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中東情勢
showatoboku.hatenablog.com
我が町のどこの農家もそうだが、農閑期になると男達は出稼ぎに行った。父さんは山の飯場に泊まり込み木の伐採の仕事をしていた。母さんは隣町の製材所に手伝いに行っていた。僕の町は田舎でA市やF市から遠かったので買い物にはなかなか行けなかった。当然、僕たち子どもはお菓子を食べる機会が少なかった。 そこで母さんは仕事が休みになるとたまにお菓子を作ってくれた。母さんが作るお菓子はかりんとうと羊羹で蒸しパンも作ってくれた。かりんとうは生地をのばし丁度良い大きさに切り、油で揚げて黒砂糖と水あめで作ったタレで絡めて乾燥させて完成だった。僕は完成品を待っていられず揚げたての生かりんとうを母さんに怒られながらも食べた。母さんはタレ付きのかりんとうを食べてもらいたかったのだと思う。揚げたての生かりんとうはそれはそれで美味しかった。羊羹は自家栽培の小豆から煮て餡を作り容器に流し入れ固めるのだが、寒天が足りなかったのか
僕が小学校から帰って来るとこのような秋は、お菓子ではなく竹笊に茹でたとうきびや鍋に蒸かしたかぼちゃとさつまいもがテーブルに置いてあった。馬にも食べされるのかと思うぐらいこれでもかと毎日置いてあった。実際僕の家に農耕馬がいた。 さつまいもは我が家では作っていなかったので最初になくなった。いつも最後に残るのがかぼちゃだった。かぼちゃは栗のような甘い味だったが、畑で作っていたので僕は食べ飽きてしまった。かぼちゃに限らず食べ物を残すと世界には食べれない人もいるのに粗末にするなと親からは口癖のように言われた。かぼちゃをパイ・プリン・ケーキにするお洒落な習慣はなく、かぼちゃ団子が精精だった。 じいちゃんはこの時期になると寒いと言って薪ストーブを焚いていた。ストーブにかぼちゃの皮の方を直に置き、焦げるまで焼くと皮の近い部分がほっこりし更に美味しくなった。 僕はいつもこの時期なるとこのような食べ方が一番好
僕が中学生の夏、農作業の手伝いで一服休みになるとご褒美のおやつはアイスキャンディーだった。アイスキャンディーは10円だった。しかも農協で買うと1割引きで9円だった。100円でアイスキャンディーが11本買えた。兄ちゃんがいるとバイクで農協に買いに行ったが、兄ちゃんがいないと僕が買いに行く当番だった。 農協は町の中心部にあり家から3~4kmの距離があった。愛車の5段変速の自転車で頑張っても片道10分くらい掛かった。農協の買い物袋は紙袋だった。夏の暑さの水滴で紙袋がベロベロになり破れて中のアイスキャンディーが落ちる可能性があった。10分はアイスキャンディーの限界だった。僕は自転車の荷台横に付いていた学生鞄用のカゴに入れ必死にペダルを漕いだ。 買い物当番は好きなアイスキャンディー2本選ぶ権利があった。僕は一番好きなバナナアイスとダブルソーダを選んだ。でもアイスキャンディーはベロベロに溶けていた。で
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