『日経ヴェリタス』2009年3月15日号に掲載された「秘密暴かれるUBS、揺れる富裕層─脱税関与疑惑、米当局追及の全容」は、紙幅の関係でオリジナル原稿を一部カットしているため、全文を掲載します。(09/03/22) 「秘密暴かれるUBS、揺れる富裕層」オリジナル版 顧客情報流出 まるでハリウッド映画のような、としか形容しようのない事態の展開で、世界最大の金融機関のひとつが窮地に陥っている。 2008年2月14日、ドイツ司法当局は脱税の容疑でドイツポストのツムウィンケル会長の自宅・事務所を強制捜査した。その4日後、ドイツ連邦情報局BNDはリヒテンシュタインの皇室が経営する大手プライベートバンクLGTの顧客情報1,400件を460万ユーロで購入したと発表した。 LGTで顧客情報の電子データへの移管作業に従事していたハインリッヒ・キーバーHeinrich Kieberは、スペインで不動産の不正取