サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
ノーベル賞
www.camri.or.jp
60 月 刊 資本市場 2017. 6 (No. 382) 3月初旬、日経新聞で気になる記事を見かけた。 「政府の 負債と日銀の保有国債を相殺すれば、負債は1千兆円程度か ら500兆円程度に半減するとの試算もある。相殺分は事実上 の通貨発行となりインフレを生む要因となる。国債は政府の 負債で国民の資産。インフレで負債を軽くすれば資産価値も 吹っ飛ぶ」 (2017年3月7日 日経新聞 『日本国債 描けぬ 出口2 シムズ理論の甘い誘惑』 ) 。 長期国債に限ると発行残高は800兆円強だが、その内、日 銀の保有比率は2016年4Q末で40%強にも達しており、政府 と日銀のバランスシートを連結した「統合政府」という視点 で考えることは、極めて重要である。中央銀行が財政従属に 陥ることを強く懸念した趣旨の記事であり、筆者もその懸念 を大いに共有するが、誤解を招きかねない部分もある。本稿では、日本政府
48 月 刊 資本市場 2017. 6 (No. 382) 内閣官房参与でイェール大学の浜田宏一教 授は、2016年にプリンストン大学のクリスト ファー・シムズ教授の論文を知ったことをき っかけに、金融政策だけではなく財政政策を 併せて実施することの重要性を訴えて、議論 を巻き起こした。 そうした今、2%のインフレ率目標を達成 するには、どのような政策が有効でどのよう な政策が無効であるのかを改めて検討する必 要が生じてきた。そのためにはまず、日本経 済が陥った罠が本当のところ何であったのか を問い直す必要がある。 一般にそれは、ケインズが『雇用・利子お よび貨幣の一般理論』で行った議論を基にジ ョン・ヒックスが提示した「流動性の罠」で あると考えられている。 「流動性の罠」は、標準的なマクロ経済学 の教科書では、 「中央銀行がマネーの供給量 を増やしても、利子率が下落することなく、 マネ
4 月 刊 資本市場 2014.5(No. 345) ■1.はじめに 米国においてHFTを巡る議論が再燃して いる。そのきっかけとなったのは、証券市場 の内幕をテーマに数々の著作を執筆したこと で知られる小説家マイケル・ルイスの『フラ ッシュ・ボーイズ』の発刊である。このノン ・フィクション小説は今年の3月末に発売さ れると同時に大反響を呼び、米国アマゾンの ベストセラー・ランキングの第1位となって いる(4月9日現在)。当然ながら株式市場 関係者の間でも議論を巻き起こしており、そ の対象はHFTのみに限らず、電子化された 証券取引所やダーク・プールの功罪まで及ん でいる。 さて、本稿では最初に『フラッシュ・ボー イズ』を引用しながらHFTの取引戦略を紹 介する。加えて、米国株式市場における HFTの現状を整理する。そして、HFT登場 の背景にある情報化の進展が米国株式市場に 対して
内外の資本市場に関する動向や課題について、学術・実務・行政・政策面などから広くかつ深く掘り下げた資本市場情報専門誌です。資本市場の各方面で活躍されている方々の論文、講演録や座談会、諸団体の動き、その他資本市場に関するタイムリーな情報提供を行っています。
月 刊 資本市場 2012.7(No. 323)38 1) JOBS Act成立の経緯 JOBS Actは、オバマ大統領が2012年4月 5日に署名して成立した法律である。 同法の狙いは、その正式名称“Jumpstart Our Business Startups Act(H. R. 3606)” (新規事業活性化法、起業促進支援法などと 訳されている。以下「活性化法」)の通り、 新興企業の育成を図ることである。そして、 クラウドファンディングと呼ばれる新興企業 向けの新たな資金調達に道を開いたことが評 価されている。なお、クラウドファンディン グのクラウドは、Cloud(雲)ではなく、 Crowd(群衆)である点が味噌である。つま り、多くの人々の資金による少額の資金調達 を意味している。 なお、この活性化法の略称JOBS Actが、 2011年9月にオバマ大統領が提出した雇用創 出法
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『公益財団法人資本市場研究会(公式ホームページ)』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く