サント・クロチルド教会でオルガンを弾くフランクを描いた有名な絵(J. Rongier)。オルガニストとしては著名だったが、その作品は生前、嘲笑されるか無視されるかのどちらかだった。 セザール・フランクの生涯と作品 Tomoyuki Sawado (Sonetto Classics) 1822 年の12月1O日、ルードヴィヒ・ヴァン・ベートヴェンは最後の大作「ミサ・ソレムニス」を完成した。その同じ日、ベルギーのリージェという街で後に フランス音楽を変革することになる1人の男子が生まれた。セザール・オーギュスト・フランク(1822-1890)である。彼は幼少時から音楽的才能を発 揮、パリ音楽院において様々な賞を総なめにするような神童ぶりを見せた。オルガンの試験の際には、即興とソナタ形式を組み合わせた演奏を延々と行い、それがあ まりに型破りで長大であったために教授の間に激論を呼び、結局二等賞に終