5.ワーファリンについて 歴史 / 作用 / 適応と禁忌 / 定期的血液検査 / 食事との関係 / 中止するとき / 妊娠と出産 / 新しい抗凝固薬 ワーファリンは血液の凝固能を低下させる薬です。 ■歴史 1920年頃、カナダや北部アメリカの牧場で、若い元気な牛が急に出血が止まらなくなって死んでいくという病気がはやりました。調査の結果、腐ったスイートクローバーを牛に食べさせることがその病気の原因であるとわかりました。当時、牛の飼料がそれまでの牧草から、大量に収穫できるスイートクローバーに変えられつつあったのです。また、ムラサキウマゴヤシ(ビタミンKを多く含む)を食べさせると出血が止まることもわかりました。その後、ウイスコンシン大学の生化学者が、腐ったスイートクローバーから出血誘発物質としてdicoumarolという物質を見つけ、1943年にはその誘導体としてワーファリンを合成することに成功