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今更ながら「ハイコンセプト」。2006年に出版された本作、古典的名著と言っても良い定番ビジネス書だと思います。 古本に出そうと思って読み返していたら、意外と内容を覚えていなかったので読書メモにします。書き残すのって大切です。 今の仕事を続けるかどうか、3つのチェックポイント ①他の国なら、これをもっと安くやれるだろうか ②コンピューターなら、これをもっとうまく、早くやれるだろうか ③自分が提供しているものは、この豊かな時代の中でも需要があるだろうか 本書の白眉はこの3つの問い。①②はもはや常識的ですが、今強く問われているのは③だと思います。大量消費大量生産型の社会が限界をきたしており、「もはや消費者にとって魅力として映らないモノ・サービス」が増加していると僕は感じています。 これからは、社会的な意義を感じさせるほどのモノ・サービス以外は売れにくくなっていくと思います。生活必需品ですら、
マリオがコインを集め、勇者が魔王を討伐していたころ、日本はたしかにゲーム業界のトップに君臨していた。けれど現在では、販売本数も開発規模も海外のパブリッシャーに圧倒されつつある。かつてはクソゲーだらけだと言われていた「洋ゲー」は、今では日本をしのぐほどの勢力を持つにいたった。すると当然、「和ゲーと洋ゲーで面白いのはどちらか」という宗教戦争が勃発する。 ※とはいえ日本が一国で「和ゲー」を背負っているのに対し、洋ゲーといえば欧米豪露など世界中のタイトルが含まれる。ゲーム業界での日本の存在感はいまだに大きい。 マスエフェクト 3 出版社/メーカー: エレクトロニック・アーツ 発売日: 2012/03/15 メディア: Video Game クリック: 6回 この商品を含むブログ (12件) を見る 日本のゲーム——とくにRPGやストーリー性の強いアクションゲームなどには、一つの特徴がある。それは登
世界を変えてしまう作品というものがある。どんなジャンルであれ、創作物は先行作品を踏み台にしながら発展していく。しかし時々、以前の作品から一段飛ばし、二段飛ばしで進んだ作品が登場する。すると、あらゆる作品がその作品と比較して語られるようになり、環境が一変してしまうのだ。 『ニューロマンサー』は、そんなマイルストーン的な作品のひとつだ。この小説が無ければ、映画『マトリックス』も『攻殻機動隊』も誕生しなかった。ジャンルの壁を越えて、様々なクリエイターに影響を与えた大傑作といえよう。 ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF) 作者: ウィリアム・ギブスン,黒丸尚 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 1986/07 メディア: 文庫 購入: 27人 クリック: 524回 この商品を含むブログ (258件) を見る 脳とコンピューターを直結できるようになった時代、犯罪の街“千葉シティ”でケイスは自暴
表題のようなことはもうずっと昔から考えていた。なぜ自分は母国にいながら周囲となじめないのか、息苦しいと感じるのか。そしてそういう人々はどうも自分だけじゃないらしい。この国はどうして息苦しく感じる人たちを一定率生み出してしまうのか。 一つはその同質性にあるとは前々から考えていた。おまえがゆく道は俺の来た道。みなが同じ道を歩むから、前を歩くものは後ろを歩くものに行先にあるものを教えられる。同じ道を歩いてるから、言わなくてもわかる。いわゆる空気読みというやつだ。 だから違う道を歩くことは彼らには信じられない。一緒の道を歩いていれば手をさしのべることもできるから一緒の道を歩こうと言って来る。それは彼らなりの親切心なのだろう。 おまえのゆく道は俺の知らぬ道、俺のゆく道はおまえの知らぬ道。そうしたことが彼らにはどうも理解できないようだ。だからはみ出したものを型にハメようとする。知らない道へ歩きだそうと
大学時代の友人とひさしぶりに会ったら、話があわなくなっていた。 待ち合わせ場所は秋葉原。私がアニメの話題作についてペラペラと喋っていたら、彼はぽかんとした表情を浮かべていた。『Stein’s Gate』はおろか、『まどか☆マギカ』も『けいおん』も観ていないという。私にとっての一般常識を、何一つ共有できなかった。彼に非はない。私がそちらのカルチャーに染まってしまっただけだ。 ただし、東京の友人には社会人になってからオタク化した人が多い。独身の男性(に限らないのだが)は帰宅後ヒマだ。バラエティ番組は最近あまり面白くない。しかも帰宅する時間が遅くなりがちで、テレビをつければちょうど深夜アニメを放送している。オタク化しやすい構造があるのだ。その友人も同じ構造にハマっているものだと思い込んでいた。 しかし彼は東京在住ではない。大学時代こそ関東で過ごしたものの、もともと東北出身で、現在は仙台で暮らして
最近お金を使わない暮らし系の本を読んでいます。生活実験から見えるものを知りたいからです。 数あるそれ系の本でも、Amazonで特に評判の良かったのがこの一冊。面白かったのでご紹介したいと思います。 年収100万円の豊かな節約生活 作者: 山崎 寿人 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2011-06-24 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 東大卒、20年間無職、貯金を切り崩す独身男性 著者の山崎さんは、現在ネットでできる小遣い稼ぎを除くと、親が遺してくれた不動産を売却して得た貯金を切り崩して生活しているとのこと。定収入はゼロ、ということです。 貯金は1,500万程度あり、年金受給開始が65歳だとしたら、毎年100万円切り崩していけば、賄えるとのこと。 「ゲーム」を楽しむ ・つまり「生活の豊かさ快適さと節約とのバランスをいかにとるか」を考え、様々な知恵を絞っ
(参考画像:就活に疲れてイオンのベンチで休憩するモリゾウさんと思われる男性) 『まぁ、海外就職は甘くもないんですけどね、でも日本でブラックに勤めるよりは金銭的にもキャリアを積むにもいい求人は結構ありますよ、いや現地採用ですけどね、新卒でも、ニートでも、一度くらい気軽な気持ちで覗いてみればいいじゃないですか、死ぬわけじゃないんだし』 これが氏の口癖だ。 先週、モリゾウさんからカンボジアで買ったという胡散臭いパワーストーンと一緒に氏の出版本が家に届いた。僕の思い込みかもしれないが『書評を書いてくれ』という氏からの怨念に近い無言のプレッシャーを感じた。 モリゾウさんと言えば、初めて梅田の串カツ屋で飲みに行った時に悪酔いして、ゴミ箱とカウンター横の秘伝のタレ壺を間違えて、その中にゲロを吐いて、昔はカタギでは無かったという噂がたえない小指の無い店の親父に10回くらいビンタされながら、「本当にすいませ
なぜデザインが必要なのか――世界を変えるイノベーションの最前線 作者: エレン ラプトン 出版社/メーカー: 英治出版 発売日: 2012-01-24 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 「デザイン」という言葉は、しばしば「グラフィックデザイン」と同義だと捉えられています。デザインと言えば「ロゴ制作」「配色を決めること」みたいな。 ですが、本当は「デザイン」という言葉はもっと広い文脈を持っています。「問題解決に使える思考法」というニュアンスで僕は考えています。 そんなデザインの意義を、ドンピシャで説いている本を見つけたのでご紹介。本の中で紹介されていた無数の事例から、面白かったものをピックアップしてみます。 ゾン補聴器:機能性と美を備えた補聴器 これすごいですね。この小さな画像だと全く分からないですが、ちゃんと補聴器着いています(より大きな画像だと、耳から細い透
扇情的なタイトルだが、粛々と母校のネタで導入しよう。 ご存知のようにフェリス女学院は元祖外資系クリスチャンの学校なので、宗教的なことを考えるイベントが、定期的に行われる。とはいえ、生徒のほとんどがクリスチャンではない以上、信仰の話などではなく、むしろ宗教的な価値観に基づいて倫理的な問題を考えてみようという、ある程度有意義な会合になることが多い(←宣伝w)。 そういうイベントは、割りと楽しんで参加していた方だが、キリスト教の中で最も自分と相容れない価値観のひとつにも、出会ってしまった。学校の招待したどこぞの牧師先生のスピーチに曰く、 「わたしたち人間は、か弱く愚かな羊の群れであり、主はそんなわたしたちの牧者なのです—」 今思い返せば、人間が絶対者の前ではアホな羊の群れであるというアナロジーを思いついた上で万人に説いた誰かさんの気持ちもとてもよくわかるんだが、 ちょっとお待ちください—と、14
偉い人たちが考えている:「日本企業がiPhoneやFacebookのような製品・サービスを生み出せず、サムソンに大敗するのはなぜだろう?」そして3秒後にこう答える。「最近の若者にハングリー精神が足りないからだ!」マジで言っているなら噴飯ものだ。あいつら、なんにも解っちゃいない。 老人と宇宙(そら) (ハヤカワ文庫SF) 作者: ジョンスコルジー,John Scalzi,内田昌之 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2007/02 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 46回 この商品を含むブログ (100件) を見る 一般的に、哺乳類は歳を取るほど保守的になり、若いうちほど挑戦的だ。ヒトもその例に漏れない。なかには大器晩成型のヒトもいるけれど、誰もがサミュエル・L・ジャクソンになれるわけではない。組織の平均年齢が高くなれば、それだけ保守的な集団になり、革新的なモノが生み出されなく
世の中には2種類の人間がいる。「批判する人」と「批判される人」だ。イラストや映像、あるいはパフォーマンス——手法は問わず、「自己表現」の得意な人がいる。そういう人はファンとアンチを獲得しながら、どんどん有名になっていく。「嫌い」は「好き」の次に強い感情であり、愛に近い。それゆえに、有名な人には口さがない批判が浴びせられる。自己表現の苦手な人は、誰かを批判することでしか自分を語ることができない。 純文学の世界で頑張っている友人と飲んで、そんなことを教えられた。 ◆ いつものアイリッシュパブで、純文学の創作をしている友人と飲んだ。ネットを介してお互いの動向は知っていたけれど、会話をするのはおよそ一年ぶり。私は以前、こんな記事を書いたこともあるため、一発ぐらい殴られるのを覚悟していた。が、ネタをネタとして笑ってくれた。ううむ、実力のある人ってどうしてこうも心が広いのだろう。 スタウトを舐めながら
私はオタクじゃありません。 インドアな趣味がちょっとだけ多いだけなのだ! というわけで(どういうわけだ?)、友人からオススメされたライトノベル『アイドライジング!』を読んだ。 業界では「硬派」な印象のある電撃文庫だが、めずらしくピンク色の表紙。まるでMF文庫Jみたいだとラノベ好きの間では話題になったのだとか。 近未来の東京湾に浮かぶハイテク都市「ニライカナイ」:この街で開催される美少女たちの格闘技「アイドライジング」は、国内外から絶大な人気を集めていた。最新技術の粋を集めたバトルドレスを身にまとい、少女たちはど派手な(だけど怪我しない)闘いを繰り広げている。プライドと友情うずまく競争のなかに、主人公アイザワ・モモは元気いっぱいに飛び込んでいくのだった——。 刊行は2011年の2月、ちょうど『魔法少女まどか☆マギカ』が世間を騒がせていたころだ。当時のことを思い返すと、男性ジェンダーロールから
※映画『トゥルーマン・ショー』のネタバレを含みます。 人生はおおむね平凡で、窮屈で、退屈だ。 たとえば寝不足の朝、あなたが駅のエレベーターに駆け込もうとしたら、先に乗っていた男子高校生に目の前でドアを閉じられてしまう。おかげで一本逃し、10分後の満員電車を使うハメになる。気分は最悪だ。つり革をどうにか確保したけれど、正面のシートには若い親子。子供が足をぶらぶらさせるから、あなたは何度もすねを蹴られる。母親が「やめなさい」と諫めても、三歳ぐらいの少年はいっこうに聞かない。こんな時間にガキなんか乗せるんじゃねえよ。あなたが胸の中で毒づいたとき、高らかにケータイが鳴った。すぐ隣の五十代後半のオッサンが通話を始める。マナーのかけらもありゃしない。こういうジジイに限って「最近の若者は——」とか偉そうにくだを巻くんだ。ファ●ク、みんな死ねばいい。ねっとりした車内の空気のせいで、あなたのいらだちは最高潮
社畜とは、会社に強い忠誠心を持ち、私生活を犠牲にして、会社での労働を第一に置くような価値観をもつ従業員を揶揄する言葉だ。「社畜論」については、日本では定職を持たず、その後、オーストラリアで修士号を得て、いまはシンガポールで会社勤めをする海外ニートさんのブログが面白い。(アクセスすると音が出るので気をつけてね) 先日、私は、「異なる文化をもつ人たちと働くということ」、「残業は恥だ」という日本の労働環境を批判するエントリを続けて書いた。私はかつてカナダのローカル企業で2年半くらい働いたし、その後も、韓国・中国・ベトナムなどに住んで、現地の人たちの働きぶりを観察する機会を持った。 とにかく、日本の職場の雰囲気や考え方は、海外の職場とは著しく異なる。しかも、北米(カナダ・アメリカ)の職場と日本以外のアジア(韓国・中国・インド・ベトナム)の職場の雰囲気は当然異なるものの、それでも日本のそれに比べると
◆10年後に食える仕事、食えない仕事 http://amzn.to/AatOu1 上記書籍の内容を踏まえて、日本人がこれからお金を稼ぐにはどういう仕事が良いのかについての方針をまとめました。 (注:この記事は Togetter のまとめなので、これ以降 RSS リーダーには配信されません。書評人サイトでご覧ください。) 10年後に食える仕事、食えない仕事 作者: 渡邉 正裕 出版社/メーカー: 東洋経済新報社 発売日: 2012-02-03 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る
コミュニケーションの時代だ。 企業の採用基準には「コミュニケーション能力」が必ずあがるし、私立高校や大学が対人スキルの向上を学習目標に掲げることも少なくない。いまの日本では、誰もが良好な人間関係を築こうと必死になっている。もちろん私だって、豊かな人間関係に囲まれて暮らしたほうがしあわせだということに異論はない。 けどさ、なんだかおかしくない? 良好な人間関係って、努力して作り出すものなのだろうか。自分がしあわせになるために? 出世して収入を増やすために? そんな下心にもとづいて創出した人間関係は、はたして本当の「絆」と呼べるのか。 そもそも日本人はシャイな国民性を有している、らしい。留学生の友人たちは異口同音に日本人の奥ゆかしさを指摘する。週末のパブでスタウトを片手に嫁さんの愚痴をこぼしたり、休日にご近所さんとBBQをしてHAHAHAと大声で笑ったり、そんな社交的な習慣とは無縁な文化を私た
決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF) 作者: アーサー・C.クラーク,Arthur C. Clark,伊藤典夫 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 1993/02 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 108回 この商品を含むブログ (165件) を見る >グローバル化により専業化・分業化が進み、私たちは豊かになる——らしい。 たしかに一人で作業をするよりも、役割分担をしたほうが生産効率は高くなる。家事をすべて嫁に押し付けるより、たとえば皿洗いと洗濯&風呂掃除とを夫婦で分担したほうが効率的だ。経済学には比較優位の原則という考え方がある。専業化・分業化が進むほど、私たちは豊かになる、基本的には。 グローバル化とそれにともなうsuper competitionにより、人類の専業化・分業化は極限まで進むはずだ。そして私たちの豊かさも最大化されるだろう。と、楽観的な経済批評家
※オトナって何だ!? 「最近の若者はどうしようもねえな」というセリフは、古代エジプトの壁画にも刻まれているという。若者の言葉づかいの乱れを憂いたのは清少納言だったか、それとも吉田兼好だったか。年長者が年下を叱責するのは、もはやヒトの本能に近い。 と、思っていたのだが、どうやら違うらしい。 震災後の日本社会と若者(2)小熊英二×古市憲寿 http://synodos.livedoor.biz/archives/1884961.html 日本では1970年以降、急速に「若者論」が流行るようになったという。たしかに時代は移り変わる。その流れについていけない人たちは、若者を貶めることで溜飲を下げるのだ。 冗談じゃない。 大人が「大人としての責務」を果たしていないくせに、勝手なことをぬかすな。いま必要なのは的外れな若者論ではなく「大人論」だ。 少なくとも私は言いたい、 「最近の大人はどうしようもねえ
家族の痕跡 いちばん最後に残るもの (ちくま文庫) 作者: 斎藤環 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2010/06/09 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 137回 この商品を含むブログ (15件) を見る 先週、41歳の超高学歴フリーターがパブリックマン宣言(ネット公人宣言)をした。何ということはない。もう自分はサラリーマンをするつもりも無ければ、ITゼネコン下請け受注開発をするつもりもないと宣言しただけだ。今生活スタイルを維持しつつも別の方法で食っていくと。氏は親と同居のようだが、そのくらいの年齢になれば今度は逆に親と住むのは合理的だ。ただそれは各家庭が選択すべきことで外野が指図するべきことではない。納税もしているのだろう。 自分が心から思うことは、氏はいろんな意味で恵まれているということだ。これはテラケイとも話したのだが、世間の目を気にして代で実家を含む親族にヘルプ
貧乏な家庭は、子供作っちゃだめですか? こんな記事があったので。夫婦年収500万で子供作ったらかわいそうなのか、と考えてみた。 中学受験の話をしたら、「そんなんできる層ならいいけどさー」みたいな話にどうしてもなったので、半ば意地である。 今の日本で税引き前500万という数字がどうなんかよくわからないが、素直に換算するとアメリカではそこそこ以上の大学を出て企業で働くことになった新卒の初任給に満たない。エリートでもなんでもなく、ちょっと名前の知れてる企業なら、新卒でそれ以上もらえる。それで少ない!とみんなブーブー言うくらい。人的役務提供産業の場合、名前が知れてなかったら余計高給だったりもする。人材とられたくないって。 あ、だからアメ人は大学出てすぐ結婚とかするのか。節税にもなるしな。 しかし、ここで言っているのは30代後半の夫婦合算でしかもこれ以上になる気配はなさそな前提。アメリカなら、ロウ
今日は、このエントリーに、私が今まで潜在意識の中でモヤモヤさせてきたものを一気に吐き出し、皆さんの意見を仰ぎたいと思います。 その契機になったのが、城繁幸さんの『3年で辞めた若者はどこへ行ったのかーアウトサイダーの時代』を読んだことでした。 阿部さんは、上記の本で日本には西欧風個人というものは存在しておらず、ただ世間があるだけだと喝破しました。 明治以来、学校教育に西欧風教育が導入されたものの、それは、日本には存在していない西欧風個人があたかも実在しているかの如き建前の教育であり、本音は世間にあったのですよ、と言う訳です。 わかりやすい例を挙げると、学校では「個人個人思い思いの夢を持ちなさい。」と教育されるものの、実際に大学にいかず小説家になることを志すと、「世間体が悪い。夢をあきらめて大学に行きなさい。」と親に説得されるなどが挙げられます。 「世間」とは日本の大人が生きていくためにまず知
ウィトゲンシュタイン入門 (ちくま新書) 作者: 永井均 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1995/01 メディア: 新書 購入: 8人 クリック: 36回 この商品を含むブログ (112件) を見る 先週、従兄弟の友人から『起業』したい。と相談を受けた。餃子の王将で3時間ほど従兄弟も交えて話したのだが内容は覚えておらず。ただ彼が連呼する「スタートアップ」「MBA」「ベンチャーキャピタル」「グリーの田中さん」「BOPビジネス」「ザッカーバーグ」という単語だけが私の脳の底に残っていた。 帰ってから「あいつは何者なんだ」と従兄弟に聞くと「MBA=M→マヌケ、B→バカ、A→アホ」と即答して笑わせてくれた。とにかく性格的には良い奴だが、痛い感じの意識高い同級生だそうだ。ある種の一部の最近よくいる愛嬌あるタイプなのかもしれない。彼の話した内容を一・二行で要約すると、 『自分は世界を変えたくて
「アクティブ・ノンアクション」とは、日々の業務に没入し、会社の中で求められる人材になり、充実して働いているけれども、新しい「旅」に踏み出せない状態の事を言います。 この言葉の重要な示唆は、「忙しく働く」ことは時に「充実感」を伴う、ということです。周囲から必要とされるのは気持ちの良いことです。 小説「アルケミスト—夢を旅した少年」の中には、主人公の少年がピラミッドを目指す旅に出る際に、心地良かった草原と大切な羊を「捨てる」姿が描かれています。 多くの人は、心地良い環境を重要視してしまい、まだ見ぬ世界を見ることを先延ばしにしてしまいます。そして、どこかで失敗を恐れてしまうものです。 新しいことを始めるためには、「心地良さ」を捨てる必要があります。 新しい旅に出る際には、恥や挫折も伴います。成功するかも分かりません。 「リーダーシップの旅」や「アルケミスト」には、心地良さを捨てて旅に出ることにこ
日本人の大学留学のボトルネックはぶっちゃけ1に金、2に英語力だろう。 そんなわけで、一晴の英語学習年表を公開します。 9歳−耳を鍛えるため?、NHKの『やさしい英会話』を視聴。何も身についちゃいないけどアメリカ人がどんな雰囲気で喋ってるかイメージをつかんだような。 13歳−中学校入学とともに公立教材よりは多少マシだと言われているプログレスにより英文のBasicを学ぶ。単語暗記に苦労する。 14歳−フェリスの英語教育に幻滅した親に英語専門の家庭教師をつけられる(1ヶ月だけ)。そこで、ロングマンのNew Concept English(英国発。中国でなぜか人気の教材。「新概念英語」です)という教材を使い、300語くらいの英文を丸暗記(!)し、暗唱する学習法にハマる。通学片道40分は毎日混じりっけ無い英文を聞き流す日々に突入。学内スピーチコンテストで優勝。 15歳−アメリカに進学することなど全く
わが国でイノベーションは興るのか?多くの識者が議論しているようだ。今の若者のバイタリティー・学力では無謀やら先は暗いとも言われている。しかし私は、もうイノベーションは始まっているのではないかと思っている。 イノベーションを語る前に現状の『学生』と、今なお運営されている『大学』という古墳の話をしたい。 近頃は大学生の基礎学力低下が懸念されていようだ。逆にバブル時代のように遊びほうけていないから、今の学生の方がマシだという意見もある。受験戦争時のバブル世代と比較して『ゆとり世代』の基礎学力自体は低いという意見もあるが、私には少し真偽は分からない。 ただ、今度は学生ではなく、大学側を見てみると少子化時代の生き残り戦略として定員数確保の為に入試回数を増やし、一般入試枠を逆に狭くすることで、見かけの難易度水準を水増ししている状態だろう。これは、特に私学で顕著かもしれない。 結局の所、若者の学力低下を
今年読んだ本の中の中でおもしろかったもの2冊を選んだら、 「未来」が共通するテーマになりました。 年末年始、今後の社会や生き方を考える際に 参考になりそうな本たちです。 ①大震災の後で人生について語るということ(橘 玲) ■ほとんどの人は選択肢など持っていなかった 今年あった一番衝撃的な出来事としては、 東日本大震災を思い浮かべる人がほとんどではないでしょうか。 私は今年の2月、地震が起こる約一ヶ月前に 留学先のニューヨークから東京に戻りました。 帰国直後のメモには 日本は嘘みたいに平和で安全できれいで なんだかうさんくさい。 リスクを包み隠している感じで、 それは時限爆弾のように崩壊の時を待っている。 と走り書きをしていました。 その私の予感は、今回の地震とそれに続く原発事故で 現実のものとなりました。 3月11日、 私は地元福島の家族や友人からの 返信がない電話を握り締めながら テレビ
quippedにはあんまり役に立つハウツーが出てこない。というのも筆者があんまりハウツーを知らないからだ。ただ英語に関しては12年間、第二言語として勉強してきたので、少しはハウツー的な話ができるかなと思って書いてみた。 題して「10年という短期間で英語をマスターする方法」だ。 長いので目次: 序(+筆者の英語力に関する記述) 読む 書く 聞く 話す 結論 序 3年前プログラミングを覚え始めた時に、Peter Norvigの10年間でプログラミングを独習する方法という記事を読み、深く感銘を受けた。NorvigはグーグルでDirector of Researchをしている著名なコンピューターサイエンティストだ。記事をざっくり要約すると「近道はない」なのだが、いくつか具体的な指摘もされている。 今回のぼくのハウツーも似たようなものだ。「10年なんて長過ぎる」「あと10年も生きないだろう」という人
東大駒場キャンパスで行われた TEDee に参加してきた。TEDee とは、TEDビデオを使った英語ディスカッションのグループである。都内6カ所で毎日、週10回以上やっているとのこと。ESS サークルみたいなものとは違って、Facebook 上でサインアップすれば、誰でも参加できるのが特徴だ(TED については「TOEICのリスニング問題よりも100倍以上面白くて刺激的なTEDで英語を学ぶ」を参照のこと)。今日のお題はこのビデオ。 スピーカーは長年、中東で働くベテラン英語教師でありながら、経済的機会を求めるあまり、母国語を軽んじて英語にばかり注意を注ぐ傾向に警鐘を鳴らす。言語的多様性の必要性を説く。なかなか考えさせられる内容になっている。なぜかというとこのビデオはいろんな矛盾をはらんでいるからだ。英語ばかりが言語ではない、と主張しつつも、世界中の人が彼女の言葉を理解できるのは、それが英語だ
価値観のズレがあれば、同じ現象を同時に目撃していてもそれに対する解釈の仕方は異なってくるでしょう。地球規模での情報化が個人レベルで体感できるようになった現在、それを空気のように感じる人間と、そうでない人間との価値観のズレは相当のものがあるように感じています。私の言葉でいうと、露出社会の住人か否かのズレは深刻です。 さて、報酬無しでブログを書くこと、報酬無しで動画をつくること、NPOでただ働きをすること。 このような人間の行為について、あなたはどのように感じるでしょうか? 「それって、奴隷労働じゃないの?」 「単なる趣味だろう、取るに足りない。」 そのように感じる人も、もしかしたらいるかもしれません。 でも、今水面下で進んでいるのは、一見、奴隷労働や取るに足りない趣味のように思えるものに、人々は組織で賃金をもらう仕事よりも、熱狂しており、自らのアイデンティティを置き始めているという現象なので
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