記憶力がピーキーである。自分の記憶力がどれくらい使いにくいかというと、ロマン砲くらい使いにくい。特定のものに対する記憶力は働くのだが、覚えられないことは全然覚えられない。まあ、読んで面白かった小説や観て感動した映画のことは忘れないので、それはそれでいいと思っていた。スティーヴン・キングの「しなやかな銃弾のバラード」より覚えておかなければいけない物事なんてそうそうない。 しかし、そうも言っていられなくなってきた……とここ数年感じている。 発端は確かプチ同窓会だった気がする。私は基本的に誘われれば何処にでも行くので、その集まりにもパキパキ参加しに行った。 そして驚いた。中学時代に友人だったりクラスメイトだったりしたみんなのことが全く分からないのである。今でも交流がある親友や幼なじみとは普通に会話が出来るのだが、曲がりなりにも三年一緒にいたはずの旧友……のことが他人としか思えない。みんなは自分に