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夏の料理
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電池の分野で、一番ホットな話題と言えば「全固体電池」でしょう。 全固体電池は、次世代電池の高性能電池として期待されていますが、少し前まで実用化は2030年以降と言われていました。 しかし、各メーカーのしのぎを削る競争で開発が一気に進み、実用化が目前に迫ってきました。 全固体電池とはどんなもので、なぜこれほど注目されているのでしょう。 今回は、全固体電池の謎に迫ってみたいと思います。 全固体電池とは何か? 全固体電池というのは、言葉通り「全て固体でできている電池」のことです。 多くの電池では、電極材料(活物質)は固体ですが、その間に電解液と呼ばれる液体があります。 この電解液を固体にしたものが全固体電池です。 電解液の役割 電解液は、正極と負極の間で、電荷を持ったイオンを移動させる役割を持っています。 それを固体にするためには、イオンが移動する固体が必要です。 これを固体電解質と呼びます。
冬になると、道路の凍結を防いだり雪を融かすために、凍結防止剤、融雪塩が大活躍します。 日本では、凍結防止剤に塩化カルシウム(通称:塩カル)が使うことが多いのですが、なぜ塩カルが使われるのでしょう。 塩カルが使われている理由とその性質を、わかりやすく説明してみます。 凍結防止剤、融雪塩とは 凍結防止剤と融雪塩(融雪剤)、目的は違いますが、物質としては同じものです。 予め凍結を防ぐために使う場合は「凍結防止剤」、雪を融かす目的で使う場合は「融雪塩」と呼ぶのが一般的です。 しかし、実際には厳密に使い分けられてはいないようです。 凍結防止剤の作用:凝固点降下 凍結防止には、物質が水に溶けることで凝固点を下げる「凝固点降下」という現象を利用しています。 水は0℃で凍りますが、他の物質が溶けていると0℃でも凍らなくなる現象です。 凝固点降下は水に溶けるものならどんな物質でも起きるので、何を使ってもいい
メタンハイドレートをご存じですか? 燃える氷とも呼ばれ未来のエネルギー源として期待されている物質です。実はこのメタンハイドレート、普通の化学物質とはちょっと違う変わったタイプの化合物です。 一体メタンハイドレートとは何なのか? その不思議さをわかりやすく解説してみます。 メタンハイドレートとはどんな物質か メタンハイドレートは、「メタン」と「ハイドレート」に分けて考えるとわかりやすくなります。 メタンとは メタンは、化学式 ”CH4” で表される、最小の有機化合物です。 天然ガスの主成分で、微生物(メタン生成菌)によっても生成され、沼地などで発生することもあります。 メタン生成菌は、草食動物の腸内にも存在していて、わずかですが人間の結腸にもいます。 牛のげっぷにはメタンが多く含まれますし、人間のおならにも少しメタンが含まれています。 わたしたちには、なじみ深い燃料といっていいのではないでし
ブラウン運動とは、微細な粒子が液中で不規則に動くというもので、分子が存在する証拠として中学の理科の授業でも習うものです。 実はブラウン運動が発見されてから、分子によるものと認められるまで約80年もかかっています。 一見当たり前のように思えることが認められるまで、何故これほどの時間が必要だったのでしょうか。 そこには、大きな壁があったのです。 ブラウン運動とは ブラウン運動とはどんなものでしょうか? まずはブラウン運動の発見の歴史からみてみましょう。 ブラウン運動の発見 ブラウン運動は、1827年に ”ロバート・ブラウン” が、見つけました。 水中で花粉が破裂してできた微細粒子を顕微鏡で観察するという実験をしたときに、不規則に動くことを発見したのです。 そして他の微細な粒子でも同様の現象が起こることを実験で確認しました。 その当時、分子の存在は確認されていませんでしたが、物質は原子からできて
思考実験というものを知っていますか? 実際に実験や測定を行うことなく、頭の中だけで想像する実験のことです。 思考実験は、物理や哲学の分野でも大きな役割を果たしてきました。 科学の世界で行われた思考実験をちょっとのぞいてみましょう。 物理で一番有名な思考実験とは? 思考実験という言葉は、19世紀の物理学者 ”エルンスト・マッハ” が名付けたものです。 そのマッハが「偉大な歴史的な役割を果たした」と称賛したのが、”ガリレオ・ガリレイ” が行った落下の思考実験です。 重さの違うふたつの物体をひもでつないで落下させる、という簡単な思考実験から「重いものも軽いものも同じ速度で落下する」というそれまでの常識と異なる結論を出したものです。 詳しくは別記事に書きましたが、単純明快な思考実験で2000年ものあいだ常識とされていた考えを覆したのです。 ≫≫ガリレオの落下実験 重いものも軽いものも同時に落下する
ブログを運営している人なら、Google砲という言葉を聞いたことがあるでしょう。 大きなニュースサイトや有名なブログだけしか関係ないことだと思っていませんか? そんなことはありません。 作ってから3か月も経っていないこのブログでもGoogle砲の恩恵を受けました。 そう、Google砲は弱小ブログに着弾することがあるのです。 Google砲とは一体なに? Google砲というのは、Googleおすすめ記事(Google Discover)に掲載されてアクセスが一気に増えることを指します。 Google Discoverというのは、スマホのGoogleアプリや、Chromeで新しいタブを開いたときに表示される「おすすめ記事」のことです。 *Googleアプリだとこんな感じ *スマホ版Chromeだとこんな感じ ユーザーの閲覧履歴などから、興味に沿った記事を選んで表示させるという仕組みです。
最近(ここ10年くらい)注目されている材料として「セルロースナノファイバー」または「ナノセルロース」と呼ばれるものがあります。 その特徴を並べると「夢の材料か?」と思うほどの特性を持っていますが、実は古くからあるものなのです。 そのセルロースナノファイバーの実態に迫ってみたいと思います。 セルロースナノファイバー(ナノセルロース)とは まず、セルロースナノファイバーとはどんなものなのか簡単に説明したいと思います。 セルロースについて セルロースナノファイバーには「セルロース」という名前が含まれています。 セルロースについては別記事『セルロースとは? 植物が生んだ万能材料』でも説明していますので詳しくはそちらをみて頂くとして、ここでは簡単な説明に留めておきます。 Wikipediaの「セルロース」の項をみてみましょう。 セルロース (cellulose) とは、分子式 (C6H10O5)n
コペルニクスの地動説はコペルニクス的転回だったのか? という記事で、コペルニクスの地動説を説明しました。 そこで地動説はコペルニクス的転回の第一歩に過ぎないという考えを示しました。 今回は、続きとして、その後に起きた本当のコペルニクス的転回、パラダイムシフトの経過を辿ってみたいと思います。 コペルニクスの地動説の復習 とりあえず、前記事の復習です。 地動説は、古代ギリシャの時代からありましたが、 地球が動いているのなら地球上のものが取り残されるはず 地動説が本当なら観測されるはずの年周視差が観測されないこと プトレマイオスの天動説で惑星の運行が計算できるようになったこと という理由で廃れていきました。 それを復活させたのが、”ニコラウス・コペルニクス” で、地動説では1年の長さが自然に説明できることが、主な理由でした。 そして、プトレマイオスの天動説と同じように惑星の運行を計算できるモデル
今では自動車に必ず搭載されているエアバッグ。 このエアバックの仕組みを知っていますか? 衝突したときに一瞬にして開くのはなぜか、どのような原理で搭乗者を守るのか、簡単そうで難しいその仕組みについて、説明してみます。 そしてエアバッグの歴史。エアバッグを語る上では欠かせない、発明者についての秘話にも触れていきたいと思います。 エアバッグの仕組み まずは、エアバッグが作動する仕組みと、搭乗者を衝撃から守る仕組みのです。 イメージとは違うかもしれませんが、それほど難しいものではないので、わかりやすく説明してみます。 衝突時に開く仕組み エアバッグは車が衝突した瞬間にバルーンが開きます。その時間は、わずか0.2秒。 このように瞬時に開くのは、一体どういう原理なのでしょうか? 衝突の感知 車が衝突すると一気にスピードがダウンします。 それを加速度センサーでキャッチして、センサーの情報を元にエアバッグ
トヨタの ”MIRAI” やホンダの ”クラリティ フューエル セル” といった燃料電池自動車、家庭用発電機の ”エネファーム” など、さまざまな場所で活躍している燃料電池。 普通の電池とは違うものだということは知ってても、詳しいことはわからない人も多いと思います。 そこで、燃料電池の仕組みやメリットについて、わかりやすく解説してみます。 燃料電池の仕組みと水の電気分解 燃料電池に入る前に、水の電気分解の話をします。 それさえ知れば、燃料電池の大まかな仕組みは理解できるからです。 水の電気分解 水溶液(電気を通すもの)に電極を入れて電流を流すと、水が電気分解されて酸素と水素ができます。 これが電気分解です。 酸素が発生する反応 酸素が発生する反応は以下のように表せます。 2H2O→O2+4H++4e– 水(H2O)が、電子(e–)を引き抜かれて、酸素(O2)と水素イオン(H+)になる反応で
金属が塩水にさらされると腐食が進んで錆びていきます。 普通の水より塩水の方がよく錆びる理由を知っていますか? そこには、電池の仕組みが大きくかかわっています。 金属が塩水で錆びていく仕組みと機構を簡単に説明していきましょう。 ボルタの電池 塩水で錆びる原因を考えるには電池の仕組みを知らなければいけません。 そこで、電池の基本となっている「ボルタの電池」を例にとって簡単に説明してみます。 ボルタの電池の構造 ボルタの電池は、硫酸の水溶液に、亜鉛(Zn)と銅(Cu)の電極を入れて電線でつないだものです。 ボルタの電池の反応 ボルタの電池では、亜鉛側では Zn が Zn2+ というイオンになり溶けだす反応が起こります。 そのとき、電子e–をふたつ導線に送りだします。 銅側では、水溶液内の水素イオン(H+)ふたつが、水素分子(H2)になるという反応が起こります。 その時に導線から流れてきた電子をふ
ダイオキシンと言えば、史上最強の猛毒として知られ、たった12キログラムで日本人全員を殺すことができるといわれてました。 実はこのダイオキシン「人に対する毒性は低いのでは?」という説が有力になってきているのです。 今回は、そんなダイオキシンについての話です。 ダイオキシンとは? ダイオキシンは、ダイオキシン類と呼ばれる化合物の総称ですが、ここでは最も毒性が高いとされる ”2,3,7,8-テトラクロロジベンゾパラダイオキシン” について説明します。 ダイオキシンは塩素を含むものを燃やすと発生するので、焚火や火事でも作られてしまうという厄介な性質を持っています。 あえて製造しなくても、勝手にできてしまうのです。 特に問題なのは、ゴミの焼却処理で発生するダイオキシンでした。 800℃以上で燃焼するとダイオキシンの発生がないため、現在のゴミ焼却処理では高温で燃焼させたあと、急速冷却するという措置が採
ハイオクガソリンとは? 無鉛ガソリン、有鉛ガソリンとは? レギュラーガソリンと何が違うの? 2023 12/14 最近のガソリンスタンドには、ディーゼル車用の軽油の他に、レギュラーガソリンとハイオクガソリンの2種類のガソリンがあります。 ハイオクガソリンは、レギュラーに比べて、1リットル当たり10円くらい高いので、ハイオクの方が高級だということは想像つくでしょう。 また、「有鉛ガソリン」「無鉛ガソリン」というガソリンスタンドでは見かけないガソリンの種類を聞いたことがある人も多いと思います。 でも、これらのガソリンの種類で実際何が違うのか、よく知らない方もいるかと思います。 そこで、ハイオクガソリンとレギュラーガソリン、有鉛ガソリンと無鉛ガソリンの違いについて、簡単に説明してみましょう。 少し込み入っていますが、わかりやすいよう順番に説明していきます。 ハイオクガソリンの正式名称は「ハイ-オ
以前の記事『確率は難しくて当たり前? 数学者も悩んだ確率論の話』で、17世紀の有名な数学者が確率に悩んでいたことを説明しました。 同じように数学者を悩ました確率の問題に「モンティー・ホール問題」と呼ばれるものがあります。 この「モンティー・ホール問題」が論争になったのは、なんと1990年のこと。 これほど最近になっても数学者が悩むような問題があったのです。 ※「モンティーホール問題」は納得しずらいことから「モンティーホールパラドックス」とか「モンティーホールのジレンマ」などと呼ばれることもあります。 モンティーホール問題とは ”モンティ・ホール問題” というのは、モンティ・ホールさんが司会を務めるアメリカのゲーム番組から発生したものです。 後に大論争になるのですが、その元ネタはいたって単純です。 モンティー・ホール問題の大元 モンティー・ホールは次のようなゲームが元になっています。 プレイ
強力な紫外線から私たちを守ってくれているオゾン層。 そもそもオゾンとはどんな物質で、どのような仕組みで紫外線を防いでくれているのでしょうか? その仕組みをわかりやすく説明してみます。 また、オゾン除菌やオゾン水など身近にあるオゾンの性質や危険性についても簡単に説明します。 オゾンとは何か オゾンは酸素原子が3つつながった構造をした物質で化学式では、O3と表されます。 普通の酸素分子はO2なので、酸素より酸素原子が1つ多くなっています。 沸点が−111.9 ℃の気体で、オゾン臭と呼ばれる独特の匂いがします。 ちなみにオゾンという名前は、ギリシア語で「臭い」を意味する Ozein に因んで名づけられたようです。 オゾンが紫外線を防ぐ仕組み オゾンO3は紫外線によって、酸素分子O2と酸素原子Oに分解します。 そのとき、波長が320ナノメートル以下の特に有害な紫外線(UV-B、UV-C)を吸収して
フロンは、オゾン層を破壊する物質だということを知っている人は多いでしょう。 オゾン層は、上空10~50キロメートルの成層圏にあって、有害な紫外線が地表に届くのを防いでくれています。 そのオゾン層を破壊するということで、フロンの生産や使用は制限され、もはや身の回りで目にすることはありません。 今では、すっかり悪役になってしまったフロンですが、開発当時は「夢の化学物質」と言われて大歓迎された物質だということをご存知ですか? そんなフロンの特性と歴史をわかりやすく説明してみたいと思います。 フロンとは何か 実はフロンは特定の物質の名前ではなく、「フロンとは何か?」と訊かれても明確な答えはありません。 Wikipediaにも フロン類(フロンるい)は、炭素と水素の他、フッ素や塩素や臭素などハロゲンを多く含む化合物の総称。場合によって指す物質の範囲は異なる。 Wikipedia と書かれています。
ブラックホールとは、光も抜け出せすことができない、全ての物質を飲み込む穴のようなものです。 このブラックホールのことを知るには、研究の歴史を辿るのが一番わかりやすいはずです。 そこで、ブラックホールの研究の歴史を簡単に説明してみました。 わかりやすさ重視のため、正確性に欠ける部分もありますが、ご了承願いいます。 ブラックホールとは? 簡単な説明 ブラックホールは大きな質量をもっていて、その大きな重力で光を含む全てのものを飲み込む天体です。 「ブラックホール」という名前は、1960年代後半から使われ始めていて、50年くらいの歴史があります。 ブラックホール研究の歴史 ブラックホールの研究が活発になったのは1960年代からですが、ブラックホールの着想はその200年前にさかのぼります。 そこからの研究の歴史を順を追って、説明したいと思います。 脱出速度 「脱出速度」という言葉を聞いたことがありま
このブログは「多くの人に理系の分野に興味をもってもらいたい」という目的で運営しています。 (詳細は別記事『ブログの内容や目的を言語化してみた ブログのたな卸しのすすめ』参照) でも、まだまだ微力です。 自分の力が足りないのなら、科学の面白さを発信しつづけている人を紹介して、そのコンテンツに触れてもらうという方法もあります。 そこで今回は「科学の面白さを知ってもらいたい」と精力的に活動されている『サイエンスコミュニケーター くもMさん』のことを広く知ってもらいたいと思って記事にしました。 りけいじんが勝手に尊敬している人です。 くもMさんってどんな人 くもMさんに許可を頂いて掲載しています くもMさん(Twitter:@science_kido )は、サイエンスコミュニケーターとして、科学実験教室のアシスタントや科学実験イベントを通して「科学を通じて学びを遊びに変える活動」をされています。
1945年8月6日に広島、8月9日長崎に原子爆弾が投下されました。 日本人にとっては忘れられない、そして忘れてはいけない出来ごとです。 その原子爆弾をアインシュタインが開発したと思っている人が大勢います。 開発者とまでいわなくても、アインシュタインの相対性理論のせいで原子爆弾が作られたとか、自らの理論を証明するために原子爆弾の開発を進めたというなど、原爆開発の責任をアインシュタインに求める意見はよく見ます。 実際のところどうなのでしょうか? とりあえず、わかっている事実だけを挙げて、自分の考えを示したいと思います。 アインシュタインの相対性理論と原子爆弾の関係 まず、原子爆弾の開発とアイシュタインの相対性理論との関係から説明していきましょう。 原子爆弾開発の流れ 原子爆弾(ヒロシマ型原爆)は、ウランの核分裂を利用したものです。 核分裂は、原子核が分裂して2つ以上の原子核に変化する現象で、1
前の記事(熱力学第二法則が進化論を否定するって本当?)で、生物の持つ情報とエントロピーの関係について述べましたが、読み返してみると「生物は、情報量が多いのでエントロピーが大きい」と主張しているように受け取れられそうな気がします。 そんなことはありません。生物はそれなりにエントロピーが小さいものです。 言葉足らずの部分を補足して、真意を伝えたいと思います。 情報量が多いからエントロピーが小さいという主張について (熱力学第二法則が進化論を否定するって本当?)での説明を抜き出してみます。 (情報熱力学によれば)「情報量が多いほどエントロピーが大きい」 のです。 「生物は情報量が多いから秩序正しく、エントロピーが小さい」 という主張とは正反対です。 これは、熱力学第二法則を用いて進化論を不定する人たちが、その根拠として「生物は情報量が多いから秩序正しく、エントロピーが小さい」と表現していることに
役に立たないかもしれませんが、知るとちょっと嬉しくなる理系の雑学をわかりやすく紹介します。 理系分野に苦手意識を持つ人も多いと思いますが、学校の勉強とは違う純粋な面白さを味わってください。
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