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パリ五輪
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『ビフォア・サンセット』は近年稀に見る神話的な傑作である この10年を振り返ってみても、『ビフォア・サンセット』を超えるロマンスを思い出すことは困難です。恐らく、学生時代に始めて接したフランソワ・トリュフォーによる神話的連作“アントワーヌ・ドワネルもの”以来の衝撃のような気がしています。トリュフォーがジャン=ピエール・レオーという“分身”を得て、その成長を長きに渡りフィルムに焼き付けたように、リチャード・リンクレイターもイーサン・ホークとジュリー・デルピーという2人の俳優達を見つめ続けることで、やはり神話的な作品を撮ってしまいました。 上映後、同行した女性に最初に放った言葉は、「短すぎる…」というものでした。それはかつてジャン=リュック・ゴダールがジャック・リヴェットの『アウト・ワン』に向けた賛辞とはやや異なる意味だと思うのですが、とにかく80分強の上映時間ではあまりに短すぎる、それが『ビ
『恋人までの距離』における“言葉”と“構図”を冷めた視線で楽しむ 本作が、一般的に認識されているような所謂“ラブロマンス”と異なる点を挙げるなら、映画における“台詞”が、現実における“会話”により近く、かつ、それとは逆に、現実感を伴わない“詩的”な言葉に代えられているからではないでしょうか。主人公である二人、すなわち、イーサン・ホークとジュリー・デルピーを結びつけるための、さしたる事件もアクシデントも起こらない本作ですが、その代わりに、時に極めて抽象的で、時に“リアル”な言葉によって、この『恋人までの距離』は成り立っているのです。 会話とは言葉の応酬に他なりません。であれば、監督であるリチャード・リンクレイターが言葉に拘るのも肯けます。冒頭、二人はヨーロッパを横断する列車で知り合いますが、国籍の違う彼ら(アメリカ人とフランス人)が、二人とも理解できないドイツ語を間接的媒介として知り合うとい
2011年ベスト 大晦日です。 また一年ぶりの更新になります。 今年は東日本大震災があったという意味で歴史的な年でしたが、それは映画生活にも暗い影を落としました。もはや映画など観ている場合ではないのかもしれない、そんなことを思ったのは、後にも先にもない経験でした。その流れで、“映画を観る”ということについて、さまざまに思いをめぐらせたりも…。 ただ、震災後の疲れきった精神状態を癒したのもまた、映画でした。敬愛する監督たちの、あの強靭なな画面にどれほど勇気づけられたことか。今年ほど自宅での映画鑑賞が多かった年もまた無かったかもしれません。 劇場での鑑賞本数は非常に少ないものでしたが、その分、かなり厳しく選んで観たため、今年はワーストの選出には至りませんでした。たとえば『アンチクライスト』や『スコット・ピルグリム』ですらも、積極的に嫌う程の映画ではなかったように思えるのです。 というわけで、今
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