サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
衆院選
trend-of-thought.biz
1950年代の初め、日本では結核の治療に何年もかかっていた。そのためか、療養者向けの雑誌も多数刊行されていたようである。健康誌でありながらどの雑誌にも大抵文芸欄があり、入院中の人々が詩や俳句を投稿するのである。これらの詩歌はセンチメンタルで不快なものが殆どなのであるが、とある誌面に、やや大きめに紹介されていた詩があった。他の療養中の詩とは異なり、モダニズム風に書かれたその詩を読み、感心した人物がいた。瀬木慎一である。瀬木はその投稿者に手紙を書き、それからその無名の詩人との文通が始まった。詩人の名は黒田喜夫。 若い頃の黒田の詩はモダニズム風ではあるが、内容に農民運動の生々しい体験が盛り込まれ、混沌としたものが多い。だがフランスの抵抗詩を読むようになってから、黒田の詩が変り始める。混沌さが失せ、急速に形を整えてゆくのだ。その頃の詩を、瀬木は「列島」に送る。関根弘はその作品に驚愕。巻頭に掲載さ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『琉球思潮 – ただいま休止中です』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く