い消費スタイルを確立させた。カップリングを想像させる台詞や構図さえあれば、なんでもカップリングしてしまってヤマもオチもイミも無い“薄い本”が大量に同人ショップに出回る有様も、いよいよ似てきている。もちろん、古典的なエロも不滅には違いないだろう。と同時に、「少女同士のキャッキャウフフ」や「お姫様願望」を充たせるような百合的カップリングのニーズは、もはやニッチな楽しみとは言いづらい存在感を示している。ひょっとしたら、さらに一歩進んで「鬼畜モノの同人誌を、サド的な男性目線ではなくマゾ的な少女目線で楽しむ」所まで到達している人も増えているのかもしれない1 。 そして性別を越境したキャラクターへの感情移入には、ジェンダー・ロールからの逃避のほかにも
【2.「男からの逃走」に供される少女達】 前頁で紹介した「エロの薄味志向」と地続きの問題として、近年の男性オタク界隈では、消費者が自分のジェンダーに否定的な人が決して少なくない。このような、自分の男性的役割に否定的な人達にとって、少女をエロの対象として(男の側からダイレクトに)消費するのは自分自身のジェンダーとの葛藤に直面することに他ならず、忌避されるところである。 こうした自分自身のジェンダーとの葛藤を迂回するには、感情移入の可能性のあるポジションから男性キャラクターを外し、代わりに感情移入しやすいよう調整を施した少女を代役にしておけば良い。わかりやすいところでは『魔法少女まどか☆マギカ』や『ストライクウィッチーズ』においては、十年以上前のアニメなら男性主人公が占めていたであろう男性役割的なポジションを少女が占めており、そのことに誰も違和感を表明しないぐらいにはこのスタイルは定着して
[http://togetter.com/li/127077:title] リンク先では、男性オタクコンテンツ領域で「なぜ少女に世界が託されなければならなくなったか」について議論されている。興味深い議論だった。 それにしても、「少女に世界の命運を託す」に限らず、日常系の作品なども含め、湯水のように少女キャラクターが登場しては消費されていくさまは、振り返ってみれば不思議なことだ。思春期?成人向けと想定されているはずの男性オタクコンテンツ領域において、今、成人男性はもとより、少年すら存在感を欠いている。『けいおん!』や『魔法少女 まどか☆マギカ』のような、男性が絶無に等しいキャラクター構成が、もはや例外ではなくオーソドックスになったことは驚きに値する。少年の勇気や冒険が真正面から描写されることは稀で、よしんば描写されるとしても『シュタインズ・ゲート』の岡部のように中二病の装いを施されたり、
Evidenced Based Medicine(EBM)、という言葉を精神科界隈で聞くようになっただいぶ経った。今ではもう、統計学的な根拠や薬物治療ガイドラインを重視するのは当然という風潮が出来上がっているし、また、このお陰で、精神医療の診断基準や治療水準は全体としては大きく向上した、とも言われている。「私の勘では、こういう時には○○を処方するのが良い!」だけに頼る精神科医が減少し、国際的な診断基準や薬物療法ガイドラインを参考にして第一選択薬を選ぶ精神科医が増加したのは、良いことに違いない、と私は思っている。 私個人も、習い始めの頃には、統計学的傾向や薬物療法ガイドラインをとにかく勉強した。たとえルーキーであっても、EBMに則った知識ならば、習ったら即、患者さんに提供できるからだ。経験の多寡だの、いわゆる“名人芸”だの、そういうのとは一切関係なく、知識があるなら、それに則って判断すれば
更新遅延気味:2010/07/20 ・細々とした文章はアップしていますが、ゆっくりです。 ・なかのひとが忙し目で、blog側の更新もゆっくりです。 1.インターネットで知る『自己心理学』 ・『自己心理学』なんて聞いたことも無い、という人向けの簡略版解説テキスト ・このサイトで頻繁に登場する『自己心理学』関連用語の解説。 →このカテゴリをお読みいただく前に →このサイトを読むのに必要最小限の『自己心理学』 →もうちょっとだけくわしい『自己心理学』 →関連用語集(2010年春は主要10個ほどを追加予定) →そのほかの関連テキスト →「どういう風に自己心理学を採用するか」に関する個人的ガイドライン 2.21世紀の自己愛と、適応 ・「(自己心理学で言うところの)自己愛」をキーワードにみる、21世紀の日本人の適応について ・コンテンツやキャラクターを介した自己愛充当を理解
・このカテゴリ(「萌えと自己愛」)について(2009/05) [はじめにお読みください] ・1.「萌え」前夜(2009/06) ・2.「萌え」の登場(1990年代前半まで)(2009/06) ・3.第一次萌えブーム(1990年代後半〜2000年頃)(2009/06) ・4.第ニ次「萌え」ブーム以降(2004年〜現在)(2009/06) ・5.美少女キャラクターは「萌える」為の骨組みとして機能している(2009/07) ・6.自己愛を充たしてくれる対象としての「萌え」キャラクター(2009/07) ・7.鏡映自己対象として自己愛を充たすのに適した「萌え」属性(2009/08) ・8.理想化自己対象として自己愛を充たすのに適した「萌え」属性(2009/08) ・9.双子自己対象として自己愛を充たすのに適した「萌え」属性(2009/09) ・10.「萌え」の近況と、それを踏
こちらの続きです。 最後に、双子自己対象として自己愛を充たすのに適した「萌え属性」とそのキャラクター達を紹介してみようと思う。 こちらでも書いたように、自己愛の充たし方のバリエーションのなかには「対象となる人物やキャラクターが、自分に似ているなぁと感じるような体験」も含まれる。他人やキャラクターから褒めて貰ったり、理想の対象に自分を仮託したりするだけでなく、自分によく似ていると感じられる人物やキャラクターに出会えた時にも、人の自己愛は充たされ得る。いわゆる“双子自己対象”というやつである。 アニメやゲームや小説などに登場する双子自己対象の場合は、単に自己愛を充たしてくれるというだけでなく、作品を楽しむ際の感情移入の橋頭堡になるという点でも重要だ。大抵の人は、自分自身との共通点に乏しい、およそ共感できそうにもない境遇や性格のキャラクターよりは、自分自身との共通点が豊富で共感しやすそうな
・新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。 ・ブログの2018年まとめをアップロードしました。 ・blog『シロクマの屑籠』は随時更新しています。 ・「人の数だけ適応のかたちは存在する」「多くの人に共通するスタイルも存在する」――『汎用適応技術研究』では、現代社会で生きていくための方法について考え続けていきます。 ・関連して、心理/精神医学関連についてや、オタク界隈で観測される現象についても触れていきます。 ・いわば『適応wiki』のようなものを目指しています。数年かけて整備していく予定です。 ・業務連絡:外からのリンク先はhttp://polar.shirokumaice.com/で。 →Index:このページです。 →About:このサイトについて、筆者紹介、注意事項ほか →MyBooks:拙著『ロスジェネ心理学』のページ。拡張キット頒布など。 →Text:
私はハインツ・コフートHeinz Kohutという心理学者が編み上げた『自己心理学』という“ジャンル”がとても好きで、団塊ジュニア以降の世代の正常心理1 やステレオタイプを理解するうえで最も分かりやすく、取り扱いやすいジャンルだとみている。 精神科医や臨床心理士でない人にとって、コフートという人名も、『自己心理学』という“ジャンル”も、耳慣れないものじゃないかと思う。心理学といって思いつく名前といえば、まずはフロイト、続いてユングやエリクソンやラカンあたりではないだろうか。インターネットの世界では、“自己実現欲求”“承認欲求”で有名なA.マズローなども有名かもしれない。 じゃあ、コフートって誰よ? 『自己心理学』ってどういう“ジャンル”よ? 結局それって、“使える”の? 現代という時代、日本という場所、都市空間に育った世代、ということに限定する限りは、コフートの『自己心理学』は恐
ここまで、「このwebsiteを読むのに必要最小限の自己心理学」を書き連ねてきたが、自己愛が年齢相応に成熟していく/未熟なままに留まってしまう要因については触れてこなかった。しかしそこの説明を省いて放っておくのはさすがに無茶のような気がしてきたので、簡単な説明を付け加えることにした。 【幼児のうちは、自己対象への要求水準が高くても充たされやすい】 20~30歳の時点で自己愛の成熟度合いが高くなっている人だって、生まれた頃からいきなり成熟した自己愛だったわけではない。彼ら/彼女らとて、赤ちゃんや幼児の頃には年齢相応な自己愛だっただろうし、自己対象としての両親(や周囲の人達)に対する要求水準も、年齢相応に高かった筈である。ハイハイする、離乳食を食べる、ブランコに乗ってみる、といった一挙一動を母親に褒めて貰ったり、力強い理想像を父親に仮託できたりできるのは、小さい頃だけの特権だ 。 この時
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