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ドラクエ3
suibien.hatenablog.com
担ぎ手のひとりがうっかりして足で腕を踏み真っ先に悲鳴を上げてしまったので、この嫁入り行列はすぐに駄目になった。なんということだとサーッと場が引き、一行の中のひとりがどこに隠していたのかも分からない白い大刀を取り出した。「どうしたんだ!?来たのか!?」。街中が大騒ぎになり、謝憐がもう一度見てみると分離した頭と身体は生きている人ではなく、木の人形だった。 扶揺はまた「醜すぎる!」と叫んだ。 ちょうど茶店主が銅のやかんを持って来たので、謝憐は昨日の様子を思い出して聞いた。「店主、昨日も街中で鳴り物入りの行列を見たのですが、今日もいます。彼らは何をしているんですか?」 茶店主は言う。「死にたいんですよ」 「ハハハ……」 謝憐も意外ではなかったが「彼らは鬼新郎をおびき出そうとしているのですか?」と尋ねた。 「他に何があるっていうんだい。行方不明になった新婦の父親が鬼新郎を捕まえて娘を見つけてくれたら
「おめでとうございます。太子殿下」 その言葉に謝憐は頭を上げ、話す前に微笑んで言った。「ありがとう。でもなぜ私にお祝いを言ってくれるのか、聞いてもいいですか?」 霊文真君は手を後ろに組んで立った。「優勝おめでとうございます。”下界に追放されることを最も望まれている神官順列”の第一位です」 「いずれにしても一位か。でもあなたがお祝いしてくれた以上、何か気に入ることがあるはずでは?」 「あります。この順列の第一位は百の功徳を得ることができるんです」 謝憐はすぐに言った。「次回もこのような順列があれば、また必ず連れてきてほしい」 「第二位は誰だか知っていますか?」 謝憐は少し考えて言った。「当てにくいね。実力なら、私一人で上位三位を独占できるはずだから」 「似たようなことです。ほかの二名はいません。あなた以外誰も遠く及びません」 「本当に恐れ入る。この前の一位は誰だったんでしょう?」 「誰もいま
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意外にも謝憐はこう言った。「きみは野史伝聞を見て、ということだけど、確かに半月国は存在した」 三郎は「へえ?」と言った。 そのとき、南風はようやく地上に幾重にも重なった陣法を描いて立ち上がった。「よし。いつ出発しますか?」 謝憐は素早くふろしきに荷物を詰めて扉の前に来て言った。「今にしましょう」 彼は扉に手を当てて「天官賜福、百無禁忌!」と言うと、優しく押した。 扉を押すと外には小さな山の斜面や村もなくなっていて、代わりにがらんとした通りがあった。 この大通りは道幅は広いものの人通りは少なく、しばらくしてやっと一人か二人の通行人を見かける程度だった。今の空が暗いからではなく、北西の地は人口が少ないからだ。それに加えてゴビ砂漠に近いこともあり、昼間でも道行く人はあまり多くはないのだろう。謝憐は外に出て逆手で扉を閉めてから振り返ると、菩薺観はどこにいったのだろう?背後は、明らかに小さな宿屋だっ
この満天の神仏世界には、有名な三界の笑いの種がある。 それは八百年前と伝えられている。中原の地にあった古い国、名は仙楽国。 仙楽古国は広い土地に豊かな物資を持ち、民の気質は穏やかで明るい。国には四つの宝があり、美人如雲、彩楽華章、黄金珠宝。そして、有名な太子殿下だ。 この太子殿下はどのようにいったらいいか、珍しい男子だ。 王と王妃は彼を”掌の中の明珠”ととても慈しみ、寵愛を深め、いつも自慢していた。「この子は将来必ず英雄となる、永遠に名を残すだろう」 しかしながら、俗世の王権や富に、太子はまったく興味がない。 彼が興味をひかれるのは、彼がよく自分で言っている言葉で話すと―― 「私はすべての人々を救いたい!」 ・ 若かりし頃から修行に励む太子には、広く伝わる出来事がふたつある。 第一の出来事は、彼が十七歳の頃に起こった。 その年、仙楽国では盛大な上元祭が行われた。 この伝説的な神事はもう数百
彼らの目線に気づき、謝憐は小さく微笑み振り返ると「本当の呪枷を初めて見たのかい?」と言った。 呪枷とは、その名の通り呪いによって形成された枷である。 天界から左遷された神官は、天の怒りを罪の封印に変えてその身に加え、束縛を形成し、神力を封じ、永遠に取り除くことができないよう教えた。顔に刺青を刺したり手足を鎖で縛ったりするようなもので、刑罰であり警告であり、恐ろしくもあり恥辱でもある。 二度天界から落とされた三界の笑い者である謝憐には、当然そんな呪縛があった。このふたりの小武官はこのことを聞いたことが無いはずはないが、実際に目で見ることとは大きな差があった。なので彼らがこのような露骨な表情を見せても謝憐は理解できないわけではなかった。 これはふたりの小武官の心の中で気を悪くしたのではないかと推測した。あまりいいものではないから。 着る服を探しに外を一周しようとしたが、扶揺が白目をむきながら言
それ以来、収拾がつかなくなった。それから百年近くの間に、十七人の花嫁が与君山一帯で姿を消している。十数年以上何も起こらないこともあれば、わずか一ヶ月で二人が行方不明になることもあった。与君山には鬼の花婿が住んでいて、気に入った女がいたら嫁に行く途中で捕らえ花嫁行列ごと食べてしまうという恐ろしい伝説があっという間に広まっていた。 これはもともとは天に届いていなかった。なぜなら、十七人の花嫁が行方不明となったが、ほとんどは無事だったからだ。いずれにしても彼らを見つける方法はないし、彼らを守る方法もないので、彼らは自分たちが持っているものでなんとかするしかなかった。ただ、この地域では娘と結婚する勇気のある者が少なく、地元の若者が結婚しても大々的にはできない。しかし、この十七人目の花嫁の父は官職に就いていた。彼は娘を寵愛していたため、この地の伝説を聞いて勇武絶倫の武官四十人を選んで娘の護衛としたが
昔の主上は、無線香・無道観・無信徒の三無しで笑いの種となった。しかし、ふたりの侍従は天劫を乗り越え飛昇し、一方に鎮座する大武神となった。このような状況で誰もが考えないわけにはいかない。謝憐が風信と慕情のどちらかを選ぶか気になるならば、彼は「どちらでもいいよ!」と言うだろう。しかし他人に選んでもらうならば、謝憐と風信の殴り合いを見たいのか、それとも謝憐と慕情の喧嘩を見たいのか、それぞれ好みがある。結局のところ、どちらの殴り合いにもそれなりの理由があって、その優劣を見分けるのは難しい。 なので、風信が長い間返事をせず一言も声を発しないまま隠れたので、皆は失望した。謝憐は尻尾を巻きさらに自分を叩いて言った。「こんなことになるとは思っていなかったけれど、わざとではありません。皆さん、ご迷惑をおかけしました」 「ああ、それは偶然だったんでしょうね」と慕情が冷たく言った。 折よく謝憐もなんて偶然だと思
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