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その上品な文体と巧妙なレトリックで文筆家としての天性の才能を見せ付け、昨年の小説デビューから怒濤の勢いで作品を発表し続ける作家、嶽本野ばら。そのどれもがベストセラーとなり、各種媒体からのオファーも殺到。嶽本野ばらという存在に、ある種運命づけられたマイノリティは、この混沌とした時代の中で最早武器となりつつある。そんな彼のことを人は“乙女のカリスマ”と呼ぶ。中原淳一的少女世界や、ロリイタファッションなど、“ガーリー”などと軽々しく呼ぶことの出来ない所謂乙女文化とは一体何なのか? 嶽本野ばら氏への2時間に亙るロングインタビューを前・後編、2回に分けて掲載する。 六畳川 智人 カフェ小品集など読ませてもらうと、特に「クンパルシータ」の辺りとか切なくて仕方がないんですけど、あれはやっぱり野ばらさんの実体験なんですか。 うーん。その辺は実体験だったり嘘だったり。 例えばね。東京に来た理由って
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