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序 最初の十年の教訓 「一九九〇年代にフクヤマが示したユートピアは二度死ななければならなかったようだ。9・11によって、リベラル民主主義の政治ユートピアは崩壊したが、グローバル市場資本主義の経済ユートピアは揺るぎはしなかった。二〇〇八年の金融大崩壊に歴史的な意味があるとすれば、それはフクヤマが夢見た経済ユートピアの終焉のしるしであるということだ。」(p. 14) 「現代のありようをつかもうとして、「ポストモダン社会」「リスク社会」「情報化社会」「脱工業化社会」等々、次から次へと新語をひねり出す人ほど、ほんとうに新しいことの輪郭を見逃してしまいがちなものだ。新しき者の真の新しさを捉える唯一の方法とは、古きものの「永遠の」レンズを通して世界を見ることだ。実際コミュニズムが「永遠の」しそうであるのならば、それはヘーゲル哲学における〈具体的普遍性〉として機能する。」(p. 16) 第1部 肝心な
ジュディス・バトラー 『触発する言葉 言語・権力・行為体』 竹村和子訳、岩波書店、2004年 序章 言葉で人を傷つけること トニ・モリスンは一九九三年にノーベル文学賞を受賞したときの講演で、とくに「表象の暴力」について話をした。彼女は「抑圧的な言葉は、暴力を表象するだけではないのです。それ自身が暴力なのです」と述べた。モリスンは一つの寓話をもち出して、そのなかで言語を「生き物」に譬えたが、この譬えは間違ったものでも、非現実的なものでもなく、言語についての真実を語っている。この寓話のなかで幼い子どもたちは悪ふざけをし、盲目の女に、自分たちの手のなかの鳥が生きているか死んでいるか当ててごらんと問うている。盲目の女は、この問いに答えるのを拒み、それをずらしてこう言う。「わからないわ……でもわかっていることは、それがあなたたちの手のなかにあることよ。それはあなたたちの手のなかにあるのよ」(The
ブリコラージュ@川内川前叢茅辺 書 揺動する心 -初めて出合ったハンマースホイ (1)- 純化する表現と透明な時間 -初めて出合ったハンマースホイ (2)- 闇を超克する、その機制 -セガンティーニをめぐる戸惑い- 借用本のための抜き書きメモ ジル・ドゥルーズ 『スピノザ 実践の哲学』 ミシェル・フーコー 『監獄の誕生―監視と処罰―』 ミシェル・フーコー 『知の考古学』 『ミシェル・フーコー思考集成 VIII』 (1879-81 政治/友愛) スラヴォイ・ジジェク 『ポストモダンの共産主義』 ジョルジュ・バタイユ 『ニーチェの誘惑』 アントニオ・ネグリ 『さらば、“近代民主主義”』 アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート 『マルチチュード』 (上) アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート 『マルチチュード』 (下) ジュディス・バトラー、エルネスト・ラクラウ、 スラヴォイ・ジジェク 『偶発性・
ガーヤットリー・チャクラヴォルティ・スピヴァク 『サバルタンは語ることができるか』 上村忠男訳、みすず書房、1998年 1 主体としてのヨーロッパの歴史は西洋の法、経済、イデオロギーによって物語化されたものであるにもかかわらず、この隠蔽された主体はそれが「地政学的規定を持たない」と言いつくろう。主権的主体についての広く喧伝されている批判は、このようなしかたでもって現実にはひとつの主体を立ち上げているのだ。わたしは、その批判の二人の偉大な実践家によって書かれたひとつのテクストを考察することをとおして、この結論を論証しようと思う。「知識人と権力――ミシェル・フーコーとジル・ドゥルーズとの対談」〔1972年3月4日。『アルク』誌第四九号に掲載、原文はFDと略す〕がそれである。(p. 3) その対談への参加者たちは、フランスのポスト構造主義理論のもっとも重要な貢献がつぎの二点にあることを強調してい
序文 ジェンダーの意味にまつわる現代のフェミニズムの議論は、たいていの場合、何らかのトラブルの感覚に行きついてしまう。ジェンダーの意味をひとつに決定できないことが、まるでフェミニズムの失敗だと言わんばかりである。だがトラブルを否定的ニュアンスだけで考える必要はないだろう。 (p. 7) わたしはボーヴォワールを読み、男中心の文化の中の女の存在は、男にとって、謎や理解不可能さの源であることを知った。そしてこのことはサルトルを読んだときにさらに確実なものとなった。サルトルのとっては、欲望――疑わしいことに、異性愛的で男性的なものだと考えられている欲望――は、ことごとくトラブルとみなされているのである。欲望を持つ男の主体にとってトラブルがスキャンダルとなるのは、女という「対象」がどうしたわけかこちらのまなざしを見返したり、視線を逆転させたり、男の立場や権威に歯向かったりし、それによって女という「
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